必ず助けると誓う
短いです
救が、双子の姉が、俺の唯一無二の片割れが、消えた。
目の前で、色が薄くなるように、静かに。
「助っ! 救は? ねぇ、連れ去られる時のことを見てないの?」
「落ち着け! 助、よく思い出すんだ。救を連れ去ったのは、どんな奴だった? 1人か、複数だったか?」
パニックになった俺は、両親の勤める病院に電話をかけた。
救が、連れ去られた。
助けて。
それしか言えなかった。
けど、見たものを正直に話して、信じてもらえるとはとても思えなくて。
「今日、日直だから、先に行くって…返事したら、悲鳴が聞こえて、また転んだのかと思って見たら、ドアから出ていく足が見えた。すぐに追い掛けたけど、びっくりして…扉、なかなか開けられなくて。
やっと外に出たときには、もう」
違う。
そんなの、俺が一番よく分かってる。
警察を頼っても、救を見つけることは、まず不可能だろう。
でも、万に一つの可能性だってある。
それに、話をでっちあげなかったら、救が家出したことになる。
それはダメだ。
だから、救は誘拐されたことにした。
実際、あれは常識を外れた形の誘拐だと、俺は確信していた。
何者かの意志で、連れていかれた。
「絶対に許さない。
双子なめんな! なんとしても、俺が見つけだしてやる!」
現実的な捜索は警察に任せ、俺は神隠しについて調べることにした。
救と同じようにして消えた人間を調べよう。
何か分かるかもしれない。
(ぐずぐずしてられない。今は大丈夫でも、危険なことに変わりないんだ)
そう、俺には分かる。
救は少なくとも命は無事だ。
だけど、どこにいるのか、なぜあんなふうに消えたのか分かってないのに、安心は出来ない。
明日、どうなるか分からないのだ。
急がないと。
「俺が必ず助ける。だから、死ぬんじゃないぞ!」
遠くかすかに、救の泣きじゃくる声が聞こえた気がした。
助の将来の夢は、民族学者という、やはり出てこない設定。




