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第29話 奴隷販売所

お読みいただきありがとうございます。よろしければ、ブックマークや★の評価をお願いいたします


7月から土曜日と日曜日お休みします。それ以外は午前8時に投稿します。

ご迷惑おかけして申し訳ありません。今後ともよろしくお願いいたします。


 第29話 奴隷販売所


 リディアたちがダンジョンを無事に攻略した数日後、彼女はセバス、フェン、エレンの3人と共に街を散策することにした。今回の探索の目的は、街の状況を把握し、新たな情報を収集することだった。


「今日はゆっくりと街を見て回ろう。何か興味深いものが見つかるかもしれないし」とリディアは仲間たちに微笑みながら言った。


「賛成です。街の様子を知ることは重要ですね」とセバスが力強く答えた。


 フェンも興奮気味に、「にゃあ!美味しいものとか、面白いものがたくさんありそうだにゃ!

 」と声を弾ませた。そして、「あっ、エレン様とリディアに聞けばお店を紹介してくれるかにゃ??」

 リディアに茶化すように尋ねた。


 !?


 リディアは顔が赤くなり、視線を下に向けた。

 こういった会話に本当に弱いよな…。


 見かねたエレンが、「情報収集も兼ねて、気になる場所があれば立ち寄りましょう」と提案し、リディアにウィンクして話の流れを変えた。それを見たフェンが笑った。


 昼食の時間にはまだ余裕があるので、リディアたちは先に前回のダンジョン探索で取得した魔石を売りに冒険者ギルドへ向かうことにした。


 冒険者ギルドは、多くの冒険者たちが集まる活気ある場所だった。リディアたちがギルドに足を踏み入れると、様々な装備を身に着けた冒険者たちが行き交い、情報や依頼を交換していた。


「冒険者ギルドはいつも賑やかですね」とセバスが感心したように言った。


「まずは魔石を売りましょう。前回のダンジョン探索の成果がどれほどの価値になるか楽しみです」とエレンが微笑みながら言った。


 リディアは受付のカウンターに向かい、応対している若い女性のギルド職員に声をかけた。「こんにちは。先日ダンジョンで取得した魔石を売りたいのですが、査定をお願いできますか?」


 職員はにっこりと笑顔で応えた。「もちろんです。魔石を見せていただけますか?」


 リディアは、アイテムボックスから取り出したことがわからないようにバッグから魔石を取り出し、カウンターに並べた。魔石は大小様々な大きさで、全てが美しい輝きを放っていた。職員はそれらを慎重に一つ一つ確認し、特別な装置で魔力の量を測定した。


「こちらの魔石は合計で108個ありますね。査定結果ですが、これだけの量と質の魔石ですと、金貨3枚と銀貨30枚になります」と職員は告げた。


 リディアたちは顔を見合わせて喜びの表情を浮かべた。「金貨3枚と銀貨30枚ですか。これでしばらくの資金は充分ですね」とセバスが満足そうに言った。


 フェンも興奮気味に、「にゃあ!これで美味しいものもたくさん買えるにゃ!」と声を弾ませた。


 職員は金貨と銀貨を丁寧に包んでリディアに手渡した。「ご利用ありがとうございました。また何かありましたらいつでもお越しくださいね」と笑顔で見送った。


 街の中心部へと歩みを進めると、多くの商店や露店が立ち並び、賑わいを見せていた。すると、一つの大きな商会が目に入った。建物の上部には「奴隷販売所」と記された看板が掲げられていた。


 リディアは眉をひそめた。「奴隷販売か…。」


 エレンが奴隷販売について説明した。「シエロ帝国の話になりますが、奴隷販売というのは、戦争や犯罪で奴隷に落ちた人々や、借金返済のために特定の期間働く人々を取り扱っているんです。おそらく、グラン王国でも同様だと思います。奴隷の扱いは、とてもしっかり管理されているんですよ」


 フェンも続けて、「シエロ帝国内は人間至上主義にゃ。獣人が多いのがくやしいにゃ…」と耳を垂らして言った。


 リディアは内心で強い違和感を覚えた。日本で育った彼にとって、奴隷制度は受け入れがたいものだった。「胸糞悪い…」リディアは心の中で呟いた。


 エレンが不思議そうにリディアを見つめた。「リディアさん、大丈夫?」


「あぁ。大丈夫だよ」とリディアは応えた。

 リディアは奴隷商会の前で一瞬戸惑いながらも、表情を引き締めて遠くを見つめた。彼は心の中でノエルに話しかけた。

「ノエル、仮に奴隷たちを買い取って今作成中の街に住まわせることは可能だろうか?ここで苦しむより、私たちの街で新しい生活を始めさせてあげたいな。」


 ノエルはリディアの心に直接応えた。「マスター、現在リリィたちがダンジョン周りに街を作成しているので、リリィたちに相談してみてください。街は徐々に発展しており、住居スペースも確保できるでしょう。」


 リディアは心の中で頷き、決意を新たにした。


 次は昼食を楽しむことに決めた。


「この辺りで美味しい食事ができる場所は知っているかい?」とリディアが尋ねた。


 フェンが嬉しそうに耳を立てて答えた。「にゃあ!この近くに評判の良い食堂があるにゃ。行ってみるにゃ?」


 セバスとエレンも賛成し、一行はフェンに案内されて賑やかな通りにある小さな食堂へと向かった。食堂は地元の人々や冒険者たちで賑わっており、活気に満ちていた。テーブルに座ると、香ばしい匂いが漂い、リディアたちの食欲を刺激した。


「今日は何を食べようか?」エレンがメニューを見ながら楽しそうに言った。


「おすすめは焼き魚にゃ!最高にゃ!!」とフェンが目を輝かせておすすめ料理を勧めた。


 せっかくなので全員が魚料理を注文し、賑やかに昼食を楽しんだ。リディアも久しぶりの休息に心からリラックスし、仲間たちと笑いながら食事を楽しんだ。


 食事が終わると、リディアは「さて、これからどうしようか?」と提案した。


「自由時間にしましょう。みんなそれぞれ好きなことをしてリフレッシュしましょう」とセバスが提案した。


 全員がその提案に賛成し、それぞれ自由時間を楽しむことにした。リディアはみんなに内緒でリディアの街へ戻り、エレンとフェンは魔法具店へ、セバスは武器店へと向かった。


 それぞれが自分の時間を楽しみながら、リディアたちは再び集まるまでのひと時を有意義に過ごした。


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