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ジークフリートの計画

「______________僕の親友ジークフリート、願いを言ってごらん?」


捨てられたくない。ずっと一緒にいたいと言う感情が抑えられない。ロキにはジークフリートと言う心の拠り所が必要なのだ。


「願いはないな。いつも通りのロキでいてくれ。」


ロキを簡潔に表すならメンヘラである。深く関わり過ぎてもだめだし、突き放した態度もよくない。丁度いい関係を目指すべきなのだ。


(乙女ゲーに転生したからってブリュンヒルデを助ける義理はないし、悪役令嬢を断罪する理由もないだろう?)


それに攻略対象に対して『オレツヨ』や『ワカラセ』をする必要性も感じない。ロキと友人関係になったのだってそもそも偶然だ。かといってラスボスだからと突き放せば後で被害が『モブ』である自分に出るわけで、仲良くするに越したことはない。


(ロキは言うならば俺の保証人だ。口には絶対に出さないけど。)


ロキが仮に『アングルボザの呪い』を完全に解放したとしても今のこいつなら俺を被害に遭わないように守ってくれるだろう。ロキとの縁だけが今のところ学園に入って良かった思うことだ。


「はぁ、ジークフリート.......僕の親友」

「近いって、ロキ!」


鉄仮面をしているのによくロキはこうもベタベタしてくるな。素顔を一度も見せたことがないのに。中身が変なきもいおじさんだったら態度を変えるのだろうか?


「冷血、否決、もっと僕に優しくした方がいいよ、ジークフリート。寂しいじゃないか」

「友達って、距離感が大切だろ。ロキとはこれからもずっと仲良くしていきたいからさ。」

「ふ、ふふ.......そうだね!僕たちはずっーと一緒だからね!ズッ友!」


ズッ友って言うな。とは言えロキとは現実問題これから長い間、友人であるのだろう。唯一の障害は『主人公』であるブリュンヒルデ、そしてa組の女貴族様こと『クリームヒルト』の存在だ。


(何か対策を打たなければな........)


自分の手をさすさすと愛でるロキ。その様子をなんとなく眺めているとあることを思い付いた。


「___________あぁーさっきの願いの件、撤回していいか?」


ロキの手が止まる。そして「ひっひっひ」と嗤った。


「難題、命題、全てはジークフリートの為に____________」




『辺境でスローライフ』




こんなタイトルがついている異世界もので本当にスローライフをしている作品を過去に一度として見たことがない。


(だけど、俺は達成して見せるよ。)


鴉羽、お前はこの顔のせいで女難の相にあっていたな。俺もお前さんの顔のせいで絶賛被害に遭っているよ。クリームヒルトの件に、ブリュンヒルデの拉致で学園に連れて来られたのがいい例だ。


「_______________面白いね、その計画。」

「だろ?」


幼い時に社交界に赴いた時は「モテ期来たー!」と喜んださ。けれど、やはり惚れる奴に危ない奴らも混ざるものなんだ。そのせいで俺も殺されたんだからな。だから先手を打とう。お前は甘いから囲いに好きにされたんだ。けれど俺は違う。


(___________現実主義なんだよ、俺は。)


この学園生活で俺の卒業後の生活基盤を整える。このまま現状維持で卒業でもしてみろ。ブリュンヒルデの奴隷一直線か、クリームヒルトに捉えられ愛玩動物だ。


(そんなの嫌だね!俺は普通に嫁さん貰って、慎ましく田舎でスローライフがしたいんだよ!)


その為に必要なプロセスが三つある。

第一にアングルボザの呪いからの解放。ラグナロクの再来を引き起こし、三人の巨人を討ち滅ぼせば呪いは消え失せる。しかし、この三人の巨人は強大だ。七英雄全員が覚醒していなければ太刀打ち出来ない。故に育っていない七英雄を鍛えなければならないのだ。


「流石は僕のジークフリート。よく僕が呪いの解錠条件を知っていると分かったね。」

「俺とお前は心が通じてるからな。」

「ふふ、繋がってるんだね。」


第二はクリームヒルトを刺激し、悪役令嬢としての側面をブリュンヒルデにぶつけて貰うことだ。原典に戻り、彼女には断罪を受けて貰おう。流石に処刑は可哀想なので、牢からは処刑日前日に逃す。あくまで目的は公爵家としての力を失わせること。


「封印を完全に解錠すれば世界を混沌に落とすことになるよ?」

「ならば世界を安寧へ戻せばいい。分かっているだろ、ロキ?」


第三にブリュンヒルデには逆ハーレムエンドを形成して貰う。俺の存在が付け入る隙がない程に攻略対象達に愛されろ、アバズレ。


「僕たちが__________」

「俺たちが__________」


道化師なら世界を偽り、幸せを届けろ。それがお前に託す望みだ。


「「_____________________ファフニール(平穏と言う名)のお宝を見つよう」」

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