神様のお仕事
目が覚めたら、一面真っ白な空間だった。最後の記憶は……コンビニおにぎりを盗んだ所まで。ろくな情報がない。
「…………ここはどこだ? 誰が誘拐なんてしやがった。クソがっ! わっかんねー。まず扉はどこだよ。どうやってここに俺を運びやがった? いや、そんなんはどうでもいい。取り敢えずこっからでる!」
ここから出るには扉を探す必要がある。周りはただただ真っ白い壁しかない。どっかに隠し扉でもあるんだろうと考えた俺は
とにかく探しまくった。しかし、5分たっても,10分たっても扉は見つからない。その事にイラつき始め壁を殴ろうとしたら
「申し訳ございません。お待たせしました,神崎 新渡さん」
と,どこからか現れた金髪美女に名を呼ばれた。当然初対面の人間なので警戒をする。
「……てめぇは誰だ? ここはどこで何故俺のことを知っている? ふざけたこと言ったらボコるから気をつけて答えろよ」
普通なら誰でもここで大なり小なり警戒するが、目の前の女は違った。全く警戒する素振りを見せず、俺を微笑ましいものを見ているかのように眺めている。……ものすごいイラッとくる表情だ。
「ご安心を。私は何も危害を加えたりいたしませんから。私はあなた方の言うところの神,アークと申します。ここは『裁断の間』と言う場です。あなたはヤクザにケンカを売って殺されたんですよ?」
…………なんとなくそうだったような気がする。いや,気にすんのは死因じゃねぇ!
「俺が死んだかどうかはどうでもいい! てめぇが神だぁ? ざけてんのか?」
「いえ? 事実をいったまでですよ。これからこの『裁断の間』であなたの転生先を決めさせていただきます!」
…………てんせい? なんだそれ
「え~と,神崎 新渡 18歳。両親からの虐待を受けていて盗みによって食料を確保……ですか。高校にも行けず,働き口もないための盗み。……これはどうしましょうか? 悪と断言しても良いのですが同情すべき点もある。……悪は地獄,善は記憶保持の転生。中間は記憶を消去しての転生…………悩みます!」
勝手に話を進めて悩んでやがる。説明もなし……か
女神が何分も悩んでたせいで待ちぼうけをくらってたためいい加減殴ってやろうとした時,黒髪の少女が現れた。
「せんぱーい! 速くしてくださいよー。待合室に死人が溢れてるんですから!」
「でも、審査はしっかりしなくちゃいけないもの」
何か問題があるらしい。
「先輩は確りとやり過ぎなんです! もう二年は不眠不休で働いてるんですよ!」
…………神様の仕事はブラックなのか?
「二年がなんですか? 三徹くらい出来ないとこの仕事はやっていけませんよ!」
「三年も休みなしとかありえないですから! 速く仕事をしてください!」
…………神様の仕事はブラックだ。反論は出来ない。つーか、俺の転生先を二年も寝てない奴に任せるのか?
「…………最悪だ」




