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二億五千万って、二億五千万ってなんなんですかね?


僕が中級階層でコツコツ六年稼いだ金額は八百万だ。ちょくちょく使ってたけど。

上級階層ってそんなに儲かるの?

中級階層行くのがバカらしくなるくらい高額なんですけどあの剣。

確かに、確かに『何でも破壊できる』という効果は強いと思いますよ。強すぎるとさえ思いますよ。

でもさ、二億五千万っていう金額はさ、人一人が一生働かなくても生きていけるような金額な訳ですよ。いや、エルフは知らないけど。

……まて、人型になれる神器ライラを売ればどのくらいの金額になるのだろうか。いや、別に売らないけどね、気になるだけだけどね。

もしかしたらあの剣より高価かも……

あ、ちょっと心が揺らいだ。


あの『破壊神の黒剣』はとても重いらしい。あれを、涼しい顔で持ち続けていたフェルトリエさんは何者なんだろうか。強い事はなんとなく知っていたけど、剣を使っているところを見たことがない。魔法も使えて、剣も使える。フェルトリエさんに勝てる人などいるのだろうか。あ、セインさんのことを様付けで呼んでいるということは、フェルトリエさんより、セインさんの方が強いのかもしれない……

六年間一緒に暮らしていたのに、二人のことをほとんど何も知らないことに気がついた。帰ったら聞いてみようかな。


そういえば、あの商人のお兄さんは、どうやってあの剣を持って帰るのだろうか。

あのお兄さんが剣を引きずる場面すら想像できない……ので、聞いてみることにした。


「あの、それ、どうやって運ぶんですか?」


「ん?ああ、この神器を使います」


と言って、付けている手袋を指差す。


「……ちょっと待て、この剣の『神位』は、A-だ……持てるのか?」


神位?フェルトリエさんが聞き慣れない言葉を出してきた。


「『神位』ってなんですか?」


「……ん、 それは……」


「それについては私が答えましょう。神器を扱う職についているので得意分野です」


そう言って商人のお兄さんは語りだす。


「神位とは、人間が神器に定めた階級……まあ、ランクのことです。下はF-、F、F+、上はSSS+まであります。もちろん、それを計測する道具もあります。あ、でもSSS+はおろか、SSより上と判断された神器は知りませんね。

しかし、神位というのはあまり知られていません。なぜなら、普通はあまり関係ないからです。現に、あなたも知らなかったのでしょう?」


「は、はい。まあ」


「では、どのような人が知っているのか、それは神器を用いた対人戦をよく行う人、つまりは上級攻略者や、裏社会の人間ーー悪い人です」


私みたいなね、と付け足したお兄さん。

え?上級攻略者?悪い人?

お兄さんに対する不信感が高まった。


「次になぜそんな位分けができたのか、ですが、例えば……そうですね、この剣、『破壊神の黒剣』、効果は『どんなものでも破壊できる』というものですが、この剣にも壊せないものがあります。それは、神位がA-よりも上……つまり、A以上の神器です。

神器はそれより神位の高い神器に干渉する事はできません。

……こんなところでしょうかね」


「へー、じゃあその手袋の神位はいくらなんですか?」


「この手袋の神位はBです」


「ん?じゃあ持てないんじゃあ」


「ああ、すみません。説明が悪かったですね。効果を発揮することができなくなるんです?この手袋の効果は『装備者の力を増幅させる』です。

私の腕に効果が付与されているのでこの剣に直接干渉していません。

もしこの効果が『どんなものでも持てる』なら剣に直接干渉していることになるので効果を発揮できません」


話が終わったのでお兄さんは剣を持って歩き出す。

僕、フェルトリエさん、ライラはついていく。

ライラは人型のままだ。神器だと知られるのはよくないと思ったから。

しばらく歩くとライラが疲れたと言い出し、箱に戻ろうとしたのを止め、おんぶすることになった。

空はそろそろ太陽が昇る時間だった。



************************

「では、私はこれで失礼します。またのご利用、心からお待ちしております」


ギルドでお金の取引があったあと、お兄さんは帰っていった。


「……アーツ、お前をあと3ヶ月で、強くする……少なくとも単独ソロ……いや、ライラさ……ライラとともに、上級階層を攻略できるまで位には……」


突然フェルトリエさんがなんか言い出した。上級階層?行ける場面が想像できない。死ぬ場面が想像できる。


「上級階層攻略とかいろいろ置いといてですね、何で3ヶ月?」


「……それは、学園の入学試験が3ヶ月後に、行われる、からだ」


「へ?フェルトリエさんって実は僕と同い年だったんですか?へーそりゃあ意外だったなー」


「……本来なら、12歳(中等部)から、入れようと言う話も、セイン様としていたんだが、あの頃のお前は色々複雑だったからな……」

おおっと、渾身のボケが流されてしまった。

「うーん、学園ですか……やっぱり王都にあるやつですよね」


「……ああ、基本的な魔術知識があれば、入学はできる、はずだ」


「別に強くなる必要ってないですよね?いや、強くなりたいですけど」


「……学園には、貴族の子供などの、人を見下している奴らもいる……その白い髪で、絡まれることも、あるだろう」


「温室育ちの奴らに負けるつもりなんてないですけど」

言外に負けると言われているようで、少しムッとなってしまった。


「……学園でライラさ……ライラを出すつもりか……貴族の子供は、大抵魔力量が多い……いくら神器のアドバンテージがあったとしても、広範囲魔法を使われれば、無傷ではすまない……」


「うーん、うーーん。いまいち学園に対してやる気がわかないなぁ」


「……とりあえず、明日……明後日からダンジョンには行かず、特訓する……」


「明日は何かあるんですか?」

始めるなら早いほうがいいんじゃないのかな。


「……セイン様に、お前がクランを抜けないと、伝えた……もう『完全再生薬フルリバース』を使って、元に戻っているだろう……セイン様に、明日、付き合ってやってくれ……」


うーん、どんな顔をすればいいのかなぁ。

普通、普通、普通ってなんだろう。

まあ、ちゃんと本音で話そう。

僕が望んでいた場面でもあるはずだから。

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