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王の兄

作者: つむじ

竜も魔法もでてこないファンタジック(洋風)において。

とある国の六代目の王様の話だ。


王族は皆どれをとっても溢れんばかりの美しさを生まれ持っていた。


建国から数えて六代目の王もそれに漏れず、黄金に輝く髪にすいこまれそうなほど蒼い眼をしていたそうな。


美しい上に聡明とくれば国中の女性が夢中にならないわけがない。


特に色めきたったのは王と同じくらいの年齢の高貴な女性たちだった。


中でも当時の宰相の娘は王狂いで有名だったと吟遊詩人の唄も残っているくらい。


しかし彼の王は隣国の皇女を正妃として迎い入れた後は誰一人として後宮に呼ぶことはせず、たった一人の妻を生涯愛し続けたと正史に綴られている。


これだけなら、ありふれた愛妻家としての王という印象しか持たないだろう。


と、まぁこれが、世間によく知れた「六代目の王様」という御伽噺だ。


だが、裏話はこれからだよ。


王に近い者の中でも少数しか知らされていない隠された秘密があった。


城の奥には後宮がある。


さらに奥に進むと塔と呼ぶには些か低い建物があった。


なんと、そこには王の兄が住んでいたらしい。


そんなはずはない、と言いたいのだろうが確かにいた。


正史に書き記してあることが真実とは限らない。事実、王には兄がいた。


王の系譜図に名はないことから庶子だった可能性が高い。


存在を隠したいという誰かの思惑によって塔に押し込められていたんだろう。


だが、どういった経緯かはわからないが王が幼いころに偶然出会って表に引っ張り出したらしい。


何、言ってることが違うだと。存在が隠されていたってことは「王の兄」として、だ。


「王の兄」として認識こそされてないにしろ、王の近衛として表舞台に引っ張り出されてるんだよ。


ほら、ここに書いてあるだろう。


そんなに驚くことか。


...嗚呼、そうだよなぁ、だってお前...


「王の兄」の直系の子孫にあたるんだからな。

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