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第46話 リディア杯 第2試合(ロゼッタvsルミナ)

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7月から土曜日と日曜日お休みします。それ以外は午前8時に投稿します。

ご迷惑おかけして申し訳ありません。今後ともよろしくお願いいたします。

 第46話 リディア杯 第2試合(ロゼッタvsルミナ)


 リディア杯の第2試合が始まる。高台にはリリィが立ち、観客たちは次の戦いを待ち望んでいた。広場の中央にはハイエルフのロゼッタとブライトウィッチ(古代の魔女)のルミナが向かい合っていた。ロゼッタは緑と金の美しいエルフの衣装をまとい、長い銀髪が風に揺れていた。ルミナは古代の魔女らしく、光の刺繍が施された白と金のローブを着ており、その瞳には知恵と神秘が宿っていた。二人とも美しい女性であり、それぞれの持つ独特な雰囲気が観客を魅了していた。


 リリィが手を挙げ、「第2試合、ロゼッタ対ルミナを開始します!」と宣言した。


 ロゼッタは穏やかな表情で弓を構えた。「ルミナ、全力で戦います。」彼女の声には決意が込められていた。


 ルミナは優雅に微笑みながら応えた。「私も全力で挑ませていただきんす。」


 戦いは静かな緊張感の中で始まった。ロゼッタは素早く矢をかまえ、ルミナに向かって放った。その一撃は鋭く、風を切り裂いて進んだが、ルミナは軽やかに身を翻して避けた。


「お見事でありんす、ロゼッタさん。私の魔法も見せてあげんす。」ルミナは手を広げ、輝く光の魔法を発動した。「ネクロブレッシング!」


 その瞬間、彼女の体が輝き、物理攻撃と魔法攻撃の両方が強化された。ルミナは魔法の力を高めるために集中していた。その隙を見逃さず、ロゼッタは即座に次の手を打った。


「それなら、これでどうですか?」ロゼッタは弓を天に向けて放った。矢は空高く舞い上がり、天空で魔法の光をまといながら輝き始めた。次の瞬間、矢は無数に分裂し、まるで星のように輝く光の雨となって降り注いだ。「アローレイン!」


 光り輝く無数の矢が雨のようにルミナを襲った。その光景は圧巻で、観客は息を飲んで見守った。ルミナは驚きながらも冷静さを保ち、スピードで矢を避けつつ防御の魔法を展開した。光の矢が次々と彼女の周囲に降り注ぎ、その多くは防がれたが、何本かの矢が防御を突破し、彼女の服にかすって破けた。


「やりますね、ロゼッタさん。」ルミナは笑顔を浮かべながら、次の魔法を準備した。この時点で彼女のネクロブレッシングの効果が完成し、物理攻撃と魔法攻撃の両方が強化され、薄い赤色のオーラに覆われていた。「では、これを受けてみてください。コロッシブミスト!」


 ルミナの手から腐食性の霧が広がり、ロゼッタの周囲を覆った。ロゼッタは息を止め、霧に触れないように注意しながら動きを制限された。しかし、その防御力が徐々に低下していくのを感じた。


「このままではまずい…」ロゼッタは心の中で焦りを覚えつつも、冷静さを保った。彼女は再び矢をかまえ、ルミナに向かって放った。しかし、その矢はルミナの幻覚に惑わされ、実体のない影を貫いた。


「幻覚魔法も得意なんですね…」ロゼッタは悔しそうに呟いたが、すぐに次の手を考えた。彼女は弓を背中にしまい、両手を前に出して魔法の詠唱を始めた。右手には氷の冷気が集まり、左手には炎の熱が集中する。


「これでどうだ!」ロゼッタは詠唱を終えると、両手に作り出した氷弾と炎弾を同時に放った。氷と炎が混ざり合いながらルミナに向かって飛んでいく。その光景はまるで幻想的な花火のようであり、観客たちは息を呑んで見守った。


 ルミナはその攻撃を見て驚き、素早く防御の魔法を展開した。薄い半透明の青色の魔法で作られた盾が彼女を守る。氷と炎の攻撃が盾に激しくぶつかり、魔法の盾にひびが入り始めた。ルミナは焦りながらも、盾で攻撃をやり過ごそうとしていた。


 氷と炎がぶつかり合うと、周囲に霧が立ち込め始めた。視界が遮られる中、ルミナはその状況を巧みに利用した。見えにくい状態を利用して、彼女は素早くロゼッタの左側に移動した。そして、手をかざし、強力な魔法を発動した。「ソウルドレイン!」


 ロゼッタは突然の攻撃に驚き、抵抗しようとしたが、ルミナの魔法はすでに彼女の生命力と精神力を奪い始めていた。ルミナはその隙を見逃さず、追撃でライトランスを何発も放ち、ロゼッタに向かって閃光のような一撃を繰り出した。


 ロゼッタはその攻撃に苦しみながらも、次の攻撃を考えようと必死に耐えていた。


「まだ…終わりません!」ロゼッタは再び弓を構え、矢を放った。しかし、ルミナはその矢を簡単に避け、反撃の機会を逃さなかった。


「これで終わりです。」ルミナは静かに呟き、最後の魔法を放った。「コロッシブミスト!」


 再び広がる腐食性の霧にロゼッタは苦しみながらも、最後まで戦い抜こうとする。しかし、その霧に触れる度に彼女の防御力は低下し、回復魔法の効果も薄れていった。


「悔しいけれど…これが限界かもしれない…」ロゼッタは心の中で呟きながらも、最後の力を振り絞り、矢を放った。しかし、その矢もまたルミナの防御に阻まれた。


 ルミナはゆっくりと歩み寄り、ロゼッタの前に立った。「ロゼッタの戦い方、素晴らしゅうござりんした。だけど、これで終わりでありんす。」


 ロゼッタは力尽きて膝をつき、敗北を認めるしかなかった。「悔しいけれど、あなたの勝ちです、ルミナ。」


 リリィが高台に立ち、勝者を宣言した。「勝者、ルミナ!」


 観客からは大きな歓声と拍手が湧き上がり、ルミナは微笑みながらロゼッタに手を差し出した。「ありがとう、ロゼッタ。」


 ロゼッタはその手を握り返し、「こちらこそ、ありがとう、ルミナ。もっと強くなって、また戦いましょう。」


 こうして第2試合も幕を閉じ、リディア杯の熱気はさらに高まっていった。


筆者の励みになりますので、よろしければブックマークや★の評価をお願いいたします。温かい応援、よろしくお願いいたします。

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