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終末における現代異世界転移学概論  作者: 藤原咖哩展
1回目
2/2

サバイバル



 ――2ヶ月後



 世界の様相はすっかり様変わりした。


 ゾンビ。特殊病原菌感染者。ウォーカー。リビングデッド。

 

 まるで映画やアメコミの世界から飛び出してきたかのように、それは世界に広がっていった。


 当初、厚生労働省はそれを一類感染症として、エボラ出血熱やペストと同じ分類で括ったが、発生から2日後には特殊指定感染症として、国内に緊急事態宣言が出され一週間もした頃、どうでもよくなった。


 何せ突然隣人が頭に噛み付いてくるのだ。


 無菌室にいても関係なく研究者の中からゾンビ化するのだから。

 

 もはや研究すらできない。

 

 この状況で分類もクソも無かった。


 それが未知の不可視な病原菌によるのか、何かしらの兵器のせいなのか、はたまたアフリカ奥地のブードゥーの魔術によるものなのか。


 ちなみに、ゾンビ大好きアメリカは、国防総省の一部でもし世界がゾンビ化した際の対処マニュアルなんてものをリアルに作成されていたが、それはバイオハザード、感染症的な物への対策であった。


 決してヴァンパイアに噛まれてグール化とか、死霊魔術師による蘇りとか、そんな事を想定していない。


 実に現実的な物であった。


 アメリカはいち早く非検体を大量に確保し、非人道的とも言えるやり方で検証し尽くした。

 切って剥いで抉ってバラして擦って濾して、とにかく最新鋭の設備で、最高の頭脳達が調べ尽くした。

 途中でゾンビ化する脱落者を出しながら、彼らは続けた。


 役1ヶ月に渡る世界最強国家の検証結果は。


 unknown

 

 そのまま、それが彼の国での呼称名になったらしい。


 何かしらの病原菌が確認できれば、感染者とでも呼ばれただろうが。


 日本においては、特殊感染者と呼ばれて以降、まともに研究ができていないためそのまま感染者とだけ呼ばれているが。


 とにかく、世界は一変した。


 文明は崩壊したのだ。

 

 平和ボケと、高度な消費社会にいた現代日本のぬるま湯に浸かっていた日本人は、アウトドアで楽しむキャンプとは違う本物のサバイバルな世界に投げ出される事になった。




 そんな過酷な様変わりした

 シズクは、自宅である高層マンションの最上階にいた。


 日本社会において、ニートと呼ばれていた存在がいる。

 

 Not in Education, Employment or Training

 

 略して、ニートだ。

 学生でもなく、働きもせずに、働く訓練もしていない。




 引きこもりと言う言葉もある。


 シズクは、間違いなく引きこもりだろう。

 中学一年の夏休みから、突然通えなくなった。

 

 


 

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