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9話

イナオカは、

一度も振り返ることなく、

中央の憩いの場から歩き去っていった。


突然の行動に戸惑うセイタに、

ヒカギは「少し待ってくれ」と声をかけると、

すぐにイナオカの後を追って走り出した。

「イナオカ! 待って……少しでいい、止まってくれ。話がある!」


「もういいです!

 あなたとは話すことなんてありません。

 離れてください!」


イナオカは必死にヒカギを避けて走ったが、

ついにその手を掴まれてしまった。


怒りが限界まで込み上げたイナオカは、

勢いよく振り返り、叫ぶ。


「話はないって言ってるでしょ!

 なんで、そんなに追いかけてくるんですか!」


その言葉を受けた瞬間――

ヒカギは突然、膝をつき、

そのまま床に額を打ちつけた。


予想外の行動に、

イナオカは思わず声を失い、


「……な、何してるんですか!」


と問いかける。


ヒカギは、

周囲に響くほどの大声で叫んだ。


「本当に、申し訳ない!

 そんなつもりで言ったわけじゃない!

 俺の言い方が悪くて、誤解させたんだ!

 だから……話を聞いてくれ。お願いだ……!」


膝までついて謝るその姿に、

イナオカの心も揺らいだ。


イナオカも同じように膝をつき、

ヒカギに顔を上げるよう促す。


「……もう、いいですから。

 立ってください」


ヒカギは、

今にも泣き出しそうな声で、

一つひとつ、丁寧に説明を始めた。


話は少し長くなったが、

要点をまとめると、こうだった。


――セイタが必ず怪我をする前提で、

無理やり中へ行かせようとしたわけではない。

これまでの研究結果から、

「必ず成功する」と確信していたため、

イナオカまで入る必要はない、

という意味で言ったつもりだった。


その言い回しが悪く、

結果として大きな誤解を生んでしまったのだという。


それを聞いたイナオカも、

早とちりしてしまったことを謝った。


「大丈夫だよ」と頭を掻くヒカギを見て、

イナオカはふと思い出す。


――この人は、プラズマを分析している研究者だ。


そこで、

ずっと気になっていたことを口にした。


「……でも、

 プラズマの中の“床”に、

 学校の風景が見えたんです。

 前に公園で見た時も、

 同じように公園が映っていて……

 あれが、何を意味しているのか、わからなくて」


「……建物のような映像は、

 外からも確認できていた。

 それについては、

 俺が改めて分析してみるよ」


その時――

二人の名前を呼びながら、

セイタが走ってきた。


かなり探し回ったのか、

額から汗を滴らせている。


「……何かあった?

 二人が急に走っていくから、

 すぐ追いかけたんだけど……

 途中で見失ってさ……」


これまでの経緯をセイタに説明すると、

三人は思わず笑ってしまった。


ちょうどその時、

次の授業の開始を告げるチャイムが、

静かに鳴り響く。


その音を聞いたヒカギは、

イナオカを見て、

もう一度だけ謝罪の言葉を述べる。


「……本当に、誤解させてしまってすまなかった」


そう言って先に別れ、

階段を下りていった。


イナオカとセイタもヒカギに挨拶をし、

教室へ戻る。


プラズマを消滅させた疲労のせいか、

二人は普段と違い、

ほとんど言葉を交わさずに授業を受けた。


クラスメイトたちも察しているのか、

プラズマの事件以降、

下校まで誰一人として声をかけてくる者はいなかった。


放課後、

イナオカは一人で学校を後にする。


家に着くなり、

鞄を部屋の隅へ放り投げ、

着替えもせず、そのままベッドに倒れ込んだ。


一日があまりにも目まぐるしく、

気づけば、

まぶたが勝手に閉じていく。


――誰かに呼ばれたような、

そんな幻聴さえ、

聞こえた気がした。


「……ルニ……アルニ……!」


自分の名を呼ぶ声に、

イナオカははっとしてベッドから飛び起きた。


その瞬間、扉が開き、姉が顔を覗かせる。


「何回呼んだと思ってるの。全然返事しないんだから」


「……あ、ごめん。

 今日はちょっと、疲れすぎて……」


「早く来て、ご飯食べなさい」


「ごめん……。

 今はあまり、食欲なくて……」


そう言い残し、

イナオカはそのまま浴室へ向かった。


身体を洗おうと制服を脱ぎ、

鏡を見る。


――一目でわかるほど、ひどい顔だった。


ぬるめのお湯でシャワーを浴びると、

今日一日の疲労が、少しずつ流れていくような気がした。


パジャマに着替え、

再びベッドに横になる。


思考が、止まらない。


「……どうして、こんなことばかり……」


これからも、

プラズマを消し続けるのかもしれない――

そう考えただけで、

また疲労が押し寄せてくる。


すぐに目を閉じ、

眠ろうとしたが、

今日の出来事が次々と脳裏に浮かび、

なかなか意識は落ちていかなかった。


何度も寝返りを打ち、

ようやく眠りに落ちたのは、

夜明け近くになってからだった。


まだ日本語が下手で翻訳機に依存して文を書いたので、誤訳があるかも知れません。 多少変な翻訳部分があっても些細なハプニングだと思ってくださって面白く見てください。


また次回は、セイタの視点で見る話なので少し長いかもしれません。 たくさんの関心をお願いします!

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