第二十二話 炎蛇龍
遅くなるかもって言ったな。
あれは嘘だ。
とか言ってるけど最初のほうの更新ペースより遅いんですよね。本当にすみません。
「よし、事前準備するぞ」
炎蛇龍討伐の依頼を受けた俺達はギルドを出て目的地の洞窟に向かって歩いていた。
恐らく今の二人では役に立つか微妙なところなので少し強化することにした。
「事前準備...ですか?」
「ああ。まあお前らの強化だな」
「強化?そんなことができるの?」
「ああ」
多分な。
『スキル名:スキル譲渡を創造。スキル名;スキル創造にリンクします』
出来たっぽい。
『スキル譲渡、ステータス上昇B。スキル譲渡、取得経験値上昇B』
AとかSはさすがにやり過ぎだと思