84話 数時間前
あらすじ
ラーズがドラゴンの主に敗れ、村では王国軍と総力戦が始まろうとしていた。
リンテージ王国軍総大将・トール。
竜 殺 しや雷剣など数々の称号を得ている英雄である。
そんな男が総大将というだけでも指揮は十分に高い。さらに人数差や宮廷魔術師などの存在などですでに戦勝ムードである。むしろ、負ける要素を探す方が難しいだろう。
兵士の中にはさっさとこの戦を終わらせて帰ろうと思っている者や、できるだけ戦果を挙げようという者、遊び半分で殺しを愉しもうという者で溢れ返っている。緊張しているのは一部の新兵のみ。
リンテージ王国軍の陣営にある一際大きな天幕にトールがいる。彼は豪華な椅子に足を組み腰掛けていた。唇の端を吊り上げ、戦況の地図を眺めている。
「楽しそうですね、トール様」
天幕の中にはもう一人、トールの対面に第二王女が優雅に座っている。何をするわけでもなくトールの様子を嬉しそうに見ている。戦場には似つかわしくないほど美しく黒のドレスで着飾って……。ただ単に戦勝戦を見学に来ただけのようにも見えるが、見る人が見ればその目つきは雌豹のように鋭く、畏怖を抱く者もいるだろう。
「そうだね。うん、非常に楽しいね。僕にとって戦争は合法的な狩場だからね」
「意外ですわ。トール様が殺戮を好むなんて」
大げさに驚いて見せるが、第二王女の態度は芝居がかっており大して驚いていないことが伺える。ヤレヤレと言った感じのトールだが説明を始める。
「王女様にも体験してもらおうと思ってね。経験だよ。人を殺すという……魔物やドラゴンを狩る機会はいくらでも用意できますが人を殺すことはそう簡単にできない。いうなれば貴重な経験ですね。数字に変えれば分かりやすいかな。魔物の経験が1だとするとドラゴンが2000くらいの経験値といったところだね」
「人間ですといくらくらいの経験値になりますの?」
トールは王女の顔を見ながらにやりと笑う。
「どれくらいになると思う?」
「あら、すぐに教えて下さらないの? うーん、そうですわねぇ。魔物より弱い人間ですけど魔物を1と言っている時点でそれ以上ですわよね? だからといってドラゴンより多いとは考えづらいですわ。ドラゴンよりも数も多く弱い生物ですからね。妥当な線では50といったところですが、それではトール様が楽しみにするほどとは考えられませんから……1000といったところでしょうか。ドラゴンの数値が中途半端でしたし人間を大量に狩るならドラゴンを遥かに上回る体験になるでしょう?」
「なるほど、人間の価値を魔物の千倍に設定したわけだね」
「良い線ではありませんか?」
「ふっふっふ、君は本当に賢い。経験を数値化するなんて話、普通の人間には着いてこれないよ。だけどハズレさ。人間一人あたりの経験値はおよそ1万」
「そんなにですか?! まぁ、感覚でしょうから人により誤差があるでしょうが……」
「わからないだろうけど、『感覚』ではないのさ。実際にそうなんだ。僕は経験値を得ることで強くなれる。そうして強くなってきた。はじめは魔物を狩って徐々に強くなっていったけど、ドラゴンを倒したとき一気に強くなった」
「それはドラゴンの力を吸収したからではありませんか?」
「……そうかもね。でも、見てるといいよ。この戦争で僕は飛躍的に強くなれるはずだ。国の意向など気にすることも無くなるほどに……」
グラスにワインを注ぎながらクツクツと笑う。王女もそれに合わせてコロコロと笑っている。どこか壊れたような空気だがそれを気に留める第三者はいない。
戦場情勢図の駒を簡単に動かし、どう転んでも大量の力を手に入れられることを確信する。
そのあとはリンテージ王国を喰らい全てを手に入れる……トールはこの大陸をも支配できる力が目の前に転がってい事に狂気を抑えることが出来なかった。
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アルビウスは一人、地下牢に向かって歩みを進めていた。いや、その後ろに呑気そうな黒猫がついて歩いているが、気にしている余裕は無かった。
短期決戦の選択をしたが、勝率の低さは否めない。
もともと紙のように薄い確率だ、今さら驚きはしないのだが確率を高めたい。そのために必要なことはファイレを牢獄から出すこと……それと葉弓を仲間に引きずり込むこと……なのだが、ファイレは上手く葉弓を説得できているだろうか?
