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任務五日目 突入 砦のゴーレム

 砦が見える位置に隠れて待機するエルドとレオの元に、マットが戻ってきて降り立つ。


「隊長、出口塞いで来ましたよ!」

「気付かれ無かったか?」

「消音防壁展開させてましたし、破壊後も特に誰かが来る気配は無かったです」

「そうか、よくやった。マットはセスの補助に向かってくれ」

「了解」


マットは尖塔に向かって飛んて行った。


「砦の入り口に、土属性のゴーレムが二体か」

「中にも、約百体。各所に配備されていますね」

「こちらに流れた男は魔導師だったな。派手に魔力を使ったものだ」

「高等魔導術式が多く展開されていますが、精度が悪いですね。使い慣れていないものの仕業でしょう」


レオは魔導術式の痕跡を辿り考察する。


「ゴーレムの魔核を破壊すれば無効化できますが、魔核の位置がバラバラですね」

「おおよそ、きちんとした知識がないまま魔力押しで出鱈目に作ったんだろう」

「一体ずつ倒しますか」

「面倒だが、それが一番効率が良さそうだ。レオ、魔核の位置を指示してくれ。突入する」

「了解」


 エルドは腰に下げていた刀を手にすると、業火の魔導術式を刀に込める。”父”から貰ったこの刀は、魔力伝導が驚くほどよく。少ない魔力で大技を打ち出す媒体として魔導師垂涎の最高級品だった。


「レオ、門のゴーレムの魔核の位置は?」

「左、胸部。右、腹部です」


エルドは刀に魔力を流し術式を展開すると、ゴーレムの魔核を正確に斬って行く。斬られたゴーレムの魔核は燃え上り、その巨体はボロボロと崩れ落ち、後には土塊が残る。


(”父”には感謝しかないな)


エルドは刀を構え直し、犇くゴーレムに向かっていった。


 ようやく大量のゴーレム処理作業が終わった頃、左右に聳えていた尖塔が音もなく倒壊していくのが見えた。


「隊長、戻りました。任務完了っす」

「隊長〜無効化完了! いやぁ〜大変でした〜」


セスとマットが戻ってきた。


「うぉっ、なんだこれ!」

「すっげ〜泥だらけだな。畑でも作るんですか?」


泥濘の上に降り立ったマットが足をバタバタさせてもがいている。セスは泥の上を嬉しそうに走り回る。


「詳しい話は後で聞く。居住区に向かうぞ」


 所々に設置されている罠の魔導術式を解除しながら、ようやく中腹にある居住区までたどり着く。自然に出来た岩屋を利用し、膨大な魔力を使って改装したのだろう。そこには宮殿のような立派な入り口があった。


「典型的な成金趣味だな。権力に憧れがあるやつに間違いなし」


マットがしみじみ所感を述べた。


 中に入ると眩いばかりの絢爛豪華な通路が長々と続いている。人の気配はなさそうだ。


「おぉ〜でっけー花瓶。こんなの何に使うんだ?」


セスが飾られていた花瓶の周りをくるくる回る。


「セス、お前。尻尾追いかけてるイヌそのものだぞ」


マットがセスの方を見てゲラゲラ笑う。


「セス、マット。また罠があるかもしれないんだ。もう少し慎重にしろ」

「「はーい。レオ先生」」

「ふざけてないで、さっさと行くぞ」


エルド達は罠を警戒しながらゆっくり進んで行った。


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