説得成功
「ろききゅんかわゆすぎまじ卍事変!」
..........錯乱していらっしゃる。系統で言うとブリュンヒルデに近いものを感じる。
「.......てっきり私はロキくんに負けて落ち込んでいるものだと思っていたのだけど」
モルドさんは引いた様子でヘズ•バルドルを見る。
「モルド卿の言う通り、拙はロキきゅんに負けた。だが悔しい気持ちは感じなかった。むしろ喜びさえ感じたさ。」キリ
ロキとヘズの戦い(模擬戦)が淡々とリピート再生されているスクリーン(ルーン映像)へと目を向ける。
「もう一度地面に沈めて欲しい。罵って虐めて踏んづけて欲しい.......だけどそれは叶わぬ夢。」キリ
キメ顔で言ってもかっこうはつかないぞ。
「拙はこの学園を去るよ。ロキきゅんを見ると秘部が濡れる。はしたないだろう。醜いだろう。こんな醜態をロキきゅんの前で晒すくらいなら死んだ方がマシだ。」
ロキの前だと興奮して変態癖が出るから学園を去ると言うヘズ。モルドさんはさっきから引き気味にヘズを見ている。その気持ちは大いに理解出来るよ。
(ブリュンヒルデ共々こいつらは去った方がいいな)
それが世の為だ。犯罪者予備軍は予備軍の内に学園から切除した方がいい。ブリュンヒルデが七英雄で物語の主人公じゃなければよかったのに......
「そうか。じゃあ個人戦はロキ、モルドさん、自分、それと繰り上がり的に序列五位の......」
「アムレートよ、ジークフリートくん。ほら、いつも暗くてギラギラした瞳を覗かせる男の子が窓際席、後ろにいるでしょ?父親が急死したらしくて元気がないのよ。クラスメイトから聞いたのだけど、最近では彼の実父の弟、いわゆる叔父と母親が再婚したって噂でね、急死した理由はもしかしたら......」
プライベートなお話を近所のおばさんが如く語るモルドさん。
「アムレートくん戦えるコンディションじゃないでしょ、それ。ちなみに彼の職業適性は?」
「復讐者よ。」
もう答え出ちゃってるじゃん。父親殺したの母親と不倫関係にあった実弟だろ。
「やっぱり個人戦にはヘズさん、あんたに出て貰いたい。」
「バルドルさん、私からもお願いするわ。」
二人はヘズへと頭を下げる。しかし、ヘズは申し訳ないと言った様子で首を横にふった。
「拙はこの学園に相応しく「ロキとの一日デート券、それとこのブロマイドならどうだ?」よし出ようッ!出陣の時だ!!」
.........自分で提案しておいてなんだけど、なんなのこいつ?
 




