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茨姫は悪魔と呼ばれる俺に依存する  作者: 大井 芽茜


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勇者の居場所

ユイトは魔力が生まれつき使えず悪魔と呼ばれ恐れられていた。

そんな中、出会ったエスティアと冒険をする。

だが、その途中に無能力者のみ使える勇者の剣に乗っ取られてしまい身体が動かなくなった。

その謎を知るべく、セルブレスへ足を踏み入れる。

 そして、俺たちはよく分からない集団に囲まれながらセルブレスに足を踏み入れた。まぁ、顔も隠せるし周りに見られないのは都合がいい。


 だが、嫌な予感がするのも事実。周りをかこっているの連中は変なやつばっかだ。俺が言うのもなんだが。


 ブレイスルやほかの場所を見てきたが、あの魔政局の連中に比べると身体が不健康に見える。俺が飢え死にしそうな時と同じように骨が見えかけていたり、顔に変なものをつけているやつだったり……体には細い線の切り傷があるやつもいる。顔や手足に白いものを巻き付けているのも不気味だ。


 俺はどうなるんだろう。身動き取れないし、こんな人たちだし嫌な予感しかしない。


 セイヤと名乗る男について上にあがると、高くて細長い建物が立っていた。


「彼の車椅子を引いてやれ」

「はっ」

 その言葉と共に誰かが俺の背後に立って押した。車椅子っていうんだな。これ。


「エスティア、剣はどこに」

「私の家にあるけど、何する気?」

「軽く研究に使おうと思ってな。」

 こいつがあの剣について知っていて、何か分かればいいんだが。だが、果たしてそう上手くいくのだろうか。


 俺が考えこむのも知らず、エスティアは仕方なさそうに頷いた。

「別にいいけど……ユイトに何かしたら許さないから。私のものだから」

 そういいながら、俺の椅子を押してくれていた人を押しのけて睨みつけながら俺の椅子の取手を握る、ら


「その人は悪くないだろ。俺を助けてくれたんだ。はあ、思いやれといったのに……悪いな、ありがとう。助かった」


 そう彼女に言うと、気まずそうに首を傾げていた。

「……お礼言うなんて変な人」

「そうか?」


 エスティアはフッと笑うと、ドヤッとした。

「ユイトはそういう人なの。」

「あなたもその人も変な人……流石はセイヤ様の知り合い」


「おい。そこで話し込んでいないでこい。何人もが待っている。」

 セイヤはそう言いながら先へ先へと歩いていく。


「……あっ。思い出した。ああそうだったあ。ユイトが大事すぎて1番大切なことを忘れていた。」

「えっ?」

 エスティアが口をまた開いた瞬間に、椅子が勝手に走り出した。


「ま、待って!!」

「俺はなにもしてない!」

 この動かない体でどう抗えというんだ。もういい。どうにでもなるだろ。


「、。,())?!!」

「。。:@(?!)@:::」

 なんか聞こえてくる。声を荒げるように叫ぶ声が。


「…………による世界!」

「このおかしな世界に革命を!!」

「全ては勇者の再誕と共に!!」


「……え」

 行き着く先は、多くの人々が見上げる景色。人々は泣き叫びながら手を伸ばす。


「勇者こそ、我々の光!!」

「こんな世界は1度壊すべきだ!」

「「勇者!!」」「「勇者!!」」

「「勇者の再誕!!我々の光さすもの!!さあ!甦れ我々の全てを捧げてでも勇者を呼び起こせ!! 勇者!!勇者!」」

「「憎き魔女を、この憎き世界を!! 全て切り落とす強き勇者よ!!」」

 なんだこいつら。勇者は……憎まれている存在で魔女は愛されているんだろ?


 なぜ、勇者を支持する。


「ここが、……お前の居場所だ。ユイト。」

「――!!」

 後ろから現れたセイヤは俺の前に立ち、手を広げた。


「聞けっ!!遂にこの日が来た。そう。勇者は」


「――蘇った!! 我々の前にいる男こそ、我々の勇者だ!!」

「――――――――――!!!!」

 湧き上がる嘆きに俺はただ動けなかった。

 ただ、ここに置物のように置かれるしかない。


「勇者あああ!!」

「やっと!我々の願いが叶ったのだあ!」

「――――)/6/)?、.、.""「/」?/?、<>>>.\\!!!!!!!!!!!!!!」



「……」

 俺はどうなるんだ。

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