第五話 上級魔法
速く展開を進めたいけど途中を飛ばしまくるのもなー。どうしようか。
森林探索を行った次の日、俺は母のユーリアと魔法訓練をしていた。
「一昨日は初級魔法をやったから今日は中級をやるわね。まずはお手本。~~~~~~~~~~~~~~~、ファイアランス!」
ユーリアがそう言うと、前の巨大ファイアアローによく似た火の槍が的に向かって飛んでいき、的に2396と表示された。
アローよりもかなり攻撃力が高いようだ。
「あとよく使う中級はもうひとつあるわね。~~~~~~~~~~~~~~~~~、ファイアシールド!」
するとユーリアの前に火の盾...と言うよりは縦横2.5メートルくらいの壁が現れた。
「こんな感じよ、やってみて」
そう言われたので、やってみる。
っとその前に
『スキル創造、並行思考S』
並行思考は、その名の通り複数のことを並行して考えることができるようになるスキル。
ランクが高ければ高いほど、同時に思考できる数が増える。
俺はこのスキルを使って、ファイアシールドを展開しつつファイアランスを放った。
すると的には8049と表示された。
「同時って...威力もおかしいし...まあいいわよもう、次は...」
っとこんな感じで中級魔法を一通り教わった。
中級魔法はランス、シールドだけでなく、上位属性と呼ばれる属性のアローシリーズも含まれていた。
上位属性は、火の上位の爆裂、水の上位の氷などのことで、扱いは難しいが非常に強力である。
「まだ時間いっぱいあるから上級もやっちゃおうかしら。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~、ファイアフィールド!」
ユーリアがそう唱えると、的の周辺一体が火に染まった。
どうやら範囲魔法らしい。
的には、16472と表示された。
さすが上級魔法と言ったところである。
『スキル創造、魔法改変S』
俺はこのスキルを使って1点に集中させたファイアフィールドを放った。
すると的には174967と表示された。
...桁おかしくない?
「えっと...ハヤテ?」
「いやその...ファイアフィールドを1点に収束させたらこうなりました」
「ファイアフィールドを収束ね、知らないかもしれないけど、魔法をそういう風にいじるのは高等テクニックで、そんなすぐ出せる物じゃないのよ?」
そうなのか。まあ気にしないけども。
ちなみにこの後のフィールド系魔法は魔法改変の実験に使った。
あと、上位属性のランス、シールド系も上級魔法らしい。
こっちは改変した結果、ランスは三又槍などに、シールドは縦長にしたり丸めて覆わせたり出来た。
こんな感じで、2回目の魔法訓練は終了した。
次の日。
「甘いぞハヤテェ!」
今日の戦闘訓練は模擬戦だ。
まあ恐らく剣術AかSの父には勝てないだろうが。
現に、めっちゃ押されてる。
3歳児に容赦無い。
「隙だらけだぞ!」
「くっ」
やっぱ上位騎士は違うわ。
ここに関しては行きなり剣術Sに上げるわけにもいかないし、地道に訓練していこう。
って言うかこの訓練めっちゃ攻撃もらうから物理防御のステも上がるかな?
防御力上げまくってカッチカチになってみるのも面白そうだな。
そのために攻撃食らいまくって訓練するとかはやりたくないけど。
っと、模擬戦中だったな。
ちょっと魔法入れてみるか。
『魔法創造、ライトニングチェイスアロー』
今作ったのは標的を追尾するライトニングアロー。これなら意表を付けるだろう。
斬り合いの途中に並行思考でライトニングチェイスアローを撃つ。
「よく斬り合いながら魔法使えるなぁ」
そう言いながら魔法をよける。
しかし、チェイス機能を付けているのでよけても戻ってくる。
「ぐっ、なんだと?」
「隙有り!」
困惑している間に攻撃を叩き込む。
「ぐっ、これは1本取られたな。だがなんだ今の魔法。避けたと思ったんだが...」
「今のは追尾機能付きなので避けても反転して戻ってきますよ」
「そんな魔法聞いたことねえよ」
っとまあこんな感じで模擬戦をした。
初見殺しのようなスキルや魔法を使った時だけは勝てたが、2回目以降は対応されるので結局そんなに勝てなかった。
まあ剣術のスキルランクに差があるし、勝てただけ良い結果だろうな。
こんな感じで、諸訓練を始めてから2か月間くらいは体力づくり、模擬戦、森林で魔物狩りなどをやっていた。
魔法訓練のほうも魔力操作の練習や既存魔法の習得、模擬戦などをしていた。
ステータスも上がったので一応乗せて置く。
名前:ハヤテ
種族:人間族
年齢:3歳
レベル:78
体力:67956
物理攻撃力:51349
物理防御力:49976
魔力:68973
魔法攻撃力:56497
魔法防御力:37986
速さ:60234
魔法適正:火 水 風 土 光 闇 特殊
スキル:翻訳 スキル創造 魔法創造 万物創造 訓練効率上昇S 疲労回復速度上昇S 疲労耐性S 剣術B 魔力操作S 無詠唱 魔力変換効率上昇S 魔力回復速度上昇S 取得経験値上昇S ステータス上昇量上昇S 気配隠蔽 魔力隠蔽 鑑定S 解体S 並行思考S 魔法改変S
っとまあ、かなり上がっている。そこらの冒険者より全然強い。
剣術もBまで上がっていて、模擬戦の勝率もほんの少しだが上がってきた。
三歳でこのステータスなんだから大人になったころには大変なことになってそうだな。
それこそ、100万とか行っててもおかしくないかもしれない。
そんなことを考えていると...
「ヘルム様!ユーリア様!エンペラーベアが出ました!」