表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/35

第20.5話-② 研究区画で見つけた資料②:魔導機械部門の研究記録

19:50に①

20:00に② ←今ここ

20:10に③

を投稿します。

【資料②:魔導機械部門の研究記録】



20XX年3月――研究主任。

20XX年5月――コンバーター部署での事故により人員の配置変えが発生。

 研究員の減少と研究場所の変更により、研究成果の提示が遅れる可能性あり。報告、了承済み。

20XX年6月――以降は全て"魔導機械部門"の記載とする。表記揺れに注意。




 魔導機械(仮称)

 研究当初は生体接続可能な、義肢装具を想定して開発を開始。

 魔力の不安定さから発生する、生命体への接続と動作の困難さを確認。電気信号と魔力情報の双方向変換が可能であるコンバーター技術がある程度実用可能にならなければ、生命体との接続は困難と判断。

 現状、コンバーターの性能向上の目途が立っていない事を理由に、この研究部門では生体接続可能な義肢装具の方向性を一旦断念(※:変換処理速度と出力安定性の問題が解決すれば、技術研究の再開はすぐに可能である事を記載)

 比較的相性が良いと判断された、電気信号の伝達による機械類の自立稼働や遠隔操作の項目を研究する。


 追記:正式名称を自立型機械ユニットに変更。表記揺れに注意。




 初期段階:魔力を封入した合金(以下、魔力合金と呼称)の考案(可能)

 ・魔力を現存の単一金属、複合合金へと伝達封入することによる合金製造。

 →現状でも可能。ただし均一化は困難。


 ・魔力合金が生体接続が可能かどうか。

 →現状でも可能。拒否反応は魔力封入前の金属と同程度であり、生体適合性に新たな問題は発生していない。


 ・強度に関する問題提示。

 →物理的な意味での強度低下は発生していない。




 中期段階:生体接続の考案(現状、実用の可能性は無し。一部のみ実用化可能)

 ・義手や義足のような装具の考案。

 →魔力封入後の切削性は変わらないため、製作自体は可能。ただしコンバーター技術の問題により、現状の装具との違いがない。開発当初案で期待されていた、思い通りに動く義肢装具としての性能は満たせなかった。

 →以上をもって、一旦この研究ツリーを凍結。コンバーター技術の進捗により、すぐさま研究の再開が可能であるとの判断から、研究員には定期的な研究資料の学習と整理を必須項目とする。



 ・魔力を封入した魔力合金の製作を継続。

 均一化が困難であり、現状ではエネルギー密度の向上が難しい。コンバーター部門でも研究されており、この部署の最優先研究課題ではあるが、解決策の目途は立っていない。

 →最優先研究項目。解決策は現状なし。

 →20XX年7月、魔力増幅部門への統合。

  この部門では研究サポートを行い、魔導機械(仮称)の研究を優先する。


 ・魔力変換から発生する電気信号の伝達の技術応用。

 →電気信号の伝達による、機械類の自立稼働や遠隔操作の可能性の提示。

 有機体と無機体との接続は出力問題などから相性が悪いが、子機である魔導機械(仮称)の信号伝達部位を無機体で統一することによって反応速度の向上を確認。

 以降、魔導機械(仮称)と明示した研究への移行を推奨。


 追記:コンバーター部門での事故により、人員の配置換えと研究項目の再設定が発生。以降、この部門は魔導機械(仮称)の研究を主とする。







 後期段階:自立型機械ユニットの考案(実用は現状では不可能)

 ・魔力合金の画期的な技術革新が見られない事から、魔力合金の製作改良研究と、魔導機械の研究ツリーを統合。

 以降は自立型機械ユニット(正規)として研究を行う。

 概ね研究内容に問題はないのだが、幾つかの問題の改善が必要。以下に利点と問題点を提示。


 **利点**

 ・有機体と切り離した事により出力が安定。

 ・魔力変換効率やエネルギー密度に問題を抱える(問題点はコンバーター部門の研究に詳細が記載)が、完全機械化したことにより、複数の魔導機械を魔力伝達回路で接続することが可能になった。メインサーバーから一括制御する、疑似的なメッシュネットワーク構造として運用する事が可能。これにより処理速度や複数同時運用の利便性が飛躍的に向上。

 ・人型を含む、様々な躯体形状での利用が可能。

 **利点ここまで**


 **問題点**

 ・完全機械化による利点を発見したが、この技術ツリーの研究を進める事は、当初目的である『有機体との接続による義肢装具として使用する』技術ツリーを捨て去る事になる懸念が大きい(重要)

 ・魔導機械の構想時と比べると飛躍的に実用に近づいた。しかしコストパフォーマンスやエネルギー密度の問題は解決しておらず、実用化は難しい。現状ではこの技術ツリーを生活インフラに落とし込むことは困難と推測。

 **問題点ここまで**


 実験結果の詳細を記載

 ・完全機械化の自立型機械ユニット/試作1号機

 起動後約16秒で魔力供給が不安定化。制御不能に陥り、緊急停止が作動。大きな事故に至らなかったが、インナーフレームの破損を確認。強度設計を見直し、試作2号機の開発に着手。

 →2号機との同時運用時、起動後12秒で魔力供給の不安定化により自律的に動作停止。緊急停止システムの介入前に安全停止を確認。

 →3号機との同時運用時、起動後18秒で魔力供給の不安定化により自律的に動作停止。緊急停止システムの介入前に安全停止を確認。


 ・完全機械化の自立型機械ユニット/試作2号機

 インナーフレームの強度問題は解決。ただし起動後12秒程度で魔力供給の不安定化により自律的に動作停止。緊急停止システムの介入前に安全停止を確認。

 再起動後、ネットワーク構造を通じての統合運用を行う。しかし起動後9秒程度で魔力供給の不安定化により自律的に動作停止。緊急停止システムの介入前に安全停止を確認。

 →3号機との同時運用時、起動後15秒で魔力供給の不安定化により自律的に動作停止。緊急停止システムの介入前に安全停止を確認。


 ・完全機械化の自立型機械ユニット/試作3号機

 躯体構造を人型から、演算処理・演算補助に特化させた設置型の箱体に変更。

 単体での稼働時間は30秒を記録。

 しかし試作1号機、試作2号機と連携して演算速度の向上を図った場合、起動後12秒で魔力供給の不安定化が発生。複数機連携時にはかなりの負荷が発生していると考えられる。


 ・エネルギー密度の低さに起因する稼働時間の短さが深刻な問題となっている。この問題をクリアしなければ、実用化は不可能である可能性が高い。




 個人的見解:7月下旬、軍関係者の視察があった。試作3号機の演算能力向上に強い関心を示している。口ぶりからは、明らかに偵察や索敵への応用を想定していた。医療技術として始めた研究が、わずか5ヶ月で兵器開発に転用されようとしている現状に強い違和感を覚える。倫理委員会への報告を検討中。(20XX年8月 研究主任)


 個人的記録の追記:軍部が介入し始めた。医療技術が兵器に変わろうとしている。倫理委員会に報告したが、上層部の圧力が強まっている。このまま開発が進めば、取り返しのつかないことになるのではないか。(20XX年10月 研究主任)



【資料②終了】



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