スマホゲー ム
ソフィー教授からメッセージが届いた。
エドラと久しぶりに会って、研究のために数日間一緒に過ごすため、後で訪れるとのことだった。
ピノは焼きトーストの朝食を食べながら、元気なくテーブルの横に座っていた。まるで飼い主にペットホテルに預けられたばかりの子犬のように見えた。
珊瑚は黙って昨日ピノを慰めようとした編み物雑誌を取り出したが、ピノはただ気のない様子でページをめくっていた。
夜星は二人を見ながら、突然口を開いた。
「今朝、ソフィー教授と鐘楼の大魔法師が院長に直接研究案を提出したらしいよ。あの変種の聖子の木を囲って特別な研究をするらしい。」
「義母はその研究を手伝うために行ったんだね?あの聖子の木の亜種は、昔、私の父が育てたもので、後にエメラルド魔法学院に買い取られたんだ。」
「お父さんは昔は庭師だったのね。」
「そう、義母によれば、彼は花を育てるのが得意で、どんな希少な花でも土壌や季節に関係なく育てられたらしい。」
「それであなたは?」
「私は無理よ。そんな魔法の才能もないし、花を育てる根気もないわ。」
夜星は珊瑚とピノが楽しく話しているのを聞きながら、心の中でため息をついた。
どうやらエドラはピノに父親のことを話したようだが、聖子の木の下に何が埋まっているかは教えていないようだ。夜星も自分からは言うつもりはなかった。
エドラが自ら話すと言っていたし、その下に埋まっているものはあまりにも驚くべきものだったからだ。
昨日の夜から今朝にかけて、ピノは彼女たちにバスティア王国の過去のことを話してくれた。幻霊魔法、追放されて脅されながら戻された悪役令嬢、魔法を吸い取られて処刑された幻霊魔法使い、そして血縁の呪いを持ち、自分の実母の名前を知らされてはいけない少女のことを。
でも、なぜ「そのもの」が木の下に埋まっているのか?
「花を育てるって言えば、夜星、あなたが昔やってた花を育てるタイプの携帯ゲームをやっていたと言っていましたよね?」
「厳密に言えば小島経営ゲームね。水やりの量が足りていれば、島の木が実をつけて、それを収穫してアイテムにできるの。」
「面白そうね。季節ごとの対策とか、大雪や大雨が降った時の対処とかもあるの?」
「そんなに複雑じゃないわ。水やりだけよ。主に収穫したアイテムで自分の島を飾るのがメインだから。」
「そのゲーム、面白そうだね。『来客』が言ってたバスティア王国が舞台のゲームなんて本当にないんじゃない?もしあったら、あなたがやってたはずだし。」
「どうかな。私はゲームにこだわりがあるから、男性がハーレムを作るゲームや女性が主人公を『主人』と呼ぶゲームは好きじゃないし、恋愛メインのゲームもあまりやらない。」
この世界に来る前、夜星が定期的にやっていたスマホゲームは「錬金工房」と「livly island」だけだった。どのゲームにもそんな設定はなかった。
乙女ゲームには興味がないし、男性が主人公で美女カードを集める冒険ゲームもほとんどやらない。
夜星はこの世界が単なるゲームだとは信じたくなかった。
バスティア王国の人々が過去に来客を恐れ嫌っていた理由も理解できた。
誰も自分が他人に作り上げられた物語のキャラクターであることを望まないし、誰にも遊ばれ操られる駒のような存在だなんて思いたくない。
「練習に行こう?」とピノが提案した。




