原作の流れ<1>
『ニーベルンゲンの災い<恋の先にある北欧伝説>』
↑主人公が転生した乙女ゲーのタイトルである。主人公本人はゲームをプレイして居らず、従姉妹のお姉さんに進められ、アニメ化された作品を見ただけに過ぎない。
本作の主人公は聖女であるブリュンヒルデが学園へと入学するところから始まる。
パン屋の娘であったブリュンヒルデは七英雄の一人「聖女」としての職業に選定され、ヴァルハラ学園から通知がくる。
『召集令状』
ヴァルハラ学園は大陸の名門校。選ばれた職業かつ、貴族でなければ通うことが許されない。しかし、七英雄だけは別である。世界を救う事が出来る職業こそが七英雄なのである。故に貴族でなくともヴァルハラ学園へと通うことが許されるのだ。
「やぁ__________僕もこの場所が気に入っているんだ。」
学園に入学したばかりのブリュンヒルデは貴族でないことから迫害を受け、孤立をする。そしてある日、憂鬱とした毎日を一人で過ごしていると、花が綺麗に咲く庭園内で金色の美しい髪を靡かせた青年と出会う。
「クラキ先輩と一緒にいる時間が私は好きだな。」
メインヒロインであるフロールフ•クラキと親睦を深めていく。一人ぼっちであった学園生活に花が咲いたのである。しかし、そんな楽しい一時も直ぐに終わりを告げる。
「_________貴様は下民だろう。フロールフ殿下に近づくな。」
フロールフ•クラキの許嫁であるクリームヒルトに目をつけられることになる。ブリュンヒルデはクリームヒルトや彼女の取り巻き達に陰湿な虐めを受け始める。
「この髪が、その顔形が、殿下を惑わせるのか?」
訓練所の裏へと呼び出し、ブリュンヒルデの髪を掴み上げ問るクリームヒルト。
「もぅ.....やめて........クリームヒルト、さん」
クリームヒルトはブリュンヒルデを壁へと押し付け、告げる。
「言葉には気を付けろ。私は公爵家の令嬢であり、国の王妃となる人間だ。聖女に選ばれたからと調子に乗るなよ、下級民。」
取り巻き達からも罵詈雑言が飛んでくる。ブリュンヒルデは涙を流した。クリームヒルトはその姿を見ると小馬鹿にするように笑い、彼女を地面へと投げ捨てる。
「そこで這っていろ。それが私とお前の立場の違いだ。」
ブリュンヒルデは涙するしかなかった。彼女は自分の運命を心底憎んだ。何故、私のような田舎の小娘が聖女などという大役に選ばれてしまったのかと。
「_____________ふん、田舎者の匂いがぷんぷんするな。」
年の終わり、学園ではパーティーが毎年行われる。そして皆が皆、美しいドレスを身に纏っていた。ブリュンヒルデもまた母から譲り受けたドレスを纏う。
「クリームヒルト、君の蛮行は見るに耐えない。七英雄として恥ずべき行為だ。ノブレス・オブリージュ、君は貴族や王族が持ち合わせなければならない高貴さを持ち合わせていない。僕の父、そして君の父上と話しあった結果、君は爵位を失う。僕たちの関係は此処でお仕舞いだ。平民となり彼らの心を理解してくれ___________」
パーティーの最中にフロールフがクリームヒルトへと近づきそう告げる。彼女は激昂した。
「フロールフっ、私は貴方との将来の為に尽力してきた!!なのに、その小娘に恋慕を抱き、あまつさえ庇うと言うのか!!」
覇王の力を解放し、パーティー会場を破壊する。沢山の犠牲者が出るが、クリームヒルトの破壊は止まらない。
「ノブレス・オブリージュを貴様が語るなよ、フロールフ......私と言う許嫁がいながらお前は.......ッ!!!」
フロールフを重力制御力で押し潰そうとするが、理性がそれを止める。殺したくない。フロールフだけが彼女にとっての幼馴染みであり、友人であったのだから。
「____________あがっ、っ、」
その一瞬の迷いが命取りとなる。生徒会長であるシグルドの魔剣がクリームヒルトの背中を貫く。そして彼女は幼少の頃の走馬灯を見た。
『大きくなったら、立派な王様になるんだー!あのね、もし僕が立派な王様になれたらね.........クリームちゃん、僕のお嫁さんになってよ!』
剣が引き抜かれ、倒れる瞬間、クリームヒルトはフロールフの姿を幼少期の頃と重ね、小さく笑った。
『________________あぁ、立派になったらな』
主人公が見た乙女ゲー原作のアニメの1期内容が↑




