第四十三話 情報収集
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前話で成人したかしてないか、という表現を使用しましたが、この世界での成人は15歳、という設定です。
つまり15歳前後、中3~高1くらい、今回の場合中3です。
明記しておらず申し訳ございません。
「じゃあ勇者の位置を探すぞ」
「探すといってもどうするのですか?そもそも国が違うので」
リリーが
「まずは聞き込みで噂とか特徴を調べる。ある程度人物像が分かったら俺のスキルでサーチする。とりあえず神国の首都までいくぞ。ついでに昼食も向こうのを食べる」
こっちにはほとんど噂が回ってきてないみたいだからな。
そう言えば他国に行くのは初めてだな。
「とりあえずで行ける距離じゃないと思うけど...」
「どうやって行くのでしょうか?」
『私が乗せていきます』
なるほど、その手があったか。
全速力飛行して一度往復してから範囲化転移で移動してもよかったのだが、まあ乗せてくれるというならそれでいいだろう。
速さのステータスもかなりあるから大した時間もかからないだろう。
「そうさせてもらおう。隠蔽を使って飛んでくぞ」
「分かりました」
そう言ってコアを含めた全員に隠蔽をかけて少し広いところに行く。
巨大化したコアに乗ると、浮上し始め、教国に向けて飛んでいく。
風を制御する魔法を使っているのか、速度の割に風を感じず快適に移動できている。
そんなことを考えていると、教国首都の中の人がいない場所に到着した。
かなり早い到着だな。
近くの木の陰に着地し、コアから降りると、コアは収縮し、いつものサイズに戻った。
着陸した点から少し移動して、目印となりそうな場所に行く。
「よし、じゃあ分かれて情報収集するぞ。一時間後にここに集合して昼食、その後にもう一度調査する」
「分かりました」
「おっけー」
「頑張ります」
そう言い俺達は情報収集を始める。
基本は耳に強化魔法を使って会話を盗み聞きしたり、勇者に関する話から少しずつ調査対象について聞いていく。
得た情報をまとめると、勇者は3日前に召喚された。
その力はレベル1にしてB、Aランク冒険者に匹敵するステータスを持ち、長所の部分ではSランク冒険者クラスだ。
また、レベルも常人よりも上がりやすく、すでにステータスがSランク冒険者を優に超えているかもしれない。
そして肝心の好き放題している勇者は、夕方、訓練を終える時間になると街に出てきて、カツアゲや強姦などしているらしい。
特徴はガタイのいい大男と長身のの男、低身長の男の三人組。
強い冒険者等と何回か戦闘になったこともあるが、すべて力でねじ伏せている。
とりあえずはこんな感じか。
一時間が経過したので、集合場所に戻る。
「情報共有しながら昼食の店を探すぞ」
そう言ってまずは俺が得た情報を話していく。
「私もそのような感じでした。補足があるとすれば、戦闘関係のことですね。三人とも経験不足で、ステータスで圧倒している感じでした。攻撃が当たってもほとんど傷がつかず、放たれる攻撃は即死級だそうです」
フィアが答える。
なるほど。
素早く動いて一撃必殺を当てることができれば勝てそうな感じだな。
「範囲魔法は一つも持ってないって言ってたような気がするわね」
なおさら速度重視の戦い方が刺さりそうだな。
「私は、今日はも街に来るだろう、と言うことを耳にしました。また、初日よりも昨日のほうが機嫌が悪かったと聞きました」
訓練や魔物討伐などをやらされているのが気に入らないのだろう。
となるとトラブルの数もどんどん多くなっていくと考えておいたほうが良いだろうな。
早めに片付けなくては。
「なるほど。分かった。よし、昼食を食べに行くぞ」
そう言って飲食店が並んでいる所に向かって歩いていく。
教国の郷土料理を扱っている店に入り、その郷土料理を注文する。
しばらく待って出てきたのはカレーとナンのような感じの料理。
ただ、味はカレーではなく、ソース自体に野菜か何かを使っているのかハヤシライスに近い。
ナンのような物も、少し味が違うようだ。
美味しいな。
食べ終えると、また目印になるところに行き、そこから情報収集を再開する。
「例の勇者が来るかもしれない。遭遇したらすぐに何らかの方法で合図してくれ」
「何らかの方法?」
「じゃあ空に向かって火属性魔法を放ってくれ」
「狼煙みたいなものですね。分かりました」
そう言う会話を交わし、俺達は情報収集を再開した。




