第20.5話-③ 研究区画で見つけた資料③:魔力増幅部門の研究記録
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を投稿します。
【資料③:魔力増幅部門の研究記録】
20XX年5月――コンバーター部門、魔導機械部門の共通問題である、エネルギー密度の低さを解消するために後発部門を設立。
20XX年6月――部門名を魔力増幅部門と決定。研究テーマは魔力蓄積・伝導系統。この部署の記録は研究チーム全体の共同財産とする。表記揺れに注意。
20XX年7月――魔導機械部門の技術ツリーを一部統合。
20XX年12月――結晶型記憶媒体を用いた実験中、エネルギー密度増大の可能性を示す現象を観測。
魔力蓄積・伝導系統
コンバーター部門、魔導機械部門の研究成果から、全ての問題はエネルギー密度の低さに起因すると判断。
魔力の蓄積・増幅によるエネルギー密度の増大化が必須であるとの結論に至り、後発部門として魔力増幅部門を設立。
研究目的(最重要・一貫):
魔力保持・増幅によるエネルギー密度の増加方法の確立。
初期段階:新アプローチの模索(可能)
**問題提起**
・魔力合金の性能向上という従来のアプローチから、いったん離れることを提案。
・大型設備の管理AIで使用されている結晶型記憶媒体の応用を提案。
**問題提起終了**
**提案理由**
・現在、管理AIのアルゴリズム保存には、量子もつれを利用した結晶型記憶媒体を使用。この媒体は情報を超高密度で記録可能。
・同様の原理を用いれば、魔力を超高密度で蓄積できる可能性がある。
・魔力と情報は共に「エネルギー」の一形態であり、類似した物理法則に従うと仮説を立てた。
→仮定の補強。コンバーター部門の技術である電気↔魔力の双方向変換は、エネルギー密度の課題は残るが既に実用化されている。
**提案理由終了**
**危険性の指摘**
・超高密度魔力が暴走した場合、コンバーター部門で発生した「魔力爆発」を上回る被害が予想される。
・量子もつれ状態の魔力が、周囲の魔力や電力に予期せぬ干渉を引き起こす可能性。
・結晶媒体が破損した際、蓄積された魔力が瞬時に放出される危険性。
**危険性の指摘終了**
中期段階:結晶型魔力媒体の開発(20XX年12月時点で初期成功)
・実験用の小型結晶媒体を製作。魔力の注入実験を実施。
→成功。結晶内部に魔力が高密度で蓄積される現象を確認。
・エネルギー密度の測定。
→従来の魔力合金と比較して、約80〜120倍のエネルギー密度を記録。
→ただし、結晶の安定性に課題あり。長時間保持後の変質が懸念される。
・コンバーター部門との連携試験。
→結晶から魔力を取り出し、電力に変換する実験に成功。
→変換効率は従来の魔力合金と同等。ただしエネルギー密度が高いため、実用的な出力を確保可能。
**問題点**
・結晶媒体の製造コストが極めて高い。
・長期保存時の安定性が未確認。
・大型化した際の安全性に懸念。
**問題点終了**
【機密性の高い情報をロック中】
管理コードを入力してください。
████ ████ ████ ████ ████
本日の管理コード:『世界』『境界』『主任』
組み合わせパターン:C
[アクセス試行を検知]
[アクセス拒否]
[この試行は記録されました]
【情報のロックを終了】
【機密性の低い情報のロック解除】
管理コードを入力してください。
████
管理コード:『研究員』
組み合わせパターン:なし
[アクセス承認]
―――以下、研究員間の非公式共有情報―――
※注意:この記録の存在を上層部に知られないよう留意すること。
研究者同士での情報共有を目的とした、非公式な記録である。
・20XY年2月頃、「第三のエネルギー」に関する重大な発見があった可能性。
→詳細は不明。公式記録には一切記載なし。
・研究主任の交代が短期間に複数回発生。
→通常では考えられない頻度。何らかの問題が発生した?
・倫理委員会による研究凍結の記録を確認(理由は記載なし)。
→20XX年8月の魔導機械部門の懸念と関連している可能性。
・凍結解除後、急速に実用化が進んだ形跡。
→20XY年8月の記録では、エネルギー密度の問題は完全に解決済み。
→しかし「どのように解決したのか」は一切記録に残っていない。
・軍部が命名した「機械生命体」と呼称する兵器群の実用化が確認される。
→魔導機械部門の研究成果が軍事転用された可能性が高い。
→研究主任の懸念は現実のものとなったのか?
