始まりの少年
人間とは?
人間、それは世界を食べ、世界を支配するための存在である
人間、それは星の支配者なのだ
例えば完璧に言語を食べて支配したしよう?語学を完璧に支配できるだけでなくその先をも支配できる
バスケットを食べて支配したとしよう?バスケットの空間を支配し、ゾーンの状態でバスケットの空間を支配できる
もし数字を食べて支配したとしよう?どんどん数学を覚え、脳内にグラフをイメージできるレベルになるだろう
もしチェスを食べて支配したよしよう?脳内にチェス盤をイメージするだけでなく、天才的センスで何手も先をいくだろう
しかし、もし支配を食べて支配したとするならば?
言語や数字は相手を支配しコントロールでき!
バスケットやチェスはゲームそのものを支配しコントロールできる!
そう!
我々人類の人間とは世界を食べる支配者なのだ
by geniusY(故)
俺は「ルー」「5才だ」
母は精神病になり自殺
父はアルコール中毒で病死
弟は行方不明だ
親戚はみな戦争で死んだと聞いた
この歪んだ世界は1946年である
この国は二度も自分でおこなった戦争で焼かれた
そして国土は西と東で分断されている
俺はたまたま西側に支配されている
俺はもともとこの国の中の上のところに住んでいた
敗戦になって工場の権利は奪われた
そして俺は超潔癖症だったが
今では捨てられたベッドや汚い毛布で、生きていて、乞食のように暮らしていた
そして体格はガリガリで色白だ
そして毎日教会に行きパンをもらっていた
道をあるいているとバザーがやっていた
どうやら10代半ばの男2人組がやっている
男達「くじに興味ない?一等はなんとオルゴールだよ」
俺であるルー「お金ない...」
男達「・・・そのペンダントなら1回引かせてやるぜ!」
そうすると俺は鉄製のペンダントを渡した、これは生まれから持っていたもので絶対渡せないものだが
オルゴールの方が価値が高く感じたので
そして男2人組の安っぽいくじをすると金色のボールがでた
男A「(え?どうする?)」
男B「(一発で2等を引いた)」
俺「これは?」
男達「2等の弁当箱です!」
俺「やった!」ボソ
男達「(どうする?2等引かれたら、もう3等以下しかないぞ)」
男達「(うーん)」
そうして俺は後にする
20才半ばぽい黒髪の教会のシスター「あら?ルーくん今日もご機嫌はいかが?」
ルー「?」
教会のシスター「相変わらず無口なのね?私の名前を覚えた?」
ルー「興味ない」
教会のシスター「私はマリアよ?いい加減覚えて」
ルー「・・・」
そう言ってパンを黙ってもらって教会をあとにする
シスターのマリア「待って」
門をでると後ろからシスターが追いかけてきた
シスターのマリア「そろそろ孤児院に行ったら?」
ルー「親はいる」
シスターマリア「友達ができるし、将来仕事ももらえるようになるよ?このままでどうするの?、とりあえず孤児院に?」
ルー「・・・」
シスターマリア「あなたが孤児なのは私がたまたま聞いたのよね・・・」
ルーは走って逃げる
ルーは何も考えて生きていたわけではなかったが
とにかく嫌だったのだ
と思ってたらすぐ前の気のいいおっさんに捕まってしまった
シスターマリア「とにかくついてきなさい」
俺には選択肢は無かった
だが人生の希望もなんもなかったから行く事にした
孤児院につく
子供達が庭のようなところで遊びまわっていた
女性の職員とシスターマリアが部屋につれてきてくれた
マフィアのような顔で薄いサングラスをかけて、ちょっとだけがたいの良い孤児院の長がいる
孤児院の長「どうも......」
シスターマリア「どうも........」
会話には興味がないので無視してボーとしてる
シスターマリア「それでは、よろしくお願いします」
孤児院の長「どうも...」
女性の職員「ここがあなたの部屋ね、アヒムとアルバン、しっかり面倒をみるのよ」
アヒムとアルバン「げ、昼間の坊主じゃねぇか」
ルー「?」
よくみれば昼間の2人の男である
アヒム「まぁ、よろしくな」
アルバン「そうか、お前孤児だったのか?」
俺は眠ってしまった
疲れていたのだ
アヒル「(おい、弁当箱どうする?)」
アルバン「(ここで立場をわからせておくか?)」ボソボソ
こうしてよがあける
