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詩 習字の時間が苦手

作者: WAIai
掲載日:2026/06/15

私は次の授業、憂鬱だった。

何故かというと、習字だからである。


一応、机の上には一式、揃えたのだが、下手くそなので嫌だった。


あとはどうしようかなと思い、立ち上がって彼に会いに行く。


「どうした?」


彼が気づいて声をかけてくれる。

彼も準備が整っており、何となく楽しそうだった。


彼は机の上で指を動かしながら、時計を見ている。


「習字の時間、苦手で…」

「え? そうか? 俺は好きだぞ」


うきうきした声は、遠足を待つ子どものようだった。

羨ましいと思い、彼の机に手を置く。


「私、下手くそなのよ。筆が上手く動かないというか」

「いいんだよ。お前らしく書けば。先生だって、一生懸命、やれば認めてくれるだろうし」


彼が金平糖みたいに、甘くとろける声で言ってくれる。


それから白い筆を手に取り、文鎮の置かれた紙の上を滑らせる。


「こうやって、とめ、はねをしっかりして…」


彼の教えを無駄にしないために、真剣な表情で聞く。


「こうすれば、上手くいくはずだ。分かった?」

「分かったには分かったけど…。筆が思うように動いてくれるか」

「大丈夫。やれば何とかなる」

彼の机に置いた手を、ぽんと叩かれ、その感触を確かめるように撫でる。


「私も習字の塾に行こうかな」

「簡単に言うな。お前にはお前にしかできないことがあるだろう?」

「それはそうだけど」


少しむっとして頬を膨らませると、彼がじっと見つめてくる。

互いに譲らなかったが、私のほうが先にそらす。


「ごめん。確かに、簡単に言い過ぎたかも」

「いいんだよ。…あ、そうか!! 俺が教えるっていうのもありだな」

「え? あなたが…? あ、先生が来た!!」

「早く席に行け」


背中を押され、私は自分の席に戻り、そのまま起立する。


あとで彼に習おうかどうしようか、真面目に考えながら、礼をする。

とりあえず、彼に教わった点を注意しないと。


そう思い、席に座るのだった。

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