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3話

「俺だよ。そんなに驚くなって」

「セイタ?」

「お前も遅刻? どうせ遅れるなら、歩いて行こうぜ。今から走っても間に合わないだろ」


ちょうどそのタイミングで信号が青に変わったのを見たイナオカは、

セイタを置いて、先に横断歩道へ踏み出した。


「だからいつも遅刻するんだよ。俺、先行くから」

「おい、待てって! 横断歩道だろ! 一緒に行けよ!」


イナオカは一瞬立ち止まり、振り返って「早く来い」と手招きする。

すぐにセイタが追いついてきたため、二人は並んで横断歩道を渡り、そのまま走り出した。


無事に渡り切ったあと、

イナオカは事情を簡単に説明し、正門とは逆方向にある近道へ向かって全力で駆け出す。


近道を使い、どうにか学校へ辿り着いた二人は、

へとへとになりながら下駄箱で上履きに履き替え、

重たい足を引きずるように階段を上っていった。

幸いにも、教室へ駆け込んだその瞬間、チャイムが鳴り響いた。

俺たちはまるでゾンビのように足を引きずりながら、それぞれの席に倒れ込むように座った。

走り回ったせいで、汗が全身を濡らし、肌にまとわりつくような不快感が残っている。

こんなに暑い日だというのに、エアコンすらつけてくれない学校が恨めしかった。


俺たちの席は、窓際の一番後ろで、前後に並んでいる。

座るなり、すぐに窓を開けた。

すると待っていましたと言わんばかりに、冷たい風がイナオカの顔を正面から打ちつけた。

髪が激しく乱れたが、そんなことを気にする余裕もなく、ただ風を浴びて、全身で涼しさを味わう。


「はぁ……やっと生き返った気がする」


しばらくの間、火照った身体を冷ましていると、

制服の襟元を手で仰いでいたセイタが、その手を止めてイナオカに声をかけた。


「今日も、放課後あそこ行く?」

「行くに決まってるだろ。楽しかったじゃん」


俺たちはいつも、学校が終わると、校舎からそう遠くない場所にある山へ向かう。

正確には、山頂へ続く道路を上っていった先にある、静かな公園と広い渓谷だ。

こんな暑い日に水遊びができる場所としては、これ以上ないほど最適だった。


ほとんど人の訪れない場所だが、

イナオカは幼い頃、両親と何度も訪れていたため、よく知っている。

もっとも、最初から人がいなかったわけではない。

数年前から理由もわからないまま、急に人の足が途絶え、

小学生の頃以降、あの公園で誰かを見かけたことは一度もなかった。


だからきっと、あそこは俺たち二人だけの秘密の場所だ。

その“秘密”という感覚を壊したくなくて、

あえて他の誰にも場所を教えず、今までずっと隠してきた。


「なあ、朝のニュース見た?」

「プラズマ? ちょっと聞いただけで、詳しくは知らない」

「それ、学校のやつらが川で見たらしいぞ。最初はすごく小さかったんだけど、近くで見たら宇宙みたいにふわふわ浮いてたって」

「急に爆発して消えるとか言ってなかった? あれ、ヤバすぎだろ」

「俺もよくわかんねぇ。あいつらの話だと、石を投げてみたらしくて……」

「でも、近くにいたら危ないよな……」

「ニュース見てなかったんじゃね?」


ここ最近、全国各地で目撃されるようになった、半球状の黒い“何か”。

どんな構造をしていて、何の目的で現れるのかは、いまだにわかっていない。

ただ、突然、各地に姿を現し始めた。


外側がまるで磁場を帯びているかのように微かに輝き、

その姿がプラズマボールに似ていることから、人々はそれを“プラズマ”と呼んでいる。


最初にプラズマが確認されたのは、半年前――

年が明けた一月一日、人で賑わう神社だった。

初めてそれを目にした人々は、

自分たちに害を及ぼすかもしれないという、人間の本能的な感覚に従い、

誰もが一様に距離を取り、その場から離れていったという。

不安に怯える人々が日に日に増えていく中、

プラズマが人類に害を及ぼす存在なのか、それとも単なる構造物に過ぎないのかを調査するため、

多くの研究者たちが現地へ派遣され、本格的な研究が始まった。


何日も、何日も調査を重ねたが、目立った進展はなかった。

やがて、プラズマがどのように生成されるのか、

そして危険な存在なのかどうかについて、明確な結論を出せない研究者たちが現れ始め、

彼らは次第にプラズマの研究から手を引いていった。


それでも、最後まで諦めず、

プラズマの真実を突き止めようとする研究者たちは確かに存在していた。


その努力の結果、

彼らはついに、プラズマがどのようにして生まれるのかを突き止める。


プラズマは、発生当初は人の拳ほどの大きさしかない。

だが、風船を膨らませるように、時間の経過とともに徐々に巨大化し、

ある一定の上限に達すると、それ以上は成長しなくなる――

そうした特徴が明らかになった。


研究が進むにつれ、

各地でプラズマの出現が相次ぐようになると、

研究者たちはその周囲に警戒線を張り、一般人が近づかないよう対策を施した。


そんな中、

事態が大きく動いたのは、ある日のことだった。


最初に出現した、あの神社のプラズマが――

突如として爆ぜたのだ。


神社を含む山の一部は、一瞬にして消滅した。

まるで、最初から何も存在していなかったかのように。


不幸中の幸いだったのは、

その時、神社にはそれぞれの事情で誰一人として人がいなかったことだ。

人的被害は、奇跡的にゼロだった。


爆発の瞬間を目撃した研究者たちは、

ようやくプラズマを「危険な存在」と断定することができた。


そしてすぐに、

プラズマは災厄をもたらす存在であり、

発見した場合は、即座にその場から離れるよう、

国民に向けて強く警告が出された。


それ以降も、各地でプラズマは爆発を繰り返し、

日本中に莫大な財産被害を残しながら、

国全体の恐怖の象徴となっていった。


通常、プラズマは一定の大きさで現れる。

だが、今回のように、

何倍にも膨れ上がった状態で爆発したケースは、

石川県が初めてだった。


人的被害が出なかったこと自体が、

奇跡だと言えるほど、被害範囲は広大だった。


地面が抉られるように消え去り、

建物もろとも、一瞬で姿を消した――

その光景を頭の中で思い描いただけで、

イナオカの全身に、ぞくりと寒気が走った。


「……とにかく、じゃあ終わったら待ってて。今日は俺、掃除当番だから」

「わかった」


まだ日本語が下手で翻訳機に依存して文を書いたので、誤訳があるかも知れません。 多少変な翻訳部分があっても些細なハプニングだと思ってくださって面白く見てください。

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