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ルームメートと契約書

ソーサレスガンナー(魔法砲手)?」


初めて聞く「職業」だ。それに【レギン】と言う登場人物を見たことがない。

『ニーベルンゲンの災い』は三期まで放送されていて全話視聴済みだ。もしかしたら原作にだけ登場する隠れキャラ、または本当にモブキャラなのかもしれない。


「ったくしょうがねぇーな!見せてやるよ!」


若干嬉しそうに指を鼻下に当て、ベッドから立ち上がる。


「________単装砲塔5基5門、解錠」


魔力で生み出された五門の砲身がレギンを囲む様に展開される。


「どうだ、かっこいいだろ?」

「あ、あぁ。」


めちゃ糞かっこいいんですけど!なにこの中二病を加速させる職業。


「必殺技もあるけど「見たい」お、おう.....近いな」


レギンは砲門を消し、ベッドへと横になる。


「あはは、流石に室内じゃ見せれねーよ。まぁ五門が大きな一つの主砲になる。射程、威力、砲弾の重量も格段と上がる。その代わり1日に一発しか撃てねぇーし、全魔力ぶっぱするから放ったら最後、俺は意識が飛ぶな。諸刃の剣って奴だ!」


なにそのロマン砲。凄い主人公然とした能力だな。「最後の一発にっ!俺は掛ける!!」が出来るじゃん。


「この一発でファーヴニルの幼体を倒したんだぜ、俺!でも受付のねぇーちゃんに能力が使いこなせてないので「A」級には上げられませんだとよ。ふざけんじゃねぇーよって話。そんで威力が高過ぎて幼体を八割近く消し飛ばしっちまったから金もあんま入んなかったんだ。」


........ファーヴニルの幼体を消し飛ばした、だと?


(.......この男女の職業どうなってんだ?ファーヴニルの幼体は「A」級冒険者四人で何とか倒せる【アングルボザの呪い】だぞ。)


俺だって自分が弱くないって自信はあるけどファーヴニルの幼体を単体で倒せる実力はまだない。


「んで金に困ってた時にちょーど強い女冒険者を探してる貴族様がいたわけよ。俺は提示金額を見て即座に承諾したね。三年間、そいつのボディーガードしてりゃ後の人生遊んで暮らせる。」


ベッドの上で胡座をかきにっししと笑うレギンに「守銭奴」めと笑ってやった。


「さ、俺は全部言ってやったんだ。秘密ごとはなしだぜ!その仮面の中とかな!」


バカ正直な奴だと思いつつ、嫌いじゃないと心の中で思う。


「秘密は守れるか?」

「金次第♪」

「っ、がめつい奴め。」

(自分は勝手に語り出したくせに。図太い神経をしてるよ、ほんと。)


にっししと悪どく笑うレギンを横目に魔法の袋から「インゴット」を一つ取り出す。そしてそれをレギンへと放り投げた。


「お、黄金じゃねーか!そこまで頼んじゃいねーよ!」


それを受け取ったレギンは驚いた表情を見せる。流石に悪気を感じたのだろう。


「俺の正体は一切他言無用にしてくれ。そら、ルーンの契約書だ。もし承諾しないなら部屋を変える。そのインゴットは手切れ金として受け取ってもらってかまわない。」

「マジかよ、そんなにヤバイのか......お前の正体?」


レギンは軽い気持ちで聞いたつもりだったようで頭を掻いている。


「あぁあああああああくそ、わーったよ!」


そして決意が決まったのか、ルーンの契約書へと署名してくれた。これでレギンは誰に対しても自分の正体を明けることは出来なくなった。


「そら、名前を書いてやったんだ......秘密、言えよ?」


あったばかりではあるがこれから三年間、この男女と寝食を共にすることになる。秘密の共有は早期に済ませて置いた方がいい。

エギルの兜を外す為に両手を兜へと持っていく。そして兜を外し、机へと置いた。


(.........元貴族らしく振る舞って見よう)


悪戯心と共にレギンへと近づき、彼女の手へとキスをする。そして視線を合わせ約束の言葉を口にした。


「__________________これが私の秘密だよ、レディ。」


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