異世界確定
空き行修正
クリスside
『おかけになった電話は電波の届かない所にあるか、電源が入っていないためお繋ぎ出来ません』
コーイチの携帯に急にに繋がらなくなった。
電池切れにしても、自宅の前にいたはずだから直ぐに充電出来る筈なのに…
「あにさん。どうかしたッスか?」
僕のベッドで転がりながらBL小説を熟読しながらも電話の相手が僕の彼女だと心配する声が聞こえる。
何を隠そう僕の嫁「実の妹ッス、それともう私、好きな人いるッスから。」
心を読まないでくないか? マイシスター グスン。
いつの間にか、兄離れした妹の成長を寂しく思いつつ、正直に話す。
「コーイチの奴自分からかけておいて、電話を切ったみたいで、かけ直しても繋がらないんだよ。
何か自分の部屋にコスプレ女がいて勇者プレイの最中みたい。正にそれなんてエロゲ?状態。」
「コーイチさんってウチや、あにさんと同じ、スポーツ特待生ッスよね?
そんな痛い話や性癖を持つ人じゃ無かったような。」
「ああ、彼、隠れオタクだから、それと男には人には言えない性癖があるものだから。」
僕が故障して傷ついた彼に拠り所となるもの
漫画本や二次元美少女を散々送りつけたから。
彼は照れ屋だから表には表さないだけさ!
クフフフ、僕の洗脳も完璧さ!
「……それにしても勇者ッスか」
「ん? まぁ個人の趣味だし、そっと触れないで上げよう」
「……真逆また? …イヤ、何でも無いっス」
マイシスターがなにか呟いて、コーイチを気にかけてる!!
くっ!! コーイチめ! 妹をNTRする気か!!
僕の可愛いよm「いい加減にしないと二度と口きかないッスよ?」
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だから、なんで僕の思考を読めるの!?
クリスside end
◆◇◆◇◆◇◆◇
怒りの形相でコスプレ女に詰め寄り、クリスは何処だと怒鳴ろうと思ったら、通話中だった筈の電話が突然切れ、車の走る音や近所の公園から聞こえる子供の声が喪失した。
急いで振り返ると、そこにある筈の扉が跡形も無くなっている。
外界に繋がるであろうスマフォを見ても、当然の様に圏外になっていた。
おかしい、俺の部屋は圏外にならない筈だ。
しかしスマフォは無線LANのアンテナすら立たないしGPSアプリも機能しない……
頭に登った血が一気に下がる。
そして、彼女が口にした単語が頭をよぎる。
勇者 私たちの世界 召喚 救ってください
「……初め、俺の事を勇者だとか、救ってくれとか言ったな…どういうことだ?」
彼女の懇願通り、怒りを鎮め、努めて冷静にコスプレ女に問いかける。
よしんば、これがドッキリで俺は元のアパートに帰れるということを信じて。
俺の怒気が霧散したのを見て、安堵した彼女は少しずつ、俺の表情を伺いながら話しだした。
「先ずは、呼びつけた非礼をお詫びします。そして怒りを鎮めてくださった貴方様の寛大な心に感謝を…
大変、込み入った事情があるのですが、古から伝わる召喚の儀式で勇者様を召喚させて頂きました。 召喚魔法を勇者様が拒絶して帰られた時はどうしようかと、途方に暮れましたが……残った魔力と僅かに繋がった召喚魔法の残滓を頼りに念話で呼びかけさせて貰いました。」
ああ、クリスの近くに居たんじゃなくて念話で俺に呼びかけたと。
そして、それが何故か俺のスマフォに繋がった訳だ。
「この世界は今、存亡の危機にさらされており、是非とも勇者様のお力をお貸しください。」
……ああ、心が折れそう。
話に耳を傾けてきたが、未だにドッキリの看板も出てこない…
コレはいよいよか?
そして、話に乗っかり、俺が勇者でここが(恐らく)異世界だというその話を信じたとしても、
俺にそんな義理ないだろ?
自分の世界で勇者探せよ。
そんで檜の棒と50Gでも渡して旅立たせろよ。
つか、古の儀式で召喚って事は、過去にも勇者を召喚したのかよ。
色々、不満やツッコミが頭に浮かぶが彼女も相当切羽詰ってるんだろう。
本当に困っているみたいだし、初め、俺の怒声と憤怒の形相で涙目だったし
今も申し訳なさそうに頭を下げてる。
「アンタの世界が勇者を召喚しないといけないくらい危ないってのは分かった…」
「では…!!」
顔を上げ、期待の色を見せる少女。
「だけど此方の意思はどのくらい尊重してくれる?
世界を救う過程でどの程度、支援してくれる。 まさか、檜の棒にはした金だけ渡して、便利な使いパシリにしたりしないよな?
仮に世界を平和にしたとして、元いた世界に帰してハイ、サヨナラか?それとも……」
他にも色々決めたいが身の安全やら保証、対価を決めておかないといけない。
白紙の契約書にサインするような真似は避けないと、後々俺の首を絞めかねない。
「勇者を国の道具、人間兵器の様に扱い、戦争を起こそうなんて事は……「私たちは絶対にそんな真似をしません!!」」
今までの大人しく、気の弱い印象だった少女が人間兵器、特に戦争というフレーズに過剰に反応し、顔を真っ赤にして大声を上げた。
コレは予想外の反応…
いや、勇者ってどう言い繕ったって、要は強力な戦闘力を保有した人間兵器だろ。
その力を振るう対象としたら、魔王や強力な怪物、そして敵対する人類だろ?
戦乱の世を治めるのも勇者の使命に思うのだが?
彼女の中では勇者を戦争に投入するのはタブーなのだろうか。
俺が怪訝な顔をして彼女を見やると、失言した事に気づいたのか。今度は表情がサーと青くなった。
俺もさっきまで同じ様に急激に顔色変わったんだろうな。
「も、申し訳ありません。 そのことを含め、先ずは我が国の王妃…、いえ、国王陛下に謁見していただけませんか。
それと、戦争のことですが、少なくとも私たちは貴方様……勇者様を戦争に利用する真似は絶対にしないということだけは」
「……わかった。」
これは、以前何かあったな。
先代の勇者……ここまで、怯え、勇者を戦争に参加させる事に過剰に反応するのは余程の事だ。
反逆勇者でもいたのかな?
そうして、俺は彼女の跡をついて行き、地下室を後にした。
あと、地下室から地上へ続く階段を上って言った時、地下室が俺の部屋を改装した部屋でない事に気づき、
城内から出た時、日本の都会の空気と違い、自然豊かな田舎の綺麗で美味しい空気が肺を満たした事でココが都会でない事、窓から見える中性ヨーロッパの町並みが見え、
ビルが無く、いつもより澄み渡るような青空と、あんぎゃーと鳴きながら、航空力学者に喧嘩を売っているドラゴンが騎士を乗せて空を飛んでいるのを目撃して頭痛が起き、
極めつけにスマフォが地下室だったから電波が届かなかったからでは無く、本当に異世界に来たから圏外になったのだという事を思い知った。
クリス……
俺は、お前が夢にまで見た異世界に、しかも勇者なんていうおまけ付きで召喚されたぞ。
リア充の癖に、変に夢見る幸せな頭をもっているからな~
ハハハ… はぁ~
もう一度、言おう……
俺の物語、ジャンル間違えてやいないか?
未だ、互いの名前も知らない主人公とヒロイン?




