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クリームヒルトの非情

『_________私の夫に近づくな』


ジークフリートに近づこうとする貴族の女狐たちは公爵家の力を使い振り払ってきた。抵抗する者もいたが殺せば問題は解決する。貴族の些細な誇りなど力で捩じ伏せてしまえばいいのだ。


(私は公爵家であり、「覇王」に選定された選ばれし人間だ。)


かつて世界は『九つの世界』に別たれていたと言う。しかし『神々の黄昏(ラグナロク)』により世界は一度滅びてしまった。そして唯一生き延びたオーディンの息子【ヴィーザル】、そして雷神トールの息子【マグニ】が最後の力を使い再構築したのが今あるこの世界。


(_________最後の楽園(ヴァルハラ))


それが私たちが住まう世界の名前だ。されど【悪神ロキ】は世界が滅びる前にある呪いを残した。


【アングルボザの呪い】。


世界に蔓延る化物たちの原因。【ハティ•ベイビー】が化物のいい例だろう。


(ヴァルハラ学園に入園を許されるのはほんの一握りの『特別』な者のみ。貴族とて職種の選定に失敗すれば入園は許されない。そしてこの学園で学ぶのは知識、そして化物への抗い方を高度に教育されると聞いている。)


もう一度言うが、私は完璧かつ選ばれた人間だ。出自、職種、そして美しい容姿。何もかもが世界は私に与えた。


「ジークフリート、なんで分かってくれない?私を愛せ?ただそれだけでいいんだ。」


だが、世界は私が真に欲しているものを渡してくれない。


「はは、まだ......婚約者と言う立場ですよ。」


口付けをしようと顔を近づけたが、人差し指を自分の唇へと当てられ首を横に振るうジークフリート。その動作に動悸が速くなるのを感じた。美しいのだ。あぁ、彼を早く私色に染め、蹂躙したい。


「何故、私のキスを否定する。お前に近づく女たちは全て排除した。父上とも交渉することでジークフリート、お前との婚約権を得た。後は私とお前が愛し合うだけだろう。」

「私たちは13になったばかりなのです。焦らずゆっくりと親睦を深めて行きましょう。クリームヒルト嬢、私はもっとあなたのことを知りたいのです。」


あぁ、その目だ。その目に惹き付けられるんだ。


「あぁ......そうだな。二人の時間はたっぷりあるんだ。私のことをもっと知ってくれ。そしてジークフリート、お前のことも私に教えてくれ。」


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