第二十九話 魔族
書いている途中で無理矢理変更した点があるため多少おかしくなってしまっているかもしれません。
クトゥルフ討伐から数日間は普通に授業を受けたりギルドの依頼を受けたりしながら過ごしていた。
そして現在は外で戦闘の授業の時間だ。
「よし、基礎練だ。とりあえず走れ」
いつも通りだな、これは。
まあ体力作りは大切だからな。
そんなことを考えながら走っていると...
「先生!あれ!」
クラスメイトのうちの一人が空に向かって指を指しながら声を上げた。
なんだ?と思いながら空を見上げてみると...
「ほんとになんだ?あれ」
なんか翼の生えた人が2人飛んでるように見える。
「魔族だ!お前ら逃げろ!」
先生がそう叫びながら逃げ始めた。
それを聞いた生徒たちも一斉に逃げ始める。
あー、あれが魔族か。
下級魔族でもBランク相当、上級魔族だとSランク冒険者とやり合うほど強いと言われている。
よく見てみれば角のようなものが生えているな。
まあ、俺も一応逃げるか。
そう思って逃げようとしたのだが、ふと振り返ってみると女の子が縮こまってしまっている。
確か入試は4位の娘だったかな?
実戦経験っていうか緊急時の経験はあまりないっぽいな。
上からは魔族が迫っている。
あー、これはやばいな。
「ったく、ちゃんと逃げてくれよ...」
俺は全速力で(超低空)飛行して女の子を抱え、避難させる。
その直後に魔族の急降下攻撃が女の子が縮こまっていたところを襲った。
地面が大きくえぐれている。
これを食らったら並みの者なら粉々だろうな。
さすが魔族。
「っち、ガキが邪魔しやがって」
「物騒なご登場だが魔族がこの学校に何の用だ?」
突然攻めてくる理由がよく分からん。
「簡単に人間どもの戦力を潰せる場所だと聞いたんだよ。こんなガキだらけの場所が戦力になるとも思わねえがな」
なるほど、ってことはそろそろ魔族が総力を挙げて攻めてくるかもしれないってことか。
魔王が誕生したってのは本当かもな。
「それだったら騎士団とか宮廷魔導士とかを襲ったらどうだ?」
そう、だからと言ってわざわざここを襲う理由が分からない。
「こっちのほうが楽なんだよ。連携で斬る奴らと戦うのはめんどくせえ」
なんだよその理由...
ただビビってるだけっぽいな。
「だせぇ理由だな。そんでこっちなら楽そうだ、と」
「そう言うことだ。もう質問は終わりか?よし、じゃあ死んでもらう」
そう言いながら魔族二人が剣を持ち襲い掛かってくる。
この動きだと剣聖術は持ってないな。
両方剣術はAはあるだろうが。
「へ!防戦一方じゃねえか。そんなんで大丈夫かぁ?」
この魔族は小手調べと言う言葉を知らないのだろうか。
てか2人いるんだから挟めよ。
なんで二人とも前から攻撃してんだ?アホか?
「いや、逆に聞くが俺に対して2人で来てんのに攻め切れてないのはどうなんだ?」
「んだと?もういい、ぶっ殺してやる」
とか言ってるがさっきから全然強くなってない。
最初っから本気だったんだろう。
本当に小手調べを知らないらしい。
特に学べるようなことを全くしてこないからそろそろ殺っちゃうか。
「なんだと!?まだ上げるのか!上級魔族2人で攻めたら確実だったんじゃねえのかよ!お前化け物かよ!クソ、まさかこんなガキがいるとはな」
魔族はそう言うと翼を広げ、逃げようとした。
「化け物?魔族には言われたくないな。まあそんなことはどうでもいい。悪いが殺させてもらうぞ」
俺はそう言うと、全力で両手の剣を振る。
片方の魔族の左右の羽が切れて落ちた。
さらに俺はもう1回左右の剣を振り、斬撃を飛ばしてもう一方の魔族の羽も落とす。
「「ギャァァァーーーーー!!!」」
羽を失った魔族が叫ぶ。
「おい、降伏して情報提供するなら命の保証くらいはしてやってもいいがどうする?」
そう声をかけても魔族は無理やり立ち上がり、攻撃してきた。
なんだろう、人間と敵対するのは魔族の本能的なものなのかな。
まあいい。
俺は斬りかかってきた魔族の攻撃を躱し、片方の魔族の体を真っ二つに切り裂いた。
そしてもう一方の魔族も魔法で削り切った。
そしてみんなが居るほうに目を向けてみると...
「ハヤテくん、強すぎでしょ...」
「ほんとおかしいわね...」
二人は普通に呆れてるがそのほかは口を大きく開けた状態でフリーズしている。
そんなに異常か?
...考えてみれば子供がSランク冒険者相当の実力を持つのを2人同時に相手して勝ったってのはたぶん異常だな。
リリーとミリア以外は俺がSランクと言うことも教えてないしな。
まあ死人も怪我人も出なかったしめでたしめでたしってことで大丈夫だろう。
問題は魔族が現れたことを国王なり国の重鎮なりに報告するときに俺のことが一緒に伝わることだ。
まあそんなことを今気にしても意味ないな。
「問題も解決したし授業を進めてほしいんだが」
「は?お前は何言ってるんだ。どう考えたって非常事態だ。校長に報告してくる。お前らは臨時休校だ。寮に戻って心落ち着かせて次なんかあった時にすぐ動けるように準備しとけ!」
そう言って先生は校長室に向かって走っていった。
生徒たちも一応フリーズ状態から回復して寮に向かって歩いている。
「しゃあない、俺達も寮に戻るか」
そうリリー達に言って俺達も寮に戻っていった。
この後正式に臨時休校が発表されて対策するまでの間学校は休校となった。




