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虚無と抱き合うということ  作者: 骨もけら
全て私のせい
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神の怠慢と帝国の対応

サバイバル描写分からんからサバゲーやってからなんか視野が広がって粗大ごみ置き場とか漁りたい衝動が芽生えました()

私が猛吹雪から逃れ、一息ついていた頃…



「はああぁぁ…。やっとこの世界からあれの魂が完全に分離したわ。()()()()…」


山村上(やまのむらのかみ)は大きな溜息をついた。


「あんな魂ここに長居されてはたまったもんじゃないですからね」


疲れた様子の彼女に同意したのは同じく転生課勤務の川島上(かわのしまのかみ)だ。

山村と川島のスーツ姿が揺れ動き、巫女服に変わっていく。と同時に山村の姿も変わり、紫紺の長髪を肩に掛けた美少女へと変貌する。周囲のオフィス然とした景色も変わっていき、何もない真っ白な空間に置き換わる。


「きっと今頃は雪山で野垂れ死んでるでしょうね」


「そうね。精神操作の術かけて正解だったわ」


「あれは仕方ないですよ。あそこまで虚無に侵されて未だに魂の形を保っているなんて確実に化け物の類です。我々神庁の許容範囲を明確に超過しています。にしても、上への報告はどうしましょうか…」


「しなくていいわよ。そんなの」


「えぇぇ…」


「だってその方が世界の安定的には絶対いいでしょ?それにうちの上司は外との交渉なんて絶対やらないじゃない。きっと今でもあんなのが来たことにも気付かずに寝てるかゲームしてるかでしょ。私もあっちの世界の神となんて揉めたくないし」


「そうですよね。僕もそう思います」


「まあ?あそこまで虚無に侵された魂なんて近づきたくなかったけど、仕事なんだし、こういう時もあるわよね!」


「流石です!先輩!」


「当然でしょ?何百年この仕事やってきてると思ってるのよ!」


「いよっ!現場対応のスペシャリスト!」


「ふっふ~ん。もっと褒めてもいいんだからね!」





ガルネドア大陸南東に位置するフィルドバルド統一帝国、その玉座にて、皇帝エンファシス・カ・フィルドバルドは逡巡する。目の前には所々に宝石があしらわれた煌びやかな謁見用の鎧を着込み、跪いて顔をこちらに向け、自らの言葉を待つ忠臣が三名。この間には四人以外誰もいない。


自らの手にはあるページが開かれた分厚い本。エンファシスはそこに書かれた文章を読み上げる。


「北西の険しき山に災禍の芽、眠りたり。捨て置けば、必ずや帝国に害を成すであろう。…これが今回の予言だ。いや、文面を見るともうこの災禍は存在しているということになるな」


忠臣の1人、第一騎士団長マルニル・ニンスが言う。


「北西の険しき山か…。あそこは大山脈地帯だぞ?しかも8000フェットをゆうに超える山々が続く超危険地帯。龍族の連中ですら脅し文句に使うような場所だ。そんな所、生きて出ることの方が難しいんじゃないですかね?」


「余もそうは思う。だが相手はあの災禍だ。一度事が起これば英雄が束になって祓えるものではない。貴公なら覚えておろう?あの惨劇を」


「えぇ…。確かにありゃあ人の手でどうこうできる次元じゃあねえですよ」


別の忠臣、第三騎士団長ジェリア・ウェルシスカが挙手する。皇帝は頷いて発言を認める。


「だが何も対策が無い訳ではありません。そもそもあの者達には活動周期があります。休眠期に始末出来れば『災禍』は訪れません。現に、一昨年のカルニキア海王国での一件では眠っていた元凶を静かに毒殺し、事なきを得たと聞きます」


「あんなのは例外中の例外だろ、ウェルシスカの嬢ちゃんよ。普通は『災禍』連中なんてのは近づくのも命懸けだ。俺は死骸しか見てないから正確にどうこう言う資格は無いと思ってはいるが、マジもんの『災禍』なら死骸でさえ危険極まりないはずだ。俺が近づけた時点で、まあこう言っちゃなんだがパチモンだな」


三人目の忠臣、第二騎士団長ベルル・ジョイアスがマルニルの言を諫める。


「その言葉、海王国に言ってみろ。即刻開戦だぞ。あの国で何百人死んだと思ってやがる。あっちにはお前の親類もいるんだろ?」


「……ニンスよ。お前のその言い過ぎる悪癖はまだ治っておらんようだな。帝国筆頭騎士でもあるおまえがそれでは他国には益々出せんな。性根を変えよとまでは言わんが、せめて自制はせよ」


皇帝からも諫められ、マルニルはぐうの音も出ず縮こまった。ジェリアとベルルは揃って溜息をついた。


「それで、この災禍についての対処はどのようにする?余としては調査部隊を送ろうかと考えているが。自由に述べよ」


ジェリアが言う。


「私は陛下の案が無難かと。構成はなるべく少数精鋭で五、六人程度が望ましいでしょう。三つの騎士団の中から選りすぐって決めたいと思います」


立ち直ったマルニルはジェリアの意見について言う。


「五、六人は少ないだろ。なんせ相手さんは『災禍』だぞ?どんな大規模攻撃が飛んでくるか分からん。少数精鋭で調査ってんならせめて十人ぐらいが妥当なんじゃないか?」


マルニル・ニンスという『災禍』の中を生き延びてきた男の言葉は実感がこもっており、ジェリアは反論が浮かばなかった。


ベルルが二人の意見を纏めて言う。


「ということで、件の災禍に関しては少数精鋭の調査部隊十人を大山脈地帯に送り込むということで決まりですね」


皇帝エンファシスが重々しく述べる。謁見の間はその声で一瞬にして元の威厳を取り戻し、騎士団長達は喧嘩腰を沈めて再び跪く。


「良し。対処は決まった。現場指揮はベルル・ジョイアス第二騎士団長。そちに任せる」


「は」


恭しく頭を垂れ、皇帝からの勅令を承った。

新キャラ共のキャラデザは考え中です。


主人公視点に戻ります。

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