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82 魔法少女

 男達が一斉に飛びかかってきた。

 私の電光剣は唸りを上げながら敵を切り裂き、一振りで4人が霧散した。

 彼らは奇声を上げながら戸惑う事なく向かってくる。だが、私も負ける気がしなかった。

 剣を操り、バタバタとなぎ倒していく。気持ちはすっかりアクションヒーローだ。


 帝国軍の集団が私を取り囲み、じりじりと寄ってきた。

「北村さん!危険です。相手の数が多すぎます!」

「我らも加勢しようぞ!」

 ミッキーとチィが並び、お互いをキリリと見つめ頷いた。

「ではチィさん。練習通りでお願いします」

「御意」


 チィがバトンをクルリと回して構える。

 2人の制服のスカートがバサバサと風にはためき始めた。

「妄想力解放。アーンド、夢P領域拡大っ!」

 強烈な夢Pが衝撃波のように広がっていき、チィを中心にした巨大な半球状の別世界が出現した。


 駐車場だったはずの場所は、大小様々の岩が転がる荒野へと変化し、空は赤インクをドロリと流したような色へと塗り替えられていった。

夢幻隔壁荒野(レイヤーフィールド)召喚。戦闘準備完了!」

「出でよ!神聖対薔薇(セイントローゼズ)

 チィのバトンがキラキラと発光して四方にビームを照射し、その隣ではミッキーの光る鞭がバラの花びらと共に宙を舞った。

「悪者にはお仕置きをします!痛い目に会いたくない人は退却をお勧めします」

「この世に悪は栄えぬぞ!」

 2人が魔法少女のようなポーズを決めながら言い放つ。


 この巨大な半球状の中ではチィの夢Pが優先されるようだ。

 私の心はアクションヒーローから、すっかり光の戦士の気持ちへと塗り替えられていき、電光剣を構えて中二病的なポーズを決めた。


「悪の配下共。混沌の下僕たちよ。我が光の力の前に平伏せよ!必殺、無双・明鏡止水!」

 怒涛のように襲いかかって来る男達に向けて、チィとミッキーそして私は、それぞれの技を殺烈させてバタバタと薙ぎ倒していった。


 そして5分後。男達は消滅。もちろん圧勝で終わった。

「闇よ滅せよ!」

 チィとミッキーがポーズを取ると、赤い荒野の半球世界が縮小し、あっという間にショッピングモールの駐車場へと戻った。

「ミッキー殿。私は練習通りできたか?」

「ええ!素晴らしかったですよ」

 2人は手を取り合って喜んでいた。

「すごいな。アニメの魔法少女のようだったよ」

「監禁されている間、チィさんには夢Pのコントロール法を練習してもらいました」

「これでもう怖いものなしじゃ」


「あ、あなた達どうしてこんな戦い方できるの?」

 内藤さんがヘナヘナと座り込んだ。

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