久々の休日
クラス対抗戦も終わり、暫くは平和な日常へと戻るだろう。スローライフ計画はロキが完全復活次第に話し合うつもりだ。今は久々の休日を楽しみたい。
「「b」組序列二位のスヴィプダグ•グローアに勝ったのか!!?」
自室にてクラス対抗戦の結末をレギンへと語る。レギンはベッドから立ち上がり驚いた表情を見せていた。
「聖女を正面からぶっ倒した傑物だぞあいつ!」
「正確には降参してるから俺の負けだけどな。」
あの筋肉ゴリラを正面から倒したのか、グローアの奴......
「ちなみにだけど、ブリュンヒルデはあの「勝利の剣」の一撃はどう防いだんだ?」
「あの凄まじい斬撃技だろ?聖女の奴、鉄拳制裁☆とか言って斬撃を拳で割ってたぞ。」
.........恐ろし過ぎる。聖女ってそう言う脳筋職業じゃないよね。
「敗因は?」
「普通に近接戦での経験の差だな。聖女はほぼ全ての大技は凌いさ。けど戦闘センスの違いが勝敗をつけた。純粋な格闘戦では力よりも技術が必要とされるだろ。」
ジークフリートにも思い当たる節がある。
(...........ディートリヒ戦)
聖女とて近接戦闘で弱いわけではない。恐らくだが、「冒険王」の能力を最大限に使われ負けたのだろう。
「なぁ、「b」組序列一位のボズヴァル・ビャルキはどうやって「a」組序列一位に負けたんだ。あの男が負ける姿が想像つかないんだが。」
「a」組が「b」組との対抗戦で黒星を上げたのは序列一位のクリームヒルト、三位のレギン、それと四位の奴だ。ちなみにではあるが「a」「b」のクラス対抗戦が行われたのは「b」「c」の対抗戦の一月前である。
「バカだな、ジークフリートは。ビャルキの奴は王子様第一の忠臣だぞ。その許嫁でもあるクリームヒルトに勝つわけがないだろ。」
要約するに八百長と言う事だ。ボズヴァル・ビャルキはフロールフ•クラキの『許嫁』に恥をかかせないようにわざと負けたのである。全ては次期国王の為に。
「忠誠心、か。」
立派な事だ。だがその強さはもう少し有用なものに使わせて貰う。
(アングルボサの呪い、第一封印解除後にボズヴァル・ビャルキは災厄と踊ることになるだろう。)
ロキと共に簡易的なラグナロクの再来を引き起こし、一人目の巨人死国の女神だけを復活させる。その暁にこいつを先ず最初にぶつけよう。
「俺も凄かったんだぜ!美髪王って奴の髪をボンバーしたら怒り狂ってよ、砲台で殴ってやったぜ!」にっしっし
ピースサインをし自慢気に語るレギン。そう言えばモルドさんも美髪王さんを瞬殺してたな.......なんだかいたたまれない。
「んあ......にっすんだぁいきにゃり!!」
レギンのほっぺを摘まむ。
「この前のお返しだ。ブリュンヒルデと一緒に俺を嵌めやがって。」
ぱちんと頬から手を離す。レギンは赤くなった頬を擦りながらジークフリートを睨み付ける。
「.........次はしねぇよ」ボソッ
ジークフリートに嫌われたくないレギンはボソりとそう呟く。
「レギン、今何て言ったんだ?」
本当は聞こえていたが、満面の笑みを浮かべレギンへと問う。
「意地悪するなよ..........あぁもぅ知らない!!」
そっぽを向き拗ねてしまうレギン。可愛すぎかよと言うやつである。