女性の職員「新入りのルーです、みんな仲良くしてあげてくだい」
みんな「・ ・ ・」
みんなも10代半ばまでの孤児なのだろうか?みすぼらしい服装の人ばかりだ
朝食を食べる
そこには安っぽい物資だ
アヒム「ついてくんなよ」
アルバン「まぁいいや、かわいい弟みたいなもんだし」
孤児院のやる事といえば社会への奉仕で
休日以外はそれをしているみたいだ
俺は「子供扱いなので遊んでいた」
男の子「またルーが独り占めにしてる!」
女の子「ルーがあそこ見せてくるー」
女性の職員「ルー、そこはトイレじゃありません花壇です」
そして、また食事をして睡眠にはいる
そんな毎日を続けていくと
祝日だ
この日はアヒムとアルバンが催しをしている
子供たちにじゃんけんをさせて、だれが1位2位3位になるか予想して賭け金をだす
その催しで賭けをする
いわば賭博だ
ひっそり孤児院の近くの公園でやっているのだが
みにくる人も多く
そこには金がまわる
アヒム「参加費は孤児院のオヤツ1食分だ、どする?」
アルバン「最初はただにしてやるぜ?」
1位、2位、3位ともなればわずかな賞金がでるため孤児院の子供達はくじ感覚で挑戦するのだ
俺「挑戦する!」
休日は3回行われる、4回にしたいが、子供達にやらせてるのでダラダラやってるのだ
20人前半の人数でじゃんけんをやっているが、なかなか活気があり
1戦目
俺はというと初戦で負ける
2戦目
俺はというと2戦目で負ける
3戦目
俺はというと1戦目で負ける
俺はすごくガッカリした
そして祝日は1週間に1回しかない
次の日、俺は勝つ方法を思いついた
夜
アヒム「(使えそうな奴みつけてイカサマする計画どう?)」
アルバン「(掛け金奪えるし、じゃんけんを遠くから指示するだけだろと思って考えてきたが)」
俺「?」そして睡眠へ
アヒム「ルーはアホだから使えないな」
アルバン「色々バレないように、指示を送る子供のグループを固めて、2〜3位を狙うのがもっとも良いか?」
アヒム「すげえええ、それならバレずに儲けれる」
そして日中
俺「じゃんけんしよ?じゃんけん!」
女の子「えー?また?」
俺「じゃんけんしよ!じゃんけん!」
男の子「しつけーなルー」
そして俺はグーを連打するのであった
そして夜
アヒム「おい?お前ちょっと来週の例のじゃんけんでさ」
アルバン「悪い話じゃないだろ?」
日中
ルー「じゃんけんしよ?」
男の子「しょうがねぇな」
女の子「ルーってバカねぇ、グーしか使えないのか?」
夜
アヒム「グループなんだが、24名のうち、12名操れば1〜3位予想で取れるか?それだと大損するな」
アルバン「どうせだし、24名全員操って1番ベットの低い奴を自然に賭けて上位予想をとるか?」
アヒム「まぁ3回でいっぱい取れるか?」
次の日
アヒム「おい、ルーは来なくていいぞ、次の例のじゃんけん」
ルー「え?」
アルバン「次は24名きまってしまったんだよな」
ルー「....」
アヒム「今日は奉仕活動ないし、クジ売りに行こうぜ!」
アルバン「ちょうどクジのあたりにできそうなもん入手したし」
ルーはボーっとしていた
何か納得できねぇ
そう思ってアヒム達の後を追いかけてみた
ルーが前クジをやっていた場所につくと
そこには黒い車と黒い服の男3名に囲まれていたアヒムとアルバンを見かけた
アヒムは眼にあざができており泣きながらぶつぶつ言っていた
アルバンはうずくまっていた
アルバン「し、しらなかったんです、ここのヤマを持つのがジンさんだったなんて」
黒い服の男「いい商売してるな?賭け金の売り上げの50%を払えば許してやるよ、良い話だろ?」
アヒム「はい、喜んで」
黒い服の男で1番大きい奴「お前らは今日から俺の下だ、その賭博は俺が取り締まるし、守る、良いな、そしてじゃんけんの話は明日しよう」
ルー「...」
黒い服の男「何見てんだ?」
ルー「!?」
俺は逃げる
そしてあっという間に捕まってしまう
アヒム「ルー、」
黒い服の男「仲間みたいですぜ?」
ジン「さすがにその年のガキに手をだしたらダメだろ?許してやれ」
アルバン「何しにきたんだ?」
ルー「俺もじゃんけん出たい!」(内心怯えながら)
ジン「なかなか勇気あるな、この場面で」
黒い服の男「さすがジンの旦那」
ジン「お前らどう思う?」
アヒム「へ、へい」
