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アイツの本性を暴いてみた!  作者: うちよう
姫柊花音の本性を暴いてみた!
15/29

第15話 花音の悶々

 私は学校が終わるなり、速攻家に帰った。

 別に、友達がいないわけじゃないよ?

 私にはマサくんがいるもん。

 ただ、ちょーーーーーーっと予定が合わなかったからバイバイしただけ。

 予定がないから寄り道せず真っ直ぐ家に帰る。至極当たり前のことだよね?

 別に、浮気を疑ってるわけじゃないよ?

 ただ、ちょーーーーーーっとだけモヤモヤするかな。

 だってそうでしょ?

 私が誘う時は、いつも露骨にめんどくさそうにするもん。

 なのに、今回はマサくんの方から友達を誘って遊びに行った。

 別に、怒ってるわけじゃないよ?

 ただ、ちょーーーーーーっとだけムカムカするかな。


 「いや、怒ってるじゃん。私」


 ツッコミつつ、私は玄関扉を開ける。

 すると、すぐさま世一よいちにぃが出迎えてきた。

 この兄は相変わらず帰りが早すぎる。


 「ただいま」

 「おかえり、今日は随分と早いね。雅春まさはる君と遊びに行っていないのかい?」

 「今日は別の友達と遊ぶって言ってたから、学校でバイバイしてきた」

 「なるほど、浮気とは感心しないな。ここはお兄ちゃんに任せておけ」

 「絶対にやめて。マサくんに絶交なんかされたら学校で一人ぼっちになっちゃう」


 そう、マサくんに絶交を切り出されたら冗談抜きで一人ぼっちになってしまう。

 他の友達を作ればいい——————そんな簡単な話じゃないんだよなぁ。

 この件に関しては一方的に私が悪くて、どうしても人の言葉の裏を読もうとしてしまうクセがあるのだ。

 要は、誰かと話している時も「この人は一体何を考えている?!」となってしまうわけよ。

 全く、小学生まではそんなこと考えることもなかったんだけどな……。


 「でも、雅春君がずっと一緒にいてくれる保障もないだろう?」

 

 世一にぃの言う通りだ。

 マサくんがずっと一緒にいてくれる保障はどこにもない。

 例えば、たくさん友達ができたり、女ができたり……とか?

 いやいや、だったら私一人で良くない?

 友達と女を両立できる人——————ほら、私しかいないじゃん!

 ということはつまり、マサくんの相手をできるのは私だけということだ。


 「ふふふ、その辺りは大丈夫だよ。私、マサくんの中で最強の逸材だから」

 「その自信はどこからくるんだか……。とりあえず、着替えておいで」

 「ほ〜い」


 気の抜けた返事をしながら、私は自室で着替えを済ませる。

 そして私は、ベッドに放ってあったスマホを手に取った。

 マサくんのLINE ——————世一にぃがマサくんを拉致した一件でなんとか入手できたのだが、未だにメッセージを送れていなかった。

 というか、何を送ればいいん?

 LINEを乱用したことないから、よく分からん。


 「自己紹介……はおかしいもんね。もうお互い知ってるし。だったら、こんばんはって送るか……? いや、要件なんだしって感じだし……」


「んー……」とうなりながら考えていると、扉が三回ノックされた。

 誰が来たかなんて、確認するまでもない。

 

 「世一にぃ。着替え終わってるから入ってきてもいいよー」

 「入るぞー。今母さんからLINE来てな。今日の晩ご飯は各自だそうだ。コンビニでも行くか?」

 「うんー。そうしようかー」


 お母さんは忙しい人だから、ご飯各自は割と日常茶飯事だ。

 それよりも、マサくんになんてLINEするか……。

 すると、何かを察した世一にぃが口を開いた。

 

 「雅春君にLINEを送りたいのか?」

 「そう、やっぱり友達ならLINEの一つや二つ送るのは普通かなって。まだ一回も送ったことないんだよねー」

 「それならそのお悩み、この兄が解決して差し上げよう!」

 

 なんか始まった。

 世一にぃがこのテンションになったら何を言っても止まらないし、どうせなら参考までに聞いておこっと。

 そして世一にぃは、自信満々に自分のトーク画面を見せつけてきた。

 メッセージのお相手は——————まさかのマサくん。


 「どうだ、驚いただろう?」

 「……そうだね、驚いた」

 「そのわりには、随分とリアクションが薄いじゃないか」

 

 そりゃそうでしょ。

 だって自分の兄が、クラスメイトの男の子にダル絡みしてるやり取りが目の前にあるんだから。

 最初はよく分からないキャラクターの「チョリース」の挨拶スタンプから始まり、それに対してマサくんが「よろしくお願いします」と淡白に返事している。

 そこまではいい。問題なのはこの後だ。

 わりとどうでもいい内容のマシンガントークをマサくんに一方的にぶつける世一にぃに対して、マサくんはそれをまさかの既読スルー。

 てか、最後の方は未読スルーされてんじゃん。相手にすらされてないじゃん。

 あんなに意気込んで悩みを解決すると言っていたのに、このどうしようもない惨状。

 思わず笑みが引き攣ってしまう。


 「まあ、参考になったよ。ありがとね」

 「ふむ、この兄を見習うがよい!」

 

 うん、反面教師として見習うね。

 とりあえず私は、「今ひまー?」とウサギの可愛らしいスタンプを送っておいた。


 それから夕食の時間……返信なし。

 ふぅーーーん?

 まあ、まだ忙しいかもしれないからね。しゃあない、しゃあない。


 それから入浴後……返信なし。

 ふぅーーーーーーん?

 まあまあ、もしかしたら勉強とか何か作業してるのかもしれないからね。返信きたら軽く愚痴るぐらいで許してやろう。


 それから就寝前の自由時間……返信なし。

 ふぅーーーーーーーーーん?

 さすがに遅すぎませんかね?

 私、もう眠たいんだけど。動画見てる間は起きてるけど、そのまま寝落ちしても知らんよ?

 何かあっても遅いんだからね♪


 そして気がつけば朝になっていた……。

 ちなみに返信は……あった。トーク横に「既読」が付いてるだけだけど。

 …………ふぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん????????????

 よし! 今日のやることが決まったぞい☆


 朝食を食べ終えると、私は鼻歌を口ずさみながら制服に着替えて学校へと向かった。

 

 マサくん! 最っ高に可愛い私の気持ちを全身で受け止めてね♡

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

今後とも、よろしくお願いいたします!

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