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檻愛
薔薇の鎖はマリアの両腕 優しく抱き上げてみせよう
光を拒絶した部屋 時の進み方なんてもう忘れてしまったよ
外の世界なんて 何も知らなくていい
醜いものだらけの視界は 君の心を淀ませるだろう
好奇心旺盛な唇に ひとつだけの真実を教えてあげる
鳥籠の中は少し狭いけれど 僕ら以外の人間は存在しない
美しき愛で満たされた 禁忌が美徳のこの楽園
歳も性も生まれも宗教さえも 愛し合うのにいちいち理由がいるかい?
禁じられれば禁じられるほど 僕は愛を貫きたくなる
正当な道が正しいと説き続けるけど 大多数の答えになんて耳を傾けない
傷付き傷付けられ 罪で汚れたくないだけなんだろ
私利私欲と自分自身が一番大切で 血が繋がっていようと他人と変わらないんだろう
あんたが捨てた縁を どんな手段を使ってでも守っていこう
だからもう構わないでくれ 僕らは僕らだけの世界で生きていく
もう二度とその瞳に 悲しみの色を映させはしないから