伊達にファイレを地下牢に閉じ込めたわけではない。
建前上は乱心したからだが、二重の目的になっている。一つはもちろんファイレが暴れることで周りが冷静になれること。もう一つがそれを原因にして地下牢に閉じ込め葉弓を説得してもらうことだった。
ファイレにそのことを話してはいないが頭の回転の早い彼女なら理解しているだろうと考えていたのだが、階段を下りてきてその異様な雰囲気にアルビウスは気付いた。
彼女のメガネが曇る。比喩的表現ではなく……ポケットからハンカチを取り出しキュキュとメガネを磨き綺麗にし、歩みを進める。
異様な熱気が地下牢を支配している。魔力による熱暴走……ファイレが炎の魔法を大量に放っていることは想像に難くない。
大量に魔法を放っても葉弓という娘は死んでいないのだろう。殺気が流れてくる。
地下牢に入ることを躊躇してしまうが、入らなければ話は進まないだろうと意を決する。この調子なら葉弓の説得は失敗しており、さらに牢から脱出していることは決定だ。ため息しか出てこない。
地下牢の並んでいる部屋に入る。
見張りはいない……殺されているというわけでなく、戦争に駆り出されている。こんなところで呑気に牢の見張りなどに人員を割けない。だいたい牢獄に入っているのはファイレと葉弓だけだ。
問題の牢獄内はその形を留めていなかった。
ハッキリ言ってどうやったら、このような状況になるのか理解できない。壁という壁は熱によりドロドロに溶け鉄格子は綺麗に切り刻まれ、その用途の意味をなさなくなっている。ここが元々 牢獄だったと知っているアルビウスですら別の場所に来てしまったのではないかと疑うほどだ。溶岩帯に鉄の槍が刺さっている洞窟という表現が一番しっくりくるかもしれない。
「化け物でござったか!」
「そりゃーこっちの台詞よ!」
アルビウスから見ればどちらも化け物だ。近距離なら魔法使いに勝つ術は無いし、これだけの魔法を放たれて回避できる剣士は存在するとは思えない。
だが、今はどうでもいい話である。時間が無い。この力が手に入るか切り落とすか判断するだけである。
「ファイレさん!」
「!?」 「!?」
二人は同時にビクッとして錻力の人形のように頭だけをギギギギッと動かしアルビウスを見る。
「ちが! 違うのよ! 葉弓がいきなり襲ってきて牢獄を壊したのよ!」
「あー、ズルいでござるよ! 壁とか床とか燃やし尽くしたのはオヌシではないか!」
どうやら、牢獄を壊したことを怒られると勘違いしているらしい。今さら、牢獄を壊されたところで痛くもないのだが……頭を抱えるアルビウス。
「ファイレさん、結論からお聞きしましょうか?」
「? なにが?」
「葉弓さんが仲間になるか……という話です」
「? なんで私が仲間になるんでござるか?」
……。
どうやらファイレは頭の回転は普通だったらしい。いや、察しが悪かったのか、それとも初めから仲間にする気が無かったのか……説得してない! とにかく今から説得するには時間が足りない。
「前置きは全部、省きます。葉弓さん、私たちに力を貸してください」
「嫌でござる」
「即答!?」
そして再びファイレとの間に緊張が走る。このまま戦闘を続ける気なのだろうが、そんなことを許すアルビウスではない。
「では、牢獄を壊したので弁償してもらいます」
「えぇー!! 理不尽でござる! ファイレも一緒に壊したでござるよー!」
「ファイレはこの村の為に働いてもらいます」
