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覚醒とは

職業適性の「覚醒」には意味がある。

大半の人間は適性を完全に覚醒出来ずに生涯を終える。しかし覚醒をした上で適性を完全に扱うことが出来ればその者は必ずと言っていい程、歴史に名を残すであろう。


「ジークフリートくんの冒険家はどの'程度'まで能力を開花出来てる?」


「覚醒」にはきっかけが必要である。強い想い、強烈な刺激により「覚醒」が引き起こされる。


「熟練度はあると思うんだけど、まだ覚醒出来ずにいるよ。モルドさんは確か、軽騎士だったよね。調子はどう?」

「覚醒はしたばかりよ。だけど能力を使いこなせないでいるわ。」


覚醒した際に受ける恩恵。能力が備わる。ジークフリートくんは何故かスキルと呼ぶけれど。


「確かロキとの模擬戦闘の際だよね、覚醒したの。」


高位の職業適性程、覚醒した際に得る恩恵は大きい。


「うん、そう。あの強大な圧に当てられて「軽騎士」として覚醒したわね。それで得た恩恵で対抗したけど........結果は知っての通り負けたわ。」


『縮地』と言う相手との距離を一瞬のうちになくす能力を得た。得たにも関わらずロキくんにひと蹴りされてしまったのだ。


「あまり悲観しない方がいいよ、ロキはうん、特殊だから。」


縮地を用いて背後に回った。けれど、ロキくんに逆に背後を取られていた。そして次の瞬間には既に地面に組伏せられていたんだ。快晴を見ながら教師が「そこまで!」と声を上げたのを私は鮮明に覚えている。


(それが私とロキくんの序列戦だった。)


圧倒的過ぎる実力に私はなす術なく敗北した。弱くはないと自信を持っていただけに悔しい気持ちが溢れる。


「縮地は最大で何回?連続で何回使える?射程は?使用条件とかある?」


今日は外での実習で、教師が決めたパートナーとの模擬戦闘、そして互いへのアドバイスを目的とした授業だった。言わずもがな私の今日の相手はジークフリートくんだ。


(ジークフリートくんって以外とずかずかと能力を聞いて来るわね.....)

「.......縮地は最大で10回が限界。連続だと3回。射程はそんなに長くない。使用条件は相手を視認していること。」

「それって人に対してだけ有効?」

「いいえ、物に対しても有効よ。」


ジークフリートくんは熟考する。そして考えが纏まったのか、口を開いた。


「___________軽騎士って職業、ぶっ壊れじゃね?」


.......ぶっ壊れ?


「使いこなせれば対人戦最強の能力だよ。特に相手がモルドさんの能力を知らない場合は初見殺しになる。」

「でもロキくんには簡単に背後を取られたわよ?」

「そりゃラス......熟練度が違うんだよ。ロキの奴はあんなちゃらんぽらんだけど頭が回るし、戦闘に置いては多分学園で一番か二番目だ。さっきも言ったけどロキは特殊なケースなんだ。それに内心では縮地に驚いていたはずだよ。」


対象物の近くに移動するだけのハズレ能力だと侮っていたけれど.......


「へ、へぇ.....それって私は実は強いってことよね」

「そうだね。縮地の使い方次第でモルドさんは将来的に学園一位になるかもしれないね。模擬戦に限定しての話だけど。」


確かに火力面ではゴミだ。決闘や死闘だと相手を捉えても殺しきれるかはわからない。けれど試合では寸止めや急所に剣を翳すだけで勝利となる場合が多い。


「____________________序列戦最強の女帝になれるよ。」


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