アルバン「どうぞ」
そうして黒い服の男達はすぐに引き上げていく
アヒム「どうする?じゃんけん」
アルバン「ルーは秘密守れるタイプか?」
ルー「どうだろう?」
アヒム「(やっぱやめとこうぜ)」手で合図をおくる
アルバン「そうだな」
夜
アヒム「また行方不明になった奴がでたな」
アルバン「そうだな」
ルー「?」
アヒム「この孤児院は1年に1人ほど行方不明になってんだよ」
アルバン「年長だから、家出とか逃げ出してんのか、謎だったが、なんか怪しい」
ルー「...」
アルバン「ルー忍び込んでこいよ、院長の部屋、お前なら見つかっても怒られんだろ?」
アヒム「いつも怒られて院長の前で正座させられてたがな」
ルー「えー」
アルバン「嫌なら、じゃんけん出させないぞ?」
そして真っ暗な施設の中をルー達はさまよった
ルーが帰ってこないから、探していたという口裏なのだ
アヒム「(院長の部屋だ)」
アルバン「(だめだ鍵だ)」
ルー「帰ろう」
そうして帰る事にした
薄いぼろぼろの古い窓から微かに声がする
ルー「!?」
アルバンとアヒムは先に帰る
ルーは窓の外の音を聞いた
そこには孤児院の長の声がする
ともう1人だ
何かをやっている
窓を少し大きくあける
そうすると
黒い車と、2人の男がみえる
昼間の黒い服の下っ端と孤児院長だ
ルーは何かを察して震え上がって部屋に走って行った
そしてボーっと考えていた
アヒム「はぁ無駄足だったな」
アルバン「そうだったな」
そして休日
今日はこの賭博にはいっぱい人がきていた
いつもは街のおっさん達20名くらいだったが
今日はその4倍以上はきていた、気のいいおっさん達じゃなく、ごろつきばかりだった
殴り合いではなく子供のじゃんけんだったが、一部のもの好きが見にきていた競馬感覚で
そして、子供のじゃんけんの後に、殴り合いという賭け格闘戦をやるらしい
子供のじゃんけんは客引きの前菜に利用されたのであった
それは黒服の連中が取り締まったせいであった、じゃんけんは日に2回に減らされた
じゃんけんの一戦目は
俺はCグループである
24名、8人×3で3ブロック
黒服のジンは葉巻の先を切り、黒服の部下がすぐに火をつけた
ジン「スー」 はぁ〜
アヒム「イカサマの話の通り、22名ほど買収しています、残りはルーと臨時の子供でCブロックに入れてます」
黒服のジン「まぁ仕方ないな、次回は24名いれろ」
ジンは立ちながら葉巻を吸い、部下2名は後ろでみている
じゃんけんの1戦目である
俺はCグループの1戦目である、あたる相手は孤児院の子だが、この子も臨時の子らしい
ルー&相手の子「じゃんけん」
ルー「チョキ」相手の子「パー」
相手の子「あれ?(いつもはグーなのに)」
アルバン&アヒム「あれ?」
黒服「狙い通り、外れ通しぶつかり合ってるな」
じゃんけん2戦目
ルー&いつもの女の子「じゃんけん」
ルー「チョキ」いつもの女の子「パー」
いつもの女の子「あれれ?(いつもはグーなのに)」
アルバン「たぶん、チョキで勝てると気がついてるんだな?」
アヒム「そうに違いない」
じゃんけん3戦目
アヒム「(グーをだせ!グーだ!)」
いつもの男の子「(チラ、チラ)!?」
ルー「(何か様子がおかしいな)」
ルー&いつもの男の子「じゃんけん」
ルー「(チョキで必ず勝てるが、バレているかもしれない、ならばここは様子見のパーか?それともチョキか?)」
ルー「パー」いつもの男の子「グー」
アヒム「C、Cブロックの勝者はルー選手でぇす..」
ごろつき風の観客「かわいい優秀者だな」ざわざわ
アルバン「(やばい、どうしよ?)」
ジン「おい、あいつは?」
アルバン「どうやらたまたま勝ち上がってしまったみたいで」
ジン「ラッキーマンか?、A1位とB2位とC3位のさっきのガキに、俺と子分の血を賭けてる?わかるな?」
アルバン「申し訳ありません」とわかりやすくペコペコするアルバンだった
観客「早くやれぇ」
アヒム「(じゃんけん負けてくれないか?)」
アルバン「(頼む)」ペコペコ
当然ルーは少し遠くにいるので意味が通じない
決勝はA、B、C、3名による総当たり戦だ、3名で2人ずつじゃんけんして2勝すれば1位なのだ
最初はAとB、AとCだ
Aは太った男の子と、Bはメガネの痩せた男の子のだ
じゃんけん!