・『オーバードライブ』と呼ばれる現象の目撃情報あり。
→詳細不明。新型の結晶型魔力媒体と関連している可能性。
→一部の研究員は「第三のエネルギーの暴走ではないか」と推測。
※個人的なメモ書き(20XY年10月 研究員D記):
先週、研究棟の地下で青白い光を見た。
結晶が発光していたのだろうか?
記録には、このような現象の再現性は記載されていない。
上層部は何を隠しているのだろうか。
※個人的メモ(研究員B):
昨日、廊下で主任と軍の将校が口論しているのを見た。
「これは医療技術だ」と主任が叫んでいた。
将校は何も答えず、立ち去った。
主任の顔は真っ青だったのが印象に残っている。
翌週、主任は「一身上の都合」で辞任。
新しい主任は、軍出身者だった。
※個人的メモ(研究員C):
今日、試作機が「自律的に」動作を停止した。
プログラムにはない動作だ。
まるで、自分で判断したかのように。
上司に報告したが、「バグだろう」と一蹴された。
でも、あれは本当にバグだったのか?
機械が、自我を持ち始めている…?
【機密性の低い情報のロック終了】
【資料③終了】
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【クロードの総括】
これら①-③の資料を総合すると、旧文明は以下の3つの技術を並行して研究していたようです。
1. 魔力変換器(コンバーター部門)
電気↔魔力の双方向変換技術。
問題点:エネルギー密度が低い、魔力爆発の危険性。
2. 魔導機械(魔導機械部門)
魔力で動く自立型機械ユニット。
当初は義肢装具として開発されたが、後に兵器に転用された可能性が高い。
問題点:稼働時間が短い(エネルギー密度の問題)。
3. 魔力増幅(魔力増幅部門)
エネルギー密度を増大させる技術。
結晶型魔力媒体により、従来の80〜120倍のエネルギー密度を達成。
問題点:第三のエネルギーに関する何らかの問題が発生し、研究が凍結された。
―――
推測:大破壊の原因
これらの資料から、以下のような推測が可能です。
1.3つの部門が協力し、エネルギー密度の問題を解決しようとした。
2.魔力増幅部門が「第三のエネルギー」を発見した。
3.この発見により、エネルギー密度の問題は完全に解決された。
4.しかし、第三のエネルギーには何らかの危険性があった。
5.倫理委員会が研究を凍結したが、軍部が強引に実用化を進めた可能性。
6.その結果、制御不能な事態が発生し、大破壊に至った?
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ロックされた情報について
資料③には、厳重にロックされた情報が存在します。
【ロック解除に必要な管理コード】
『世界』『境界』『主任』
組み合わせパターン:C
現時点では、これらの管理コードを解読できていません。
おそらく、旧文明の重要な遺跡や施設に、コードのヒントが残されている可能性があります。
このロックの中には、「第三のエネルギー」の正体や、大破壊の真相に関する情報が含まれていると推測されます。
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補足:「第三のエネルギー」について
私の推測では、「第三のエネルギー」は魔力や電力とは異なる、何か別のエネルギー形態である可能性があります。
根拠:
魔力変換器の資料に「魔力と電力が混ざることで、計器に反映されない別のエネルギーが生まれる」という記述。
私のスキャンでは、魔力や電力は観測できるが、それ以外のエネルギーは観測できない可能性がある。
16話でニルたちに伝えた通り、ゴールの武器からは魔力も電力も検出されなかった。
つまり、ゴールの武器は「第三のエネルギー」あるいはそれに類する何かで動いている可能性があると考えられます。
ただし、これは推測に過ぎません。
ロックされた情報を解除しない限り、真相は分かりません。
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補足:ニルとガルスへの説明について
私は、これらの資料の詳細をニルとガルスには説明していません。
理由:
1.専門用語が多すぎて、正確に伝えることが困難。
2.一部の情報は危険性を含む可能性があり、慎重に扱うべき。
3.現時点では、この情報が冒険に直接役立つとは考えにくい。
ただし、16話で「第三のエネルギー」について軽く触れました。
ゴールの武器が「魔力や電力ではない何か」で動いている可能性があるためです。
いつか、この情報を共有する必要が出てくるかもしれません。
その時が来たら、できる限り分かりやすく説明するつもりです。
―――
【クロードの補足終了】




