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第五十二話 説明

遅れたうえに短いです。本当にすいません。

魔王の合図俺は部屋に転移し、隠蔽を解く。


「ハヤテだ。一応Sランク冒険者をやっている」


肩書は三つ程あるのだが、今回は強さを伝えることを重視したためSランク冒険者と言うことにした。


「ハヤテさんですね。それで解決策、と言う物を教えていただきたいのですが」


白髪の魔族が訊いてくる。

まあ俺が持ってるものを使わなきゃいけないからここで言っても問題ないな。

そう思った俺は、待機中に作っておいたゴーレム製造機能を付けた魔石を出し、話し始める。


「これは魔力を込めるとゴーレムが出てくる魔道具だ。ゴーレム、と言ってもごつごつの戦闘用ではなく、家事とか仕事をこなせる。見た目も魔族にかなり似せている。そんなものを生成する魔道具だ。そして仕事の件はこの魔道具に魔力を込める仕事をすればいいだろう。和平成立時にはこの魔道具を五つほど寄贈する。そして料理の問題だが、このゴーレムに人族の料理のレシピを入れてある。あとは俺の調味料店の支店をこの大陸にいくつか出そう。以上だ」


ゴーレムゴーレム言っているが、魔道人形、と言ったほうが良いかもしれないな。


「ふむ、なるほど。だがそのような道具、どこで手に入れたのだ?」


研究者風の魔族にそう問われる。

そう言うところの探求心も研究者っぽいな。


「宇宙から来たと思われる魔物の魔石に自分で付与した。それで、これで問題を解決できたと思うが和平を成立させてくれないか?」


と、話を終わりに向かわせに行く。


「妾はこれでよいと思うのじゃが何か意見はあるのじゃ?」


と言って魔王は配下たちを見渡す。


「今後の交流についてはどうされる予定で?」


白髪魔族が質問をする。


「それは結界が必要なくなってからじゃな」


そうじゃないと何があるか分からんしな。

魔族側も人間側も慎重になるだろう。


「俺から商人に店を出すように言っておこう。ついでに取引も勧めることにするか」


俺がレシピ提供をしたマルクスの店は繁盛しているらしい。

そのため、俺が勧めたら乗ってくれる可能性が高い。


「じゃあ他にそこの人間と何かしないの?」


女魔族が意見を出す。


「例えば何をすればよいと思うのじゃ?」


「うーん、例えば、魔王様と結婚するとか?魔王様、ずっと自分より強い人としかくっつかないって言ってたもんね。その人間ならピッタリじゃない?」


どういう展開ですかこれ。


「悪いが既に婚約者がいるもんでな。その話を受けることはできない」


「側室でもいいのじゃ!」


魔王、なぜ乗り気なのだ。


「人間と魔族の友好を示すためには良い案だと思ったんだけどね。要はその婚約者って人を説得して側室に置かせてもらえば良い訳でしょ?」


「いや俺は許可してないぞ」


なんか勝手に進めようとしてるので否定しておく。


「妾を貰ってくれないのじゃ...?」


魔王が上目遣いで聞いて来る。


「重婚は認められてるわけだし、魔王様を貰ってあげて」


追撃。


「はー、分かったよ。フィアを説得出来たらな」


結局俺が折れることになった。

どうしてこうなった。


「じゃあフィア呼ぶぞ。俺は呼ぶ以外にはかかわらないからな。説得はそっちでやってくれよ」


そう言ってフィアを呼ぶために、念話で返信できるコアに連絡してみる。

『今フィアは何してる?』

『今は特に何もしていない感じですね』

じゃあ呼んで大丈夫そうだな。

俺は寮の部屋に向かって転移を発動し、フィアを連れて魔王城にもう一度転移する。


「えっと、ここ、魔王の居城...ですか?」


「そうだ。詳しい説明は魔王たちから聞いてくれ」


俺がそう言うと、フィアは頷き、魔王たちに連れられて奥の部屋へと向かっていった。

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