第三十三話 店
3日間スキー教室に行っていたため書くのが遅れてしまいました。大変申し訳ございません。
「ここか」
商業ギルドを出た俺達は、王城の近くにある土地に来ていた。
「調味料を取り扱うにはいい感じの広さですね」
せやな。
広さは丁度良く人通りも多い。
欠点も特にないしこれでいいかな。
「じゃあこれにするか。商業ギルドに戻るぞ」
「そうですね」
ってかここまでミリアとリリー一言もしゃべってないな。
まあ商業に関しては全く分からないのだろう。
その後俺は商業ギルドに戻り無事土地を購入した。
「土地を買ったから次はどうする?フィアの知り合いの商人に声かけるのと店開くのどっち先だ?」
「開かなくてもいいですけどとりあえず建物は立てておきたいですね。まずは構図を決めましょう」
「じゃあもっかい行くか」
と言うわけでもう一度土地に移動する。
「まずは生産場所か。...魔法で生産できるようにするか。うん、そうしよう。そうなると魔石置き場と保存場所があればいいな。だったらもう他は店でいいか。あと2階に店員用住居を作れば完璧だな」
自己解決。
そうと決まれば魔法を使おう。
『万物創造、建物』
そう念じた瞬間、買った土地にコンビニのような建物が出来上がった。
商品棚やカウンターなど内部施設も全部作ったし、2階の居住区には
「よし、完成だな」
「......」
「いつも通りですね」
「そうね」
黙り込むフィア、慣れてきたリリーとミリア。
まあ気にしなくていいだろう。
「よし、じゃあ生産用の魔道具置くか。中入るぞ」
「はい」
中に入る。
うん、コンビニ。
冷蔵機能とかは付けてないがほぼコンビニだ。
関係者以外立ち入り禁止と書かれたドアを開け、中に入る。するとそこには広いスペース。
ただ広いとは言ったが醤油以外も作るとすると狭い。
空間魔法で広げておこう。
この部屋をいくつも作る感じで広げる。
『空間拡張』
とりあえず10部屋くらい作ったから当分は大丈夫だろう。
「......」
「いつも通りですね」
「そうね」
...これ、さっきも聞いた気がする。
まあ醤油生成機を作るか。
クトゥルフの巨大な魔石を取り出す。
これ使わないと生成機はできないよなー。
でももったいないな。
『スキル名:複製を創造しました』
お、有能。
『複製』
するとクトゥルフの魔石が2つに増えた。
一応魔力を消費しているらしいが俺には負担にならない感じだな。
あ、そう言えばスキルは付与できないから魔法を創らないとな。
『魔法創造、創造魔法』
創造魔法は万物創造に似た感じの魔法だが魔力消費が多い。
『【付与】、【創造魔法】』
これでOKだな。
あとは万物創造で無限収納機構を作って完成だな。
ちなみに醤油が液体で出るのではなく前世で店で売っているような感じの状態で創られる。
さすがにペットボトルではないが。
「......」
「いつも通りですね」
「そうね」
本日3度目。
「そう言えば店員ってどうすればいいんだ?」
万物創造では生命は創れないからな。
「そうですね、ハヤテ様は秘密がとても多いですし奴隷が良いのでは?」
うーむ、奴隷か。
あんまりよい印象がないんだよね奴隷って。
まあ俺がひどい扱いをしなければいいだけか。
「そうだな、それでいいか」
「分かりました、奴隷商まで案内致します」
しばらく歩くと、奴隷商に到着した。
ちなみに商業ギルド直営なので安心らしい。
「本日はどのような奴隷をお求めでしょうか?」
「店を開くから店員になるような人がいい。あとは魔力が多いほうが良い」
魔力は醤油生成機に魔力を込めさせるためだ。
「種族、性別、容姿などにご希望はございますか?」
「種族と性別は特にないが容姿はできるだけ良いほうが店の印象も上がるだろう」
「はい、容姿の良く魔力の多い、店員志望の奴隷ですね。連れてまいりますので少々お待ちください」
そう言って奴隷商は奥に向かって歩いていく。
しばらくすると、30人ほどの奴隷を連れてきた。
「お客様の条件に合う奴隷を連れてまいりました」
鑑定を使用すると、皆平均より魔力が多かったりレベルの割に魔力が多かったりする。
ただ気になるのはほとんどが下を向いていたりとやる気がないように見える。
「どうやって選べばいいんだ?」
フィアに小声で尋ねる。
「基本は気に入った人と話をして最終決定するというのが基本ですね」
なるほどね。
「そうだな、左から1、3、8、9、13、20、25、27、28番目と会話させてくれ」
比較的やる気がありそうな奴を選んだ。
それぞれと話をし、6人に絞った。
店ならこのくらいの人数で大丈夫だそうだ。
ただ、魔力面は結構心配なのでスキルの力で何とかするしかなさそうだな。
今回購入したのは男性2人と女性4人だ。
皆顔立ちが整っていて明るい印象を与える感じの人達だ。
あと服を創った。
そして現在は店の中、醤油生成機の部屋に奴隷たちに話をするために居る。
「よし、じゃあまず皆の仕事の詳細を説明する。皆を買った理由はこの店の、必ず秘密を守る店員が欲しかったからだ。それで仕事だが、この店の店員だ。具体的には品出しと会計が基本だな。あとはこのでかい魔石に魔力を注いで商品を創るのも仕事だ。魔力が回復している者から交代で注いでもらう。魔力がたまっていると勝手に商品が出てくるようになっているからそれを保存したり並べたりしてくれ。この魔石については口外禁止とする。最初はこの商品だけだがだんだん増やしていくぞ。営業時間は午前10時から午後7時まで。朝は20分前に品出しと掃除をを開始すること。それ以外は基本自由時間だ。昼飯は交代で食え。あと、闇の日は休日だ。売り上げ次第で給料を出すからそれで買い物なり遊ぶなりしてくれ。以上だ。何か質問はあるか?」
「奴隷に休日なんて与えて良いのですか?」
一人が問う。
普通は奴隷には休日なんてない...のか?
それはやばくね?
まあ奴隷なんだからそう言うこともあるのか。
「過労でぶっ倒れてもらっても困るからな。これくらいがちょうどいいだろう。他に質問はあるか?」
奴隷達を見回す。
大丈夫そうだな。
「よし、じゃあとりあえずレベル上げするか。今のままじゃ他よりは魔力が高いといっても全然足りないからな」
近くに居れば経験値は分配されるのでパワーレベリングは可能だ。
ただ経験値はあっても経験はないので自力で上げた同じレベルの人よりも弱くなってしまう。
それでもやらないよりは強くなれるので貴族などは自衛のために冒険者を雇ってパワーレベリングすることもある。
それに今回は戦闘目的ではなく魔力が増えればいいので全く問題ない。
ナビゲーション、すぐに行けるところで最も経験値が美味しい奴は?
『前のクトゥルフのような宇宙の魔物がいます。クトゥルフよりは弱いですが数が多いです』
宇宙の魔物ってそんなポンポン出てくるもんなのか?
まあいいか。
「奴隷たちは俺の腕に触れてくれ。あ、フィアたちは戻っても大丈夫だぞ。案内とかありがとな」
そう言い、奴隷たちが全員首を傾けながらも腕に振れたことを確認し、転移を発動する。