アヒムが合図を送る
AとBは察してじゃんけんをする
Aはパー、Bはパー
Aはグー、Bはグー
Aはグー、Bはグー
会場はたかがじゃんけんのくせに盛り上がっていた
アルバンはルーの後ろにまわろうとしていたが盛り上がっていたため近寄れず
ルー「?」
ルーはよくわからなかったがアヒムが合図を送っている事に気がついた
そして合図の次にじゃんけんが終わった
Aの子はパー、Bの子がグー
アヒム「次はCルー選手とAの...」
アルバン「まぁ相手は子供だし、たぶんパーで様子見か?」
アヒム「たぶんその上のグーでくるか?」
アルバン「グーはリスク高いだろ?チョキとパーは出しやすいが、グーはありえない」
アヒム「とするとチョキをだせば、両方に強い、あいこならとりあえずグーで」
アルバン「それで行こう」
ルー「じゃんけん」太った体格のAの子「じゃんけん」
ルー「チョキ」Aの子「チョキ」
ルー「あいこで」Aの子「あいこで」
ルー「グー」Aの子「グー」
ルー「あいこで」Aの子「あいこで」
ルー「パー」Aの子「パー」
ルー「あいこで」
Aの子「あいこで」チラチラ
アヒム「ちょ、とりあえずもう一回チョキを」さっさと合図
ルー「チョキ」Aの子「チョキ」
観客A「あの太っちょ焦ってるなひゃひゃひゃ」
観客B「小さいガキのがスマートだな」
アルバン「よしいまだ、パーをだせばルーはグーだ」
アヒム「(パーの)」合図を送る
ルー「チョキ」Aの子「パー」
Aの子「???」
アヒム「c...Cのルーの勝ち」
観客「すげぇえええ」
観客「演技ではできない臨場感あるぜ」
アヒム「次はBとCです、Cが負ければ、Bにチャンスが........」
Bのメガネの子と、俺であるルーのじゃんけんだ
アルバン「もうどうしようもないが、奴は初手でグーはださないがここまできたら予測困難だ」
アヒム「だがチョキとパーなら、チョキを出すしかないし、かと言って奴がグーなら半殺しにあうか?」
観客「早くしろ!」
アルバン「いや、奴の立場ならチョキを出すしかない、ここはグーに賭けよう、奴が勝ったのなら50%の利益すら諦めて逃げよう」
アヒム「そうだな...」
ルー「じゃんけん」Bのメガネの子「じゃんけん」
ルー「グー」Bの子「グー」
ルー「あいこで」Bの子「あいこで...」
アヒム「よし!ここでルーはパーを出す、ここはチョキだろ?」合図を送る
ルー「チョキ」Bの子「チョキ」
観客「「「ドッッッッ」」」
ここで息を呑んでいた観客が歓喜をあげる
Bの子がオロオロしていて、Cの小さいがりがりのルーがかっこよく強く見えるからなのもあるが
アヒム「なら、奴はパーなのか?ここはチョキだ」
ルー「チョキ」Bの子「チョキ」
アヒム「ああ、グーだ、グー」
ルー「パー」Bの子「グー」
観客「決まったあああああ」
アルバン「ありえねぇ、後出しでもねぇし、奴には神がついているのか?」
アヒム「終わった...」
観客「すげぇえええええ」
殴り合いの前菜にしてはとてつもなく盛り上がってしまった
アヒム「ゆ、優秀はルー選手です」青ざめたアヒムがそう叫ぶ
アルバンの後ろには黒服が睨んでいた
ジンという黒服も結果を聞いて最初はイライラしたが、落ち着きを取り戻したようだ
ルーは観客に胴上げされてどこかに行ってしまった
ルーのオッズは100倍を超えていた
ルーに賭けていたのはルー本人と2名で、最低掛け金3人分であった
ルーは孤児院の中では一般の家庭の子供が持ってはいけないくらいの金額を手にしてしまったのだ
ルーは実はじゃんけんを運や頭脳で勝てたわけではない、ただじゃんけんの暗号が筒抜けだったのだ
アヒムとアルバンは自分達のみが暗号でイカサマできると思い込んでいたが
自分達の暗号が筒抜けだったとは一つも思いもしなかったのである
そしてじゃんけん大会の2戦目は無かった
アルバンとアルヒ、そして黒服はじゃんけんから鬼ごっこへと変わっていってしまった・・・