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第四十八話 学校再開

次の日。

今日は学校が再開する日である。

今は教室に座っている状況で、どうやら臨時教科について説明されるらしい。

今日の午前の授業はすべてこの臨時教科らしい。

ちなみに昨日の午後の訓練については、無事三人ともいくつかの魔法を使うことができるようになったようだ。

しばらくすると担任が入ってきて、臨時教科の説明を開始した。


「今回臨時で追加された教科は対魔族を想定した集団戦訓練、はちょっと長いから対魔訓練ね。名前の通り、魔族の襲撃を撃退するための訓練よ。一クラス対一魔族、を想定して訓練するわ。ハヤテくんは除いて、だけどね」


なんか除かれたんですが。

まあ俺個人で魔族と戦える戦力があるから、それを入れるとなると集団戦法はなく最低限自分の身を守り、俺の支援をするという戦法になってしまう、と危惧しているのだろう。

...そう言うことだよな?

というか、俺が除かれるとなると俺のやることがなくなるな。


「俺はその授業の時間は何をしていればいいのでしょうか?」


「貴方は実際に魔族と戦った経験もある訳だし、教師側に回ってもらうわ。それと実戦風訓練をするときの魔族役ね」


なるほど、それなら暇になることもないだろう。

手加減のスキルを使えば傷つける心配もない。


「分かりました」


「よし、じゃあ校庭に出るわよ」


そう言って校庭へ行った。

それに続いて俺達も外に出ていく。

外にはもうすでにいくつかのクラスが陣形を組む訓練をしている。

上級生のクラスのほうを見ると、集団魔法を使っているようだ。

集団魔法とは、複数人の魔力を集めて一つの強力な魔法を発動する、と言うもので、息を合わせた詠唱もしくはそれに合わせて魔力を制御する必要があるが、魔族のような比較的強力な敵と戦う上で大きな力を発揮する。

今回使っているのは結界の集団魔法のようだ。

魔族に対して集団で挑む時に最も警戒すべきことは範囲魔法であるため、それを防ぐために結界を張るというのは非常に理にかなっている。

強度も、数の暴力で上級生なら全く問題ないほどになっていて、最下級生の最低ランククラスでもギリギリ一発耐える程度の結界は張れるだろう。

おっと、いろいろ考えていたら訓練が始まってしまうようだ。


「じゃあ始めるわ。まず、魔族と戦う時には陣形を組んで、集団魔法の結界を張ってから戦うわ。陣形は~~~~~~~~」


と言う感じの説明が始まった。

俺には全く関係ないのでほとんど聞いていないが、要点だけまとめると陣形を組み、結界を張り、それから主に魔法で攻撃するようだ。

結界が破れそうになったら追加で結界を張り、魔力が少ない物は攻撃に参加せず援軍を待つ戦い方をする。

また、魔族には光属性魔法の一種である聖魔法、と言うものがあるので、光属性に適正のある者はそれの習得も進めていくらしい。

俺も後で聖魔法やってみよう。

それで、ここのクラスも陣形を組んで、集団魔法の練習に入り始めていたのだが、Sクラスと言うだけあり非常に飲み込みが早い。

陣形はすぐに組み終えたし、集団魔術も惜しいところまで行けている。

もう少しでとりあえず魔族相手にもある程度耐久出来るだろう。

学校の勢力全てを合わせれば魔族二、三体程度であれば倒せそうでもある。

そんな感じでしばらく訓練を見ていると...


「ハヤテくん、三回生Sクラスの相手をしていただけないでしょうか?中級魔族程度の力で戦っていただければ結構ですので」


お、さすが三回生の最上位クラス、もう戦えるところまで行けたのか。


「分かりました」


そう返事をし、三回生Sクラスの所に飛んでいく。

到着すると、そのクラスの担任と思われる人が口を開く。


「この人は先日、二体の上級魔族を一人で倒したハヤテさんです。今から、ハヤテさんが魔族役となり、飛び上がり魔法を放ちます。それを防ぎつつ、攻撃して下さい」


普通な説明だな。

三回生のほうを見ると、あまりよく思っていなかったり、俺の戦闘を見ていなかったのか信じていない人がちらほらいるが、まあそこまでひどい物ではないので良いだろう。

あと、俺からも補足しておこう。


「俺は中級魔族くらいの強さで戦います。また、体の表面に魔族と同じくらいの耐久力の紫色の結界を張りますので、それを破壊したら討伐成功、と言った感じです」


そう言って飛び上がり、宣言通り紫色の結界を体に張る。


「訓練、開始です!」


先程のこのクラスの担任がそう叫ぶと同時に、集団魔法によって結界が張られる。

俺は適度に飛び回りながら、手加減スキルで威力を調整した魔法を放つ。

俺が数発魔法を放つと結界にひびが入ったので、もう一度集団魔法で結界を張りなおしてから攻撃してくる。

そんな感じでしばらくすると、紫色の結界が割れたので訓練終了になった。

ちなみにこの後、他のクラスの訓練の魔族役を何回も担当した。

フィアたちのクラスが三回生と同じくらい強かったのはおそらく俺の杖と、無詠唱による魔法の回転率のおかげだろう。

そんな感じで、今日の臨時教科である対魔訓練は終了した。

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