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ルームメートは.......

「なんちゃってな、どうだった?」


レギンはその場で固まっていた。おーいとジークフリートは手を左右に振るが視線が顔から離れない。


(あぁ、ヤバイ........どうしよう........こいつじゃん)


依頼主の女貴族は契約を結ぶ前に一つだけ質問して来たのだ。


『お前は冒険者なのだろう。ジークフリートと言う美男の噂を聞いたことはないか?』


その場では「ない」と言ったが、恐らく女貴族が探しているのはこの男だろう。


『アングルボザの呪いに殺された、と言う事実は一つも見つからんのだ。証拠もない。食い殺されたのなら残った金属製の装備品はどこにある。』


公爵家、そして侯爵家が治める全土の盗賊団を殺してみせた。そして『S』級冒険者を数人雇い、領地内の森全てを網羅もしている。しかし求めていた男は見つからなかったと言う。


『私も公爵家の者としての責務がある故、全ての辺境まで根を回すことはできない。それにジークフリートが死んだと言う噂のせいで私は殿下と再び許嫁だ。』


最初に感じた印象は美人ではあるが、目の下の隈が凄い女だと感じた。そして探し人への執念、執着心が常軌を逸脱している。


(だけど、惚れる理由は分かる......)


容姿端麗で話しやすい。なんと言うのだろうか。奴から出るフェロモンと言うのか魅了と言うのか気持ちを昂らせるんだ。もし仮に俺が貴族の女と会うよりも以前に会っていたら町娘のようにこいつに熱を上げていただろう。


「なぁ.........グンテル公爵令嬢を知ってるか?」


眉がピクリと動いた。


「いや、知らないが.....そいつがどうしたんだ?」


ビンゴ。こいつで間違えない。


「いや、ジークフリートってありふれた名前の奴を探してるらしくてな。もしかしたらお前じゃないかって思っただけだ。」


あぁ睫毛長ぇな。目も綺麗だ。それに唇......俺さっき手にキスされたんだよな。


「残念だが、人違いだな____________さて、そろそろ風呂にでも入るよ。」


立ち上がり風呂へ行ってしまう。俺は手を凝視した。先ほどの唇の感触を鮮明に思い出す。


「や、柔らかかったな........」


顔が自然と自分の手の甲へと近づいていく。


「ん」ちゅ


そして唇を手の甲へと当ててしまった。


「タオル忘れ............あー俺は何も見てない。」

「あ、あ、あ、違っ、今の、ちょ、待て.......違うからぁーーーーー!!!!」


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