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ブリュンヒルデとメインヒロイン

明日から学園のカリキュラムが開始される。それまでは自由時間。宿舎に戻り、仮眠を取ろう。


(今日は疲れた......)


生徒となるものには良質な個室部屋、従者として来たものには二人部屋が与えられる。願わくば良いルームメートであって欲しい。


「なんでっ!せっかく旅の間は我慢してたのに!そんなのってないよぉ!!」


ブリュンヒルデが暴れていらっしゃる。


「ジークくんもブリュンと一緒がいいよね!」

「えぇ、出来れば一緒の部屋になりたかのったのですが.....残念です」しくしく


従者としての体裁の為、敬語を使い、わざとらしく悲しんだ演技をする。


「いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ!!!!!」


ヴァルハラ学園の敷地内、それも多くの生徒達が集まる美しい庭園のど真ん中で幼児のように駄々をこねるブリュンヒルデ。


「あ、そうだ!ブリュンの部屋に来て!個室だし誰も来ないよ!」

「校則ですのでダメです。」にっこり


仮面の下で笑いが止まらない。


『うるさいですわね』『なんで平民なんかがヴァルハラにいるんだよ』『聖女に選ばれたって平民だろ』


ひそひそと周りで話し声がする。恐らくブリュンヒルデの奇行が目立ってしまったのだろう。


「___________困り事かい?」


ブリュンヒルデを宥めていると自分たちの元に爽やかで美しい青年が現れる。


(こいつは確か........)


「聞いて!従者と部屋が別々って聞いてない!どうにかする方法ってある!」


ブリュンヒルデは青年へと涙目ながらに意見を求める。青年はどこか引いた様子だが、苦笑をしつつブリュンヒルデへと伝えた。


「この学園の決まりなんだ。申し訳ないけど諦めてくれるかい、聖女。これも人に頼らず成長するために必要な規則なんだ。」

「そうですよ、聖女様」うんうん


わざとらしく青年に同調すると、ブリュンヒルデはいらいらとした様子で自分を睨み付けてきた。口笛を吹き、ごまかそう。


「うぅ.....はぁ、わかったよぉ。今日のところはひいてあげるけど諦めた訳じゃないんだからね!」


ぷんぷんと怒った様子で歩き去って行くブリュンヒルデ。青ネクタイをしていることから青年が二年生であることは見て分かる。故にブリュンヒルデも先輩の手前、強く出れなかったのだろう。


「聖女はおもしろい子だね。」


ちなみにではあるが、一年生は赤、二年生は青、そして三年生は黄のネクタイをしている。そして七英雄の職種を選定された者には七英雄の刺繍が入った手袋を着用する義務がある。


「_______助かりました、先輩。いいえ【フロールフ・クラキ王太子殿下】。」


俺はすかさず礼儀を重んじる為につきたくもない膝をついた。


「ありがとう。だけどここは学園の中、生徒同士だ。フロールフ先輩でかまわないよ。」王子スマイル


『ニーベルンゲンの災い』に置いて、フロールフは正統派王子キャラでメインヒロインであるのだ。その甘いルックス、声、優しさに多くの女性プレイヤーは心を射止められたという。


(確かに超イケメンだな......だけど、鴉羽だって負けてない)


対抗心が何故だかわき出る。絶対に親友である『鴉羽』のほうが何十倍もかっこいい......................一応だが、男色趣味はないとだけ伝えておこう。

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