第20.5話-① 研究区画で見つけた資料①:魔力変換器部門の研究記録
これは本編には大きく関係ありません。
本編21話は12/30 20:00に投稿です。
19:50に① ← 今ここ
20:00に②
20:10に③
の順番で投稿します。
【この資料の要点】
・今は重要ではない。
・技術の断絶がある。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【クロードからの説明】
※これは、私が7話で遺跡の研究室から回収したデータストレージに記録されていた資料です。
※ニルとガルスには「専門用語が多すぎて正確に説明できない」と伝えており、詳細は共有していません。
※これらの資料は、旧文明(大破壊前)の研究内容を記録したものです。
3つの研究部門が並行して研究を進めていたようですが、最終的に何らかの問題が発生し、一部の研究は凍結されました。
※一部の情報は暗号化されており、現時点では解読できていません。
特に「第三のエネルギー」に関する情報は、厳重にロックされています。
※これらの資料を読むことで、旧文明の技術レベルや、大破壊の原因について理解が深まる可能性があります。
ただし、一部の情報は危険性を含む可能性があるため、慎重に扱う必要があります。
―――以下、データストレージに記録されていた資料―――
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【資料①:魔力変換器部門の研究記録】
20XX年3月――研究主任。
20XX年5月――爆発事故により研究主任を変更。表記揺れの可能性を記載。
20XX年6月――複数回の爆発事故を確認。以降は全て"魔力変換器部門"の記載とする。表記揺れに注意。
魔力変換器
電気↔魔力の双方向変換を実用化する技術。
これから研究を進める技術の心臓部となる技術であるため、基本的にはこの技術を最優先で研究する事となる。
初期段階:固定式変換装置の考案(可能)
・大型の魔法合金製変換炉の設計図。
→現状でも可能。
・工場や研究施設に設置される定置型。
→現状でも可能。
・変換効率は低いが、既存の電力インフラとの接続が可能である可能性の提示。
→接続は可能。
中期段階:小型化・効率化の考案(現状、実用の可能性なし)
・携帯可能なサイズへの小型化の考案。
→変換効率の問題で不可能。携帯可能にするためには、少なくとも変換効率を初期案の150倍に高める必要がある。詳細を別項にて記載。
・合金の配合比率により変換効率の向上の可能性。
→均一化の問題で不可能。
魔力は電気の様に導体を通じた制御が困難であり、合金内部での分布が不均一になりやすい。このため配合比率を変えても局所的に魔力密度が偏り、現状では変換効率の向上を見込めない。
・魔力駆動の兵器への応用の可能性。
→変換効率の問題で不可能。
魔力の概念は持続性の観点では画期的。しかし現状での魔力貯蔵密度は、同体積のリチウムイオン電池の約1/200~1/300程度と試算されている。携帯可能なサイズで実用的な出力を得るには、最低でも150倍の密度向上が必要。
追記:現状ではエネルギー密度を上げる手法は確認されていない。
後期段階:複合エネルギーシステム(実現は可能)
・電気と魔力のハイブリッド動力源の考案
→実現可能。実用性の観点で問題あり。
持続性の高い魔力による長時間の充電を行い、短時間の電気駆動を行う方式で使用が可能。しかし無視できない問題が発生。以下に記載。
**問題点**
・魔力による自然充電時間約72時間に対して、考案段階の機械群では稼働時間が約5分しかない。
・複数回の実験から、概ね80~120時間の連続充電で変質が発生することが判明。
ただし計器類は変質の予兆を捉えず、実際には爆発が起きるまで検知不可能。現在は充電時間の記録から、経験的に閾値を推定している段階。
以下に検証結果の一部を記載。
現象:並列接続を行っているバッテリーへの魔力浸食が発生し、電力が暴走。
推測:長時間の魔力充電により、変換器自体の合金構造が変質を始めている可能性。この変質した合金から魔力が"漏出"し、並列接続されたバッテリーへと浸食。電力と魔力が制御不能になり混在状態となった結果、魔力爆発(仮称)に至ると推測される。
この魔力爆発(仮称)と命名した視覚化されない現象は、20m×30mの研究所内の人員に被害を発生させた。
死傷の状態から現象を予測。対象を中心とした円形爆発である可能性が高い。
爆発に再現性はあるが、物理的な被害が発生するまで確認不可能。計器類が反応しない事から、特定閾値から一気に性質の変化が発生すると予想が可能(複数回の発生を確認)
→解決策の提示。
50時間ごとに1分程度の電力稼働を行う事で変質現象の発生が無くなる事を確認。
しかしこの解決策を取る事により、複合エネルギーシステムとしての実用性の観点から遠ざかる懸念を提示。
**問題点の提示終了**
・エネルギー需要に応じた自動切換えシステムの考案
→実現可能。実用性の観点で問題あり。以下に記載。
**問題点**
・エネルギーの自動切換え自体は可能。しかし魔力と電力のエネルギー密度差が大きすぎる事により、魔力を主電源とした際の電力不足が深刻化する。逆に電力を魔力側に変換する場合、電力側の余剰が大きくなりすぎる。
→解決策の提示。
自動切換え設備の大型化を提案。しかしこの提案では、エネルギー需要に応じた自動切換えの問題が解決しない。魔力→電力の変換効率が悪いため、変換器を用いる事で電力エネルギーの需要に応える事は事実上不可能であると想定。
→→更なる解決案を提示。
施設を超大型化し、特定の機構に半永久的に電力を送り続ける構造であれば実現は可能。しかし別項(電気と魔力のハイブリッド動力源の考案)にて提示した、変質の問題が未解決。連続稼働時に変質が発生するか不明であり、長期運用を想定した場合の影響は不明。
**問題点の提示終了**
・魔力ネットワークインフラの構築
→実現可能。実用性の観点で問題あり。以下に記載。
**問題点**
・施設が大型になりすぎる。また魔力と電力の変換効率の問題から、施設の稼働状態が安定しない。魔力ネットワークの構築自体は可能だが、現状実用可能な出力では安定運用の観点で実用性が低い。
→解決策の提示。
電力によるネットワークシステムに、魔力ネットワークをサブ的に運用する方法を提示。しかしこの運用の場合、指定の新インフラである"魔力ネットワーク"としての強みや独自性が発生しない。
この解決方法によって、既存のネットワークは少し動作が早くなると試算可能だが、それだけで終わってしまう可能性が高い。
**問題点の提示を終了**
この技術に対する総評:
コストパフォーマンスに致命的な問題を抱えている。
またエネルギー密度の問題が顕著であり、魔力側のエネルギー密度を増大させる何かしらのブレイクスルーが無ければ、現在発生している問題を解決する事が難しいと想定される。
この技術の研究の継続は推奨。
しかし、魔力を出力する際のエネルギー密度を増大させる方向での研究を主軸に据えるべきと提言。
重要未確認事項の追記。
魔力と電力が混ざる事により、計器に反映されていない魔力とは別のエネルギーが生み出されている可能性を研究員が想定。
危険性の観点から、現在この項目の研究は現場判断にて凍結中。指示求む。
【資料①終了】




