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「c」組の日常

いきなりですまないが、自己紹介をしようと思う。

私の名前は「スカル•モルド」。モルド子爵家の長女にして次期当主。職業適性は「軽騎士」。


「砂漠に咲く一輪の花。なんと可憐で過酷かな。美貌、秘宝で恍惚!ファフニールのお宝は見つけたかい、ジークフリート。」

「おはよう、ロキ。というか膝の上から降りろ。そのでっかい帽子が顔面に当たってんだ。」


このクラスには面白い人が二人いる。全身鎧に身を包んだ冒険家ジークフリートくん、そして奇抜な格好をする道化師ロキくんだ。


「変幻自在な吟遊詩人、されど人を化かすは道化師の勤め!似て非なる千違万別!」

「頬ですりすりやめろ。」


実力は二人ともトップクラス。ロキくんに至っては何故このクラスにいるのかも不明なほど強い。


「また夫婦漫才が始まったぞ、あの二人。」

「いつもの日常と化してるわよね。」


隣の席に座る「スケッゴルド」が話をかけてくる。こいつは男爵家の次男で家督は継げづ、将来的には冒険者になるらしい。職業適性は「斧使い」だ。


「て言うかロキの野郎、男じゃなかったか?最近めっちゃジークフリートにベタベタしてるけどよ」

「そうだったかしら。どっちなのかしらね。まぁでも仲睦まじくていいんじゃない。」


クラス内の戦闘序列はロキくんがダントツの一位。次点で私。そしてジークフリートくんの順番だ。四番の子は序列戦以来、自信をなくして部屋に引きこもっている。


「て言うかこの前の序列戦の結果おかしいだろ。なんでジークフリートが二位じゃなくてお前が二位なんだよ。」

「.......だってジークフリートくんがお手洗いを使いたいからって棄権したんだもの、仕方ないじゃない。て言うか貴方は8位だったでしょ。先ずは自分の順位を気にしなさいな。」


「c」組も「a」組同様に生徒数は12人。成績上位者は上のクラスへと昇進する可能性がある。条件として提示されているのはクラス内で総合成績4位以内に名を連ねること。そして「b」組との模擬戦で勝つことである。そうすれば進級時に「c」から「b」に上がることができるのだ。


「ちっ、うるせえよ。」


スケッゴルドが拗ねて顔を伏せてしまう。小さい男。私はこいつとは違うんだ。必ず「b」組に上がってやる。そして三年生になったら「a」組に上がってやるんだから。

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