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ブリュンヒルデは出会ってしまった.......

ヴァルハラ学園_______天啓にて優秀な「職種」を選定され、かつ「貴族」でなければ入学を認めらない。しかし例外もある。


「勇者」「聖女」「英雄」「覇王」「魔帝」「賢者」「聖者」


【七英雄】と呼ばれる上記の職種選定者は学園に入学しなければならない。これは大陸全土が定めた法である。出自は問わない。


故に【聖女】に選ばれたブリュンヒルデは学園に入学しなければならないのだ。


「絶対につれてく.......絶対に......」ぼそ


肩を強く掴み意地でも連れて行こうとしているようだが、そうはいかない。こっちは伊達に冒険者をやってるわけじゃない。パン屋の娘ごときに力で押しまける訳がないだろう。


「あ.......」


首根っこを掴み部屋から追い出す。


ばんばん ばんばん


「いれてよ!ブリュン、明日には行くんだよ!」


扉ごしに叫ぶブリュンヒルデ。


「おう、行ってらっしゃい!元気でやれよな!」


ばんばん ばんばっ!


「やぁだ!ジークくんと放れたくないの!」













うちの店で新しく薬草パンを出そうってことになって森に薬草取りに出た。もうすぐ、ヴァルハラ学園に行く身だから最後にもう一度何か親孝行をしたかった。中々見つからない薬草。森に不馴れなブリュンだけど、このまま帰れないと思い、少しだけ奥へと足を踏み入れてしまったんだ。


「あぁ......うそ、そんな」


【ハティ•ベイビー】、またの名を【幼狼】が群れをなして鋭い牙を覗かせていた。


「い、いや、死にたくない!」


走る。走る。走る。だけど幼狼は自分を直ぐには捉えない。もてあそぶように噛みつき、直ぐに牙を放す。弱らせて遊んでいるんだ。


「はぁ....はぁ....」

(..........聖女様の力)


ブリュンでは逃げられない。聖女様の力に覚醒すれば敵を殲滅できるのだろう。だけど、天啓を受けてから今まで聖女の力を行使出来たことがない。


「なんで!!ブリュンは聖女様じゃないの!」


【癒しの力】を何度も唱えるが、何も起きない。


「.......ごめん、お母さん、お父さん」


木を背にもたれ掛かり、下を俯く。どの道助からない。

そう諦めようと決心した刹那_____


「_____________大丈夫か?」


【ハティ•ベイビー】を瞬きの内に一振の剣で葬り、血を振り払い鞘へと剣をしまう。その動作に美しさを感じた。


「王子........様」


いや、何よりもその容姿があまりにも麗しく、一目惚れをしてしまった。そこでブリュンの記憶は途絶えている。緊張の糸が解け、気を失ったのだ。

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