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第24話「問題はあるけど前向きに!」

『そういう事か!』


 ソラは思い当たった。

 ライトボールを破裂させた際に真愛は気を失って倒れていた。

 てっきりライトボールの炸裂音に驚いて気絶をしたばかりと思っていたが······


『普通は破裂なんてするわけないライトボールを破裂させる程に強力に使った事で供給力が限界を越えて、意識を失って気絶したんだ!』


 ソラが思い当たり顎に手を当てると、


「魔力が高い者が使う魔法は確かに効果も高く威力も抜群だ、だが消費する魔力も多く、あっという間に精神力を削られて気絶してしまう、ライトボールを破裂させた際に君は気絶したんじゃないのかな?」


 リンデマンが推測まで付け加えて聞くと真愛はハッとして顔を上げた。


「は、はい、気絶したみたいです」

「だろうね、初めて魔法を使う者が威力や効果を抑えて消耗を調節するなんて器用な事が出来る訳が無いからな、君の魔力の高さで魔法を覚えないのは勿体無いが比べての供給力の低さはこれからネックになっていくに違いないだろうね」


 リンデマンは安楽椅子に座る。


「それは練習とかで調整できる物なんですか?」

「ある程度は可能だ、しかし常識はずれの魔力が供給力と釣り合わないのを完全にはカバーしきれるものではないだろう、普通は何度も魔法を使っていく事で自ずと出来ていく物だが······君は魔力の高さと供給力の差がありすぎるんだよ」

「そう······ですか」


 希望が見えたのに。

 魔力が高いのにそれを扱う供給力が低い。

 釣り合いが悪い。

 例えるならスゴい性能のエンジンを積んではいるが燃料タンクが小さくてすぐにガス欠を起こす非常に使いにくい車とでも言えば良いのか。

 せっかく魔力が高いのがわかったのに。

 真愛は俯き、その場の雰囲気が落ち込みかける。


「でもさ!」


 そこで立ち上がり両手を広げて見せたのはイシュタルであった。


「真愛には強い魔力がある、それがわかったのはスゴく良いことだし、アタシ達の冒険にも役に立つ事じゃない? 確かに不便な事もあるけど、そんなのは周りがカバーして上げれば良いじゃん、私達のパーティーにはソラも大河もいるんだからさ!」

「イシュタルちゃん······」


 真愛が顔を上げた。


「だよね? マナも練習して少ない消費で魔法を撃てるように練習すればいいんだよ、そうじゃない? ワタシも手伝うからさ? まぁ、魔力無しのアタシがどこまで手伝えるかはわからないけど」


 ベェと舌を出すイシュタル。


「それもそうだぜ、高い魔力があるんだから後は真愛得意の頭の使いどころの工夫でカバー出来るぜ」

「私も手伝います、真愛さんならきっと魔法の調整も出来るはずですから」


 大河が真愛の肩に手を置くと、ソラも真愛に駆け寄った。


「お兄ちゃん、ソラちゃん、イシュタルちゃん」


 三人を見回す真愛。

 そんなパーティーの様子を見ながら······ 


「どう考えようが事実は変わらない、確かに魔力供給力が足りないのは事実だが、類い稀なる魔力があるのも事実だ、それを目的に活かす為に努力した方が悩むよりも前進はあるだろう、それに君の魔力は私としても興味があるからな、私も君の訓練の協力をさせてもらうことにしよう」


 と、真愛に告げてリンデマンは安楽椅子から立ち上がったのだった。


 

続く

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