ルームメートが実は.........
「はぁ、本当に今日は大変な1日だったなぁ。」
フロールフ先輩と別れた後、従者用の宿舎へと向かう。歩いている途中何人かの顔見知りはいたが、今は鉄仮面(兜)をしている為気づかれてはいない。貴族の世界は意外と狭いのだ。死んでいることになっているとは言え顔バレしたら直ぐに学園中に周知されることになってしまう。
「____________細心の注意を払わないとな」
手続きの際に渡された鍵を使い、入室する。案外と部屋は大きく、お手洗いと風呂場まで常備されていると聞く。荷物を下ろしたあとにでも風呂に入ろう。長旅で満足に身体を洗うことが出来なかったからな。主にブリュンヒルデのせいではあるが。
『あぁ♡ジークくんの汗の匂ぃ♡しゅきぃ♡』
とのことらしい。変な性癖に目覚めやがって。とはいえ漸く彼女から解放されて身体を伸ばせる。
(ん.....あぁ、ルームメートが使ってるのか)
お風呂場へと入ろうとしたが、ルームメートが使っているらしい。とりあえず装備は外し、部屋着へと着替える。勿論、兜は常時装備ではあるが。
『...........っ』
ベッドで腰かけているとルームメートが裸で出てきた。そして即座に胸元を隠す。
(いやいやいや.......テンプレ過ぎるでしょ)
元来、従者は同性同士の部屋に配属される筈なのだが裸で風呂場から出てきたのは女性だったのだ。何か事情があって男を演じなければならない理由があるのかも知れない。
「__________とか思ってんだろーけど何もねぇーよ、バーカ。勘違いすんなよ?」
身体を即座にふき、部屋着へと着替えていく男勝りな男女。美少女にも見えるし美少年にも見える中性的な容姿をしている。
「学園側に部屋の変更を申し出たほうがいいか?」
「あぁ!?んなもんめんどくせぇーからいいよ。どうせおめぇーも冒険者で雇われた口なんだろ。学園側が俺を男だって思うならそう思わせとけ。」
随分と豪胆な性格をしている。ちょっと一昔のラノベみたいで「異世界来たー!」って気持ちが萎えました。あなたを詐欺罪と器物損壊罪で訴えます!理由はもちろんお分かりですね?あなたが俺をこんなウラ技で騙し、少年心を破壊したからです!覚悟の準備をしておいて下さい。ちかいうちに訴えます。裁判も起こします。裁判所にも問答無用できてもらいます。慰謝料の準備もしておいて下さい!貴方は犯罪者です!刑務所にぶち込まれる楽しみにしておいて下さい!いいですね!
「__________ジークフリート。「C」級冒険者で「冒険家」だ。」
何故偽名を使わないかって?意外とこの名前ってこの世界だと多いんです。
「俺はフレイズマルが子女、レギン。階級は「B」に上がったばかりの「魔術砲手」だ。」
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