「ぐぬぬぬ……斯くなる上はそなたらを殺すまで!」
葉弓はどうやって切ったのか牢獄の鉄格子を片手に持っていた。それを剣のように構える。その姿にアルビウスが首を傾げる。
「腑に落ちないのですが、なぜ 私たちに力を貸すのが嫌なのですか?」
「当然でござろう。私の力はラーズの為だけにあるのでござる」
「この村の主であるラーズの為になると思うのですが?」
「私もラーズも村なんて必要ないでござる」
「ラーズがこの村を作ったんですよ?」
「それはオヌシ達に騙されたからでござる」
ラーズ以外のことはどうでもいいというのが伝わってくる。それ以外を考えることができないと言い換えてもいいだろう。ただ、そこまでラーズに執着する理由がわからない。
「なぜラーズの為なら力をかすのですか?」
答えたのは葉弓ではなくファイレだった。
「そんなもん好きだからに決まってるじゃない!」
「いや、それならラーズが愛したものも守る方が納得できますが?」
「その通りよ! この娘はお兄ちゃんが自分しか愛していないと思っているからなにも守らないのよ!」
「なるほど……ならちゃんと説明して、この村が、村人たちがいかに重要かを理解させれば仲間になるのではないですか?」
「無理ね。彼女、自分しか信じてないもん。お兄ちゃんの言葉すら嘘だと思ってる人間だからね。他者の言葉に絶対に揺るがない確固たる信念を持っているわけね」
「最悪ですね」
「最悪ね」
「さっきから黙って聞いていれば言いたい放題でござるな!」
「事実でしょ!」
「ラーズが私を愛している……その真実だけで十分でござる」
「葉弓、アナタの欲しいモノはなんですか? 要求があるなら出来るだけ飲みましょう」
「そんなもの……」
「お兄ちゃんの命だけよねぇ。自分を愛していると感じたまま永遠に時間を止めなきゃいつ裏切られるかわからないモノねぇ。今のまま、綺麗なまま命を刈り取りたいんでしょ」
「本当に腸が煮えくり返る思いでござるなぁああっぁ!」
アルビウスは理解した……彼女たちの争いの原因は『同族嫌悪』……
赤の他人が、勝手に自分のことを知らない癖に同じような考えで、物知り顔で語られる。腹が立たないわけがない。しかも自分より優れている部分があったり、コンプレックスが少なかったりすればさらに苛立ちは募る。
互いに違う人間で考え方が似すぎているためにファイレと葉弓は牢獄で戦闘を始めたのだろう。ひょっとしたら初めはファイレも葉弓を仲間に引き入れるつもりがあったのかもしれない。だが、現状 二人の苛立ちは限界すれすれなのだろう。
運と相性が悪い。
だが、完全に交渉が決裂していないことも伺える。もし二人が本気で戦っていたら地下牢の惨状はこんなモノでは済まなかっただろう。だから『限界すれすれ』という表現になっている。
それ故に、アルビウスが違う提案を出す。
「どうでしょう? 葉弓もハーレムに加わるというのは?」
「断るでござる!」
「でしょうね~。独占が目的だもの」
「いいえ、彼女の目的は独占ではありません」
「独占でござる」「独占でしょ」
アルビウスは呆れて、やれやれと首を左右に振る。
考えても見れば当然の仕草なのだが、葉弓もファイレもわかっていない。
同族嫌悪……ようするに同じ感覚・考えなのにファイレがハーレムを許容して葉弓が許容できないわけがないのだ。そこに大きな問題がある。
逆に考えれば……
