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4話 目覚める肥満

投稿間隔空いて申し訳ありません!

どうも話が重くなってしまいそうで2回ほど書き直してました…。

もってくれよオラの集中力…っ!執筆速度3倍だぁー!

「やあやあ!良くぞ来てくれた!実に待ちわびたよ!」


実に騒がしい声で意識が覚醒した俺が瞼を開くと、超絶美顔の少年が倒れている俺の顔を覗き込むように見ながら実に嬉しそうな笑顔で立っている様子が目に飛び込んだ。


その少年の腰にはこの世のものとは思えない程綺麗で素人目にも特別な力が宿っていそうだと分かるほどピカピカゴージャスな剣が吊るされている。


「見てたよ〜一部始終!壮絶な死に際だったね〜。獣畜生と生身であそこまでやり合う人の子は今じゃそうは見かけないよ〜!ガッツあるね〜君は!鬼気迫るとはああいうのを言うんだろうねぇ。」


目が覚めていきなりペラペラと訳の分からない事を話し出す目の前の少年に俺は面食らう。

先程まで冬空の下で死にかけてたのに今はこの状況だ。温度差激しすぎて風邪をひいちゃうよ。


「えっと…ここ何処?俺はあの後どうなったんだ?あんた誰?何で俺はここに居るんだ!?」


混乱した俺は思わず目の前の存在に全ての疑問を投げかけた。


「わ〜お!質問がいっぱいだね!いいよいいよ!全部答えちゃうよ!なんたって私は神様だからね!」


にわかに信じ難い発言に顔を顰めた俺を気にも止めず目の前の存在は話を続ける。


「順番通り応えていくとぉ!ここは世界と世界の狭間だね。詳しい事は省くけど生物が死ぬと魂は此処を経由してまた別の生物に生まれ変わるようになってるの。輪廻ってやつだね!まあ理解しようとしなくてもいいよ!」


お前は何を言ってるんだ。

思わず某ネットミームの格闘家のような顔になる。


「そんで何となく分かると思うんだけどあの後君は死んだ。助けてあげれれば良かったんだけど奇跡起こすのって相当力使うから今の僕には無理だったんだ〜…ごめんね〜」


「ちょっと待ってくれ…一旦整理する時間をくれ。」


頭痛がしてきた。

死んだ?俺が?そりゃあの状況で死なない方がおかしいけども。じゃあなんで今意識あるんだ?


グルグルと乱れる思考に思わず頭を抱えようとした時気づく。

腕が半透明だ。腕だけじゃない、全身の輪郭が薄く透けていて曖昧だった。


「今の君は魂だけの存在だからね〜。魂を固定する器が無ければそりゃ存在も曖昧にもなるよ〜!」


思考を読んだかのように更に生まれた疑問に対して、先回りして答えた目の前の存在は、ハッキリと俺の人生が終わったという事実を顔面に叩きつけた。


「俺、死んだのか…そりゃあそうか…」


「そう気を落とすなよ!話はまだ終わってないんだぜ!世の中悪いことばかりじゃないもんさ!」


そう明るく励ました少年はすっかりしょぼくれ肩を落とした俺に向けて更に口を開く。


「話を続けるね!君は私が何者かと聞いたね?

さっきもチョロっと言ったけれども、私は神さ!」


「…は?」


「神だよ神!ジー!オー!ディー!ゴッド!正確には十二神将!西北西の守護神!名前を伐折羅バサラっていうの!改めてよろしく〜!自己紹介遅れてごめんね〜!」


「どうもご丁寧に…。自分は飯山燈生と申します。どうぞ今後ともよろしくお願い致します。」


非現実的でふざけているとしか思えない自己紹介を受けた俺は、それでも社会の波に揉まれ続けた社会人としての反射で自己紹介を返してしまった。


「他人行儀ーッ!もっとフランクでいいよ!神って言ってもそんな全知全能の上位神じゃないんだから!ホラホラホラ!もっと君の事を教えてよ!」


自分の死を伝えられた後にこのテンションで来られるとキッツイなぁ…


「はぁ…じゃあ俺の好きな食べ物は…」


「ハイ!知ってる知ってる!チキン南蛮と白米!それとモッツァレラチーズでしょ!」


怖ぁ…なんで知ってんだこの神…


「何でも知ってるさ♪好きな食べ物から初恋の人の名前まで!君が死ぬまでの間調べてたからね!神ペディアで!!神ペディアは偉大だよ!」


何だ神ペディアって。プライバシーの侵害にも程があるって。悪神の類だろこんなん。


「悪神とは失礼な!これでも人の子が飢えや渇きで苦しまないようにきちんとお勤めも果たしてたし、昔は信仰も沢山あってブイブイ言わせてたんだからね!」


十二神将を名乗るそのショタ神は可愛く頬を膨らませて怒りを主張する。


「つかさっきから心を読むな。神様かお前は」


「神だってば」


神だったわ…。



閑話休題。



疲れる…。

何を聞いても飄々とした様子で小ボケと爆弾情報を交互に投げて、会話のペースを握ってくるこのショタ神と話していても話題に収集が付かなくなりそうだと考えた俺は、本題に戻る事にした。


「ハァ…。話を戻しましょう。その神様とやらがなんの用があって一体俺はここに居るんです?」


「これには深〜い事情があってね…。」


先程までチャラチャラと茶化した雰囲気で話していた神は急に顔をキッと引き締めると粛々と話し始める。


「簡単に言うと私は君に命を救われたんだ。

神ってのはね、それぞれ司っている能力を奮う事で信仰を得て力を増すんだ。学業だとか安産だとイメージしやすいかな?」


有名所だと伊勢神宮とか出雲大社とかか。

詳しくは知らんが。


「そうそう!そんでね、逆に信仰を失うと神の力はどんどん失われて、完全に忘れられた時には神も死んじゃうんだ。人の子と同じようにね。」


「というと話の流れ的に…」


「そう!かくいう私も消える寸前だったんだ!さっきも言ったけど、私が司ってるのは食の力なんだ。豊作を増やしたり蝗害を防いだりね。

昔はそれなりの信仰があったんだけど時代が進んで飽食の時代になってからはもうすっかりね…。結構薄情だぜ人の子よぉ…。」


そういうと、バサラはわざとらしく涙目を作って俺の方を見た。


「んな事言われてもなぁ…」


確かに飯毎に意識して食の神に感謝なんてしない。目の前の仕事を片付けて、ひたすら自分一人生きるのに精一杯でそんな事考えたことすらなかった。


「まあ冗談は置いといて、恨んでなんかいないさ。我々を生かすのも人の子なら殺すのも人の子だ。自然の摂理ってやつだね。」


神らしく達観した様子でそう言ったバサラは急に俺を指さし、俺の方を見ながら話を続けた。


「そんな時に現れたのが君さ。最期ぐらい死にたくない〜!って周りに呼びかけて、醜く生き足掻いてた所に来てくれた君に、僕は感謝とお返しをしたくて此処に留めた。

僕がこうして君と話していられるのも、君が僕の社に参拝してくれたおかげなんだよ。ありがとうね〜!

というわけで、君がここに居る理由はそういう訳さ!」


そうだったのか…。

大体の顛末は分かった。

というか嫌でも分からされた。


ん?でもそれって…


「神様が俺に呼びかけなければ、俺はまだ生きてたかもしれないってコト…!?」


全てを話し終え、楽しそうに笑っていたバサラの口端がピシッと引きつったのが見えた。


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