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待女二人の正体

(__________一体これはどう言う状況だ?)


寝室にて目が覚めると待女二人が自分を左右から見下げていたのだ。面をしているために顔は見えないが、なんとも怖い光景である。


「あ、あの.......」


話を掛けようとすると部屋から退出してしまった。一体何だと言うのだ。


(手伝いもせず、二週間もジークリンデと遊んでいたから........父上に命じられて嫌がらせをしているか?)


可能性がないとは言えない。しかし、様々な助言をして父上の領地改善の手伝いを間接的にしていたはずだと思うが。


「確認をとるか。」


あの二人の待女は四六時中、自分の近くにいる。


(別に俺の世話をしなくてもいいって言ったんだけど......無視するんだよな)


家を出た身だから強くも言えないし、父上と相談をした方がいいな。普段通りの全身甲冑姿ではなく、貴族様御用達ファッション『プールポワン』を羽織、ジークムンドが要るであろう書斎へと向かう。ちなみにジークリンデは朝に弱く、昼間に起床する。


「父上、失礼します_________」


こんこんと扉をノックすると「入れ」と言われる。扉を開け、入室する。


「どうしたんだ、こんなに朝早くから......む、もしや仕事を手伝って「あ、違います。」


断るの早くない?とツッこまれるがあまり気にはしていない様子だ。


「__________本題はなんだ。」

「少し、気になる事がありまして..........父上が私につけた待女二人の役目を解いて欲しいのです。私、いいえ、俺はもう貴族ではありません。世話係など俺には過ぎた存在を手配する必要はないのですよ。」


父上は顎に手を当て疑問とした表情をしていた。


「ん、あれらはお前の側女ではないのか。待女の姿をさせ侍らせておるものだから、敢えて口にはしてなかったが。」


何を言っているんだ、この親父は。


「えぇっと.......はい?」

「お前も男だからな。そう言った趣味趣向が好みなのだろう。だが、あまりジークリンデの前で過度な事はしてくれるなよ。」


この糞親父は、あの待女達を自分が連れて来た女だと勘違いをしているのか。何よりも待女の姿をプレイの一環として着させていると勘違いしているのが腹が立つ。


「________父上、失礼します。」


書斎を飛び出し、あの待女達を探す。


(いつも近くにいるのになんでいて欲しい時には近くにいないんだ)


食堂にもいない。中庭にもいない。廊下や調理場、洗濯室を確認するけれど見つからない。可笑しい。いいや、待て.......一つだけ確認していない部屋がある。


「俺の部屋!!」


先程は退出して何処かに言ってしまったが、絶対に父上の元に向かった後に部屋の中に戻ってる筈だ。


(緊張してきた。自分の部屋に入るだけだと言うのになんだこのプレッシャーは.......)


入っては行けない気がする。けれど、確かめなければならない。風呂場でのあの嫌な視線、そして食事中の口元を凝視される違和感、もしもそれら全てがあの待女達の仕業だとすれば......


「「あ」」


扉を開け、部屋へと入ると待女達二人は「あ、まず」見たいな声を出す。一人は愛用する枕へと顔を埋め、もう一人は昨日使用したシャツへと顔を埋めていた。そして直ぐにそれらを手放し、部屋を去ろうとする。


「おい、待て」ガシッ


この状況で普通に逃げ出そうとするとは豪胆なのか、馬鹿なのか。その面の中身を確認させて貰う。


「あ、待ってくれ」

「ちょ、それはだ」


面を引き剥がすと、案の定、見知った人物達がそこにはいた。


「________________クリームヒルト、それにブリュンヒルデ」

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