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第47話_リディア杯 第3試合と第4試合

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これから週3回の更新となります。

 第47話_リディア杯 第3試合と第4試合


 ▼第3試合(龍王対バルド)

 リディア杯の第3試合が始まる。高台にはリリィが立ち、観客たちは次の戦いを待ち望んでいた。広場の中央にはドラゴンエンペラーの龍王とエンシャントドワーフのバルドが向かい合っていた。龍王は黒いトレンチコートのような服装をしており、その姿は威厳に満ちていた。一方のバルドは、技術者のような服装だが、防御力の高そうな装備を身にまとっていた。


 リリィが手を挙げ、「第3試合、龍王対バルドの試合を開始します!」と宣言した。


 龍王は冷たい目でバルドを見据えた。「バルド。全力で来い!」


 バルドは短く頷き、「では、全力で挑むぞ!」と力強く答えた。


 試合が始まると同時に、龍王の体が僅かに揺れ、次の瞬間には残像を残しながらバルドの後ろへと瞬間移動していた。そのスピードは観客の目にも捉えられないほどだった。


 バルドはその動きに驚き、振り向こうとしたが、その瞬間、龍王の咆哮が響き渡った。「咆哮!」その声は空気を震わせ、バルドの体を完全に硬直させた。


 観客たちは息を飲んでその光景を見守った。バルドの動きが完全に止まり、彼の顔には驚愕の表情が浮かんでいた。まるで時間が止まったかのような静寂が広がる中、龍王は右手を上げ、手刀の形に構えた。


「これで終わりだ。」龍王は静かに呟き、バルドの首元に向かって一撃を繰り出した。その動きは流れるようで、力強さと正確さが完璧に調和していた。


 手刀がバルドの首元に命中する瞬間、衝撃波が広がり、観客たちの間に驚愕の声が響いた。バルドの体はその一撃でぐらつき、力を失って崩れ落ちた。地面に倒れ込む彼の姿に、観客たちは一瞬の静寂の後、大きな歓声と拍手を送り始めた。


 龍王はバルドを見下ろしながら、一歩後退してその場に立ち尽くしていた。彼の冷静な瞳には一片の動揺も見られず、その威厳は揺るがなかった。バルドが地面に倒れたまま動かなくなると、リリィが高台に立ち、声高らかに宣言した。


「勝者、龍王!」


 龍王は静かに頷き、バルドに歩み寄って手を差し伸べた。「いい戦いだった、バルド。次はもっと強くなって挑んで来い。」


 バルドは苦笑しながらその手を握り返し、「ああ、次こそは勝つさ、龍王。」


 こうして第3試合は幕を閉じ、リディア杯の熱気はさらに高まっていった。


 ▼第4視界(セリーナ対セラフィム)

 リディア杯の第4試合が始まろうとしていた。高台に立つリリィが観客に向かって宣言する。「第4試合、セリーナ対セラフィムを開始します!」


 広場の中央には、エンシャントドラゴンのセリーナとアークエンジェルのセラフィムが向かい合っていた。セリーナは紫色の着物に黒色の帯を締めた優雅な姿で、セラフィムは白と金色の淵取りの服装をまとった美しい天使である。


 開始の合図と共に、二人は同時に「「ファイアランス!」」と叫び、炎の槍を互いに放った。二つの炎の槍が空中でぶつかり合い、激しい爆発音が響いた。火花が飛び散り、観客たちはその迫力に息を飲んだ。両者の魔法の威力は互角であり、炎の光が戦場を照らしていた。


「さすがどすな、セラフィムさん。ええ勝負やわ。」セリーナが微笑みながら言った。


「あなたもさすがです、セリーナさん。これからが本番ですね。」セラフィムも微笑み返した。


 次の瞬間、二人は一気に接近し、激しい格闘戦が始まった。拳と拳が交差し、足技が飛び交う中、数分間の激闘が繰り広げられた。両者の動きは速く、観客は目を見張るばかりだった。


 しかし、一瞬の隙が生じた。セリーナはその瞬間を逃さず、セラフィムを強く掴んだ。「これで決まりどす!」セリーナは力を込めてセラフィムを投げ飛ばした。


 セラフィムは空中で体勢を立て直しながら、自身に回復魔法をかけた。「エクストラヒール!」彼女は見事に着地し、すぐに次の攻撃に移った。左手に光の槍「ライトランス」、右手に闇の槍「ダークランス」を生み出し、交互に放ち始めた。


「そらそらそらそらっーーーーーーーーっ!!」セラフィムの攻撃は容赦なく、光と闇の槍が連続でセリーナに向かって飛んできた。セリーナは何とかそれを避けようとしたが、ダークランスが彼女の右足に命中し、切り裂かれた。


「うっ…!」セリーナは痛みに顔を歪めたが、すぐに体勢を整えた。「まだ終わらへんで!」彼女の瞳には決意の光が宿っていた。


 セリーナは右足の痛みをこらえながら立ち上がったが、セラフィムの連続攻撃に圧倒されていた。彼女は一瞬の隙を見つけて、紫色の炎を両手に集め始めた。


「これでどうや!」セリーナは叫び、炎を大きく膨らませてセラフィムに向かって放った。「ドラゴンブレス!」


 巨大な炎がセラフィムに襲いかかる。セラフィムはその攻撃に対抗するため、両手を広げて光の盾を作り出した。「ホーリーシールド!」光の盾が炎を受け止め、激しい衝突音が響き渡る。


 しかし、セリーナの攻撃は止まらない。彼女は次々と炎の玉を作り出し、セラフィムに向かって放った。セラフィムは必死に防御しながらも、次の一手を考えていた。


「このままでは…」セラフィムは息を整え、冷静に次の攻撃を準備した。彼女は手をかざし、強力な光の魔法を発動した。「ホーリーバースト!」


 光の爆発がセリーナを包み込み、彼女の動きを一瞬止めた。その隙を見逃さず、セラフィムは再び光の槍を生み出した。「ライトランス!」


 光の槍がセリーナに向かって飛び、彼女の肩を貫いた。「うっ…!」セリーナは苦痛の声を上げたが、まだ戦意を失っていなかった。彼女は体勢を立て直し、再び攻撃を試みた。


 しかし、セラフィムはさらに攻撃を続けた。彼女は手をかざし、闇の魔法を発動した。「ライトランス!」


 光りの槍がセリーナに向かって飛び、彼女の防御を打ち破った。セリーナはその一撃で力を失い、地面に倒れ込んだ。


「これで…終わりや…」セリーナは力尽きて言った。


 セラフィムはゆっくりと歩み寄り、セリーナに手を差し伸べた。「素晴らしい戦いでした、セリーナさん。あなたの勇気と力に感謝します。」


 セリーナはその手を握り返し、「おおきに、セラフィムさん。また戦おうな。」


 リリィが高台に立ち、勝者を宣言した。「勝者、セラフィム!」


 観客からは大きな歓声と拍手が湧き上がり、リディア杯の熱気はさらに高まっていった。


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