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38話 教会に行くだけ

 ワタクシたちだけで教会に行くことになりました。

 誰かって? ワタクシとラーズとその妹のファイレですわ。傭兵二人? あぁ、先ほど副団長に襟首を掴まれて泣きながら引きずられて行きましたわ。お仕事をさぼっていたようで。

 だいたい、ワタクシのラーズを……っと……言いなおしますわ。ワタクシの下で働いているラーズに色目を使おうなどと考えるから、罰が与えられてのでしょう。

 はぁ? ワタクシがラーズに恋をしているとお考えになっているのですか? ありませんわ、あんな三流……いいえ、二流冒険者など。そりゃー多少、見直す部分もありますけれど、主にマッサージに関しましては……ですが、それだけのこと、ラースがワタクシに『どーしても、つきあってほしい』と土下座をして頼むのでしたら、多少は付き合って差し上げてもよろしい程度の男でしかありませんわ。


「アンジェラさんはここまででいいですよ?」

「なんでですの!? 教会まで行きますわよ!」


 サラッととんでもないことを言うファイレ。なんのつもりかワタクシとラーズの仲を……と言うほどの仲でもございませんが……裂こうと画策しているのではと勘ぐってしまいますわ。

 そもそも、ファイレはラーズの妹なんですから恋愛対象にはならないでしょうに……。


「第二区画で教会の場所が二人にわかりますの?」

「そう言われてみれば……」

「大丈夫だよ、お兄ちゃん。その辺の人に聞けばいいから」

「ワタクシが案内して差し上げると言っているのですわ。人の好意を受け取りなさい」

「でも、アンジェラさんも忙しいんでしょ。いいの、いいの、無理シナイデー」


 くっ、手強い相手ですわねー。

 別にラーズのことなんてどーでもよろしいんですけど、こう無理矢理邪魔されますと意地でも着いていきたくなりますわ。大事なことなのでもう一度言いますが、ラーズのことはどうでもいいのですよ!


「教会と言いましても1つ、2つではないんですのよ。当然ですが有名どころは12神の神殿。その他にも色々ございますわ。この国なら4神の火、水、風、土がよろしいと思いますわ。すでに複雑になっているのに色々探し回るのは得策ではなくて?」


 神様の数は多すぎてわからないほど居ります。ただ、普通教会が立つのは12神ですが、第二区画にはそれ以降の神の教会もいくつも立っております。知らない人には目的の神殿を探すのは一苦労となっております。


「たしかに、探してたら大変なことになるな」

「だけど、私たちが探してるのは大地神の教会だけでいいんだよ」

「あら、どうしてですの?」


 ちなみにアルーノ家は火炎神を信仰しております。『闘い』なども司っておりますわ。


「おそらく、オリハルコンが加工できる鍛冶師を呼んだのが大地神の第一位司祭様だから……この国に第一位司祭様って多くはないでしょ?」

「……。第一位司祭様がいるのはたしかに火炎神か大地神のどちらかですわね。最も大きい教会は火炎神の教会ですが?」

「成金趣味は?」

「なんともいえませんわ。ですが、大地神の第一位司祭ビギヌス様は芸術品を好む傾向はありますわね」


 なるほど、と納得してしまいましたわ、ワタクシとしたことが。第一位司祭がいる国は少ないんですが、この国には現在二人居ります。もともとビギヌス司祭はこの国にいたわけではありませんが、運悪くドラゴン襲来を受けて帰れなくなったとか……。


 ビギヌス司祭について、良い噂と悪い噂が混同しています。賄賂を貰う・払う、私腹を肥やす、政敵の暗殺……いい噂は、孤児院や美術館の設立、多額の寄付金、経済の活性化など、裏表が激しい司祭として有名です。ただ、どちらもハッキリとしません。裏の顔はともかく表の顔ははっきりさせた方がいいような気がするのですが、ワタクシが考えることではありませんから、どうでもいいですけどね。


 そんなことを考えながら、大地神の教会に着きましたわ。

 昼間なので、窓からの明かりでも十分な明るさがあります。中にいるのは神官たちと信者が数名。案内係にリュガンの保証人をお願いしたいと頼むと、一室に案内されます。

 中に入ると40代の男性の神官が広い部屋に一人で座っていて、簡単に用件を説明しました。


「わかりました。ですが、あなた方の活躍が本物であるか判断しかねます。改めて調査員を派遣しいたしますのでこちらの書類にご記入をお願いいたします」


 どうやら、すぐには保証人にはなってくれなそうですが、調査をするなら あの店が素晴らしいことはすぐにわかるでしょう。

 それに40代男性ということで、なんとなくワタクシはホッとしました……その時は! まさか、若い女性の調査員が来るとは予想だにしなかったのです。


 後日来た調査員。

 サズ神官。若いおっとり系、金髪巨乳。なんでこんな神官を調査員に送ってきますの! どーなってますの!

 ファイレに聞いた話ですと、第二区画では有名な上位神官で男たちの憧れで狙っている奴は数知れず! それでいながら全員フッて、フッて、フりまくっているとか。

 もっともワタクシも言い寄る男は星の数ほどいますが、釣り合う男性がいないのが悩みの種ですけどね!

 彼女の場合はそういうことに興味がないとか……本当かどうか怪しいもんですわ。


 まぁ当然、これで保証人の一人が確保できたことは間違いないでしょう。なにか複雑なモノを感じますが……。あれ、ですわよ! さらに客が一人増えて、マッサージ店が混んで困るという意味ですわよ! 勘違いなさらないように!


いらない所を削ったら ごっそり無くなって 話が短くなりました


神官 司祭 司教 神父などいますが

宗教がゴチャ混ぜだろ とお思いの方 

たくさん宗教があるのでごちゃまぜなのです 諦めてください

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