「なぜ、ファイレがハーレムを許容できるか……という話ですよ。同じ条件を葉弓に突きつければ独占できなくても構わないと思うわけです」
「わ! 私は……」
「どういうことでござるか?」
「何か隠していますね?」
「私の一存では話せないし……」
と、ファイレが視線を反らすと その先には黒猫がいた。
「げ! クロネコ師匠……大丈夫です。話しません」
「ニャー」
「いや、この『げ!』はいい意味での驚きで……」
「ニャー」
「そんなことはありません。きっといい意味でもありますし……」
「ニャーニャ」
「え!? ですが……それだと、なんか納得できませんし……」
「ミャーァ」
「たしかに、ドン引きするかもしれませんしね! その方向で言ってみましょう」
鉄の槍が剥き出し、熱風漂う地下牢で黒猫に語りかける奇妙な光景をアルビウスと葉弓がポカーンとみている。なにを話しているかわからないが、なんとなく隠し事を脚色して話してくれそうな雰囲気になっていることは察知できた。
だいたい説明で『ドン引き』ってどういう状況だとも思わないでもないが、そんなことを口に出すほど子供でもない。黙って出方を待つだけだ。
黒猫との会話が終わって、こちらに向き直るファイレ。
「いいでしょう。説明しましょう……その前に……ハーレムは私にとって妥協案で仲間を増やす手立てだったのです!」
「知ってます。話の続きを……」
「え!? 知ってたの!? 知ってたことを知らなかったよ!?」
「そーいう会話はいいでござるから! さっさと重要なことを話すでござるよ! でないとそこの子猫の首を切りおとすでござざざっぁあっぁ、た、たんま! じょ、冗談でござざざ」
何故か葉弓がもんどり打って転げまわっている……何故かじゃない、絶対に黒猫が何かしているだろうが見て見ぬふりをするファイレとアルビウス。
「私がハーレムを許容できる理由はそれ以上にお兄ちゃんの力になれるから……ただ、アナタたちがこの力を望むとは思えないけどね」
ファイレにしては珍しくケタケタと笑う。まるで悪魔のような笑顔でどこを見ているかわからない視線。常軌を逸しているかのようにも見えた。
――――――――――――――――――
ウィローズは虫の息のラーズを見下ろしていた。
すでに意識は無く、呼吸音すら聞こえない。放っておいてもすぐに死ぬだろう。だが、頭を踏みつぶせば確実に屠ることができる。その一手を思案している。
(頭を潰せばすぐに楽になるだろうが、儂に刃を剥けたのじゃ。数分、苦しんで死ぬ方が辛いじゃろう)
言い訳がましいとも思った。
実際は助けたいと思う気持ちが強かった。なら、助ければいいのだが自分を殺そうとしたものの命を助けるなどということは彼女のプライドが許さなかった。
(いや、この程度の小さな命などいつでも、いか様にも出来る。ここで助けてもいいのではないじゃろか?)
一旦、その場から立ち去ろうとしたが、またラーズの前まで戻ってくる。で、腕を組んで見下し、一度ラーズの頭を蹴飛ばす。
(だいたい、儂を殺そうなどと考えるのが間違っておる。神と同等かそれ以上の存在と戦おうと考えること自体が烏滸がましい。やはり、すぐに殺してしまおう)
腕に魔力を溜める。
この一撃で頭どころか肉体の破片すら残らなくなるだろう。
(そこまでする必要があるか? 儂が手を下さずとも出血死するじゃろうし、そうでなくとも魔物どもの餌になる。力を使うのも勿体ない!)
フンッと鼻を鳴らし踵を返す。そのまま、去ろうとしたがやっぱり戻ってきて殺そうと……。
「イイかげんにしてもらえませんカ!? 殺すカ、帰るカ、治すカ、さっさと決めてくださイ!」
「うわっ!? オヌシいつからそこにいた!?」
ギッギッギと半分だけの頭を動かすストーンゴーレムことシャーリー。手も足も胴体の大半も失っているが まだ動けるようである。
「ズッと前からココにいまス。終始戦闘ヲ観戦させていただきましタ」
「死んだかと思っておったがな」
「死ヌとは正しい表現ではありませンネ。壊れルというべきでしょウ」
「どっちでも構わぬがな。ラーズを助けようというのか? 残念だがそんなことはさせんぞ」
「残念ですカ? じゃぁアナタが助ければいいじゃないですカ?」
「そ、そーいう意味ではない!」
「ジョークでス。この状態では魔法も唱えられませんカラ助けようはありませン」
「そうか、なら こやつは死ぬだけじゃな」
「ソウですネ」
「……」
「……」
「……」
「どうしましたカ? 帰るナラ帰る、殺すナラ殺せばいいじゃないですカ? 私は何もできないんですカラ……」
「……もしも……」
「……ハァ?」
「もしも、オヌシがどーーっぉおおっぉしてもラーズを助けて欲しいというのなら、考えてやらんでもないぞ? どっぉ~~~~しぃてもというのであれば!!」
「うーン、そうですネ、助けて欲しいですガ、勝負の世界は非常でス。これも運命と思ってラーズの命の行方は見守るしかありませン」
「……」
ウィローズは腕を組んでイライラしているように見える。身動きの取れないシャーリーの方が悠然と構えている……構える身体は無いのだが……。
「……だが! だが、お前らが言ったのだぞ『お前を倒せる人間が現れた』と! 本気を出さずともこの程度だとは思うまい! 責任を取れ!」
「そんな無茶苦茶ナ。いいじゃないですカ、倒されなかったんだカラ」
「死んだら後味が悪いじゃろ!」
「ジャァ治せばいいじゃないですカ」
「それじゃぁ戦った意味がないじゃろ! それに……」
「ソレニ?」
「うるさい! なんとかしろ!」
ラーズは戦う気が途中で削がれていたことを思い出した。一方的な殺し合いだったが、彼には芯が備わっていた。そしてその芯の根源は自分ではなく正義感にあった。もし自分にその芯が向かっていたとしたら本当に『倒せる人間』だったのではないかと思ってしまう。
「私としてハ、魔法が使えてモ助ける気ハ無いんですけどネ」
「嘘吐け! 使えれば儂が去っていたら助けたじゃろ!?」
「助けないですネ」
「……おかしなことを言うのぉ。なら古竜の力を取り入れるときに助けねば良かったではないか?」
「勘違いしていまス」
「勘違い……じゃと?」
「私たちハ弟子を助けようとハ思っていませン。ただ戦いの土俵に乗るところまで手伝っているだけでス。傍観者でハありませんが積極的な介入者でもないのでス。」
「なるほど、貴様らは他者を戦えるようにして観客席から眺める下衆野郎ということじゃな?」
「そういう言い回しダトかなりの下衆に聞こえますネ。そうではなク、分岐に必要な人物に力を貸しその結果を受け入れているのでス。私たち三人は異なる正義感を持ち合わせているため三人が争わないようにするための苦肉の策といったところでしょウカ。混沌、中立、秩序、それぞれの正義がありますガ、争うことは得策ではなく、分岐者なる者を立てその結果を受け入れルことにしたのでス。それがラーズでありウィローズでありトールでス」
「……納得できるとでも思うっておるのか? 儂やこやつは貴様らの駒か?」
「わかっていないようですネ。私たちガいなくても結果的には行われる出来事。それに多少公平にしようトしただけのことでス。私たちが何もしなけれバ、ラーズはこの場に立つこともなク、生れた村でドラゴンに殺されていたデ」・「胸糞悪い泥人形が!」
最後の言葉を発する前にウィローズはゴーレムを破片も残さないほど粉々に吹き飛ばしていた。それ以上の怒りのぶつけどころを失い歯軋りをする。
ようするに自分もラーズも奴らに踊らされていただけだ。ひょっとしたら戦う必要も無かったのかもしれない。彼らの『お前を倒せる人間が現れた』という言葉にいつか戦わねばいけないと勘違いしてしまっていた。
ウィローズはラーズの傷をいやす決断をする。できれば村の戦争にも手を貸したいと思うがトールに釘を刺されている事を思い出す。
それに魔界まで降りてきてしまっている。今からココから出て村に向かったところで間に合う可能性は低かった。




