表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

幼き王と姫

作者: Ash

ここから遠く遠く離れた国に王と王妃とその息子の王子がいた。

王が病に倒れて亡くなると王妃と幼い王子では国を治めるにも心もとなく、王妃は息子を連れて隣国の王のもとで暮らすことにした。

隣国の王には王子と同じ年頃の姫がいて、療養のために父王のいる城から離れた古城で暮らしていた。

王子は姫の暮らす古城で共に暮らすことになった。

花に溢れたその古城で王子と姫はすぐに仲良くなり、二人は成長していった。


ある時、姫の隣で花を眺めながら王子は言った。


「いつかあなたにわたしの城のバラ園を見せたい」


それに姫は笑顔で答えた。


「いつかあなたの城のバラ園を見せてもらうわ」


年頃になる頃には愛し合っていた二人は婚約し、王子は自分の国を治めるべく帰って行った。

城に帰ってきた王子は幼き王と呼ばれるようになった。


幼き王は姫との約束を守ろうと姫のためにバラ園を整えた。

しかし、姫は幼き王の城のバラ園を見ることはできなかった。


姫の命は風に吹かれて花が散るように病によって奪われてしまったのだ。


姫と会える日を心持ちにしていた幼き王は、姫の父王からそれを知らされることとなった。


幼き王は姫を引き渡すように、姫の父王に使者を送った。

姫の父王は娘の亡骸を引き渡すのを拒んだ。


「亡骸でも構わない。私は姫と結婚する」


幼き王は自らの手で強引に姫の亡骸を持ち帰った。

そして、幼き王は姫の亡骸をバラ園に埋めた。

すると、どうしたことだろう。

姫の墓から茨が生えてきて、あっという間に城は茨の中に閉じ込められてしまった。

城は若い木に取り囲まれ、次の日には木々は林と呼べるようになり、そのまた次の日には林は深い森になってしまった。


今は深き森となったその奥の、城で眠る幼き王を、悪魔だったのだと人は言う。

お伽話はここまでです。あなたはこのお伽話の結末がどのようになると思いますか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