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第四十七話 古代魔法(2)

古代魔法の練習(と言ってもただ使うだけだが)の続きをしていこう。

他になにか便利な魔法はあるか?

『現代に無い物を挙げると、仮死魔法や記録魔法、強制魔法ですね。他にもまだありますが...』

まあ、とりあえずこの辺にしとこう。

仮死魔法。

人や動物、魔物を仮死状態にし、体の機能を停止させて長期間保存する魔法。

仮死状態から起こす術式が付属して、外部からの接触があると起きる。

主に不治の病を患った者が未来に希望を持って使うということが多かったようだ。

...これも試せないではないか。

術式だけ見て改造できそうなところは改造しておこう。

記録魔法。

基本的に薄い板に魔石をくっつけ、そこに付与して使う魔法。

魔石に文字で記録することができ、さらに薄い板に記録内容を表示することができる。

弱い魔物の魔石にも付けられるように魔力の消費量が抑えられているが、強い魔物用の記録できる量が多い術式もある。

地球の機械の下位互換だな。

使用するエネルギーが違うという点では完全下位ではないが。

ただ、この世界でこういうことができるのはとても大きい。

試しに使ってみると、確かに文字を入力し記録させることができた。

しかしこれだけだと本の代わりに情報を置いておく、くらいのことしかできない、

さっき使った通信魔法と組み合わせてみるか。

魔石を三つ出し、通信魔法と記録魔法、そして記録削除用の魔法を付与する。

そしてこれを術式をいじりながら接合する。

記録魔法に入力された術式を通信魔法で飛ばし、また他から届いた内容を記録魔法で記録する。

そして読まれたら削除される、と

これをもう一つ作り、ペアリングする。

これで簡易的なメールのような装置ができた。

通信手段が手紙か使者くらいしかない今のこの世界では相当革新的な魔道具ができただろう。

こんなことしなくても魔法創造を使えばよくないか、と思うかもしれないが、それをすると普通の魔石では扱えなくなってしまうため今回はもともとある魔法を少しいじる程度が丁度よい。

次。

強制魔法。

対象に物事を強制させることができる。

これは今の時代の似た魔法に隷属魔法があるが、それとは違い、契約に近い使い方をされたようだ。

主に対象の同意があった場合か、ドラゴンと虫けら、くらいの力の差がなければ適応されない。

これも少しいじってみよう。

しばらくして、二つの魔道具ができた。

一つは簡易的に契約的なことをするもの。

もう一つは尋問用の物。

一つ目は双方に強制力が働くようにし、二つ目は適用条件を緩和した。

...魔道具屋でも作ろうかな。

次。

『昼食時ですが次に行きますか?』

お、そんな時間になったか。

じゃあいったん中断だな。

空間から出て、料理を開始する。

運動をして暑いだろうから、冷たい物にしよう。

冷やし中華にするか。

作るという物じゃないな。

麺は万物創造で創造する訳だし、俺が自力ですることと言ったら麺を茹でる、あとは盛り付けるくらいだ。

すぐに出来上がった。

三人を呼んで昼食だ。


「昼食だ。一旦中断してくれ」


そう声をかけると、すぐに訓練を終えて戻ってきた。


「もう昼食を作っておいた。食べるぞ」


そう言ってテーブルに移動し、食事を開始する。

予想通り、冷やし中華は運動後にぴったりだったようだ。

さすが夏の料理。

そう言えばこの世界は世界全体でどこにも季節と言うものが存在しないみたいだな。

とは言っても二、三度ほどの変化はあるようだが春夏秋冬、と言う言葉を作るほどではないらしい。


「あの訓練用空間はどうだ?訓練相手には勝てたか?」


「数回だけですが勝てました」


「私も同じくらいかな」


「私もそんな感じです。要望を言うとすれば魔法技術も向上できるようにしていただきたいと思います」


なるほど、確かにあの空間では実践重視だから、新たな魔法を習得したりするのは難しいだろう。

だが、魔法習得と言うと少なくとも手本がいる。

しかも見るだけで正確に魔法を使うというのはとても難しいので、教えられる人が良い。

となると適任は...今教えられる人だと俺しかいないか。

ってかこういうのって学校で習うもんな気がするんだがなー。

まあいいか。


「わかった、じゃあ午後は俺がそっちに魔法を教えに行く」


「お願いします」


と言うことで午後は三人に魔法を教えることになった。

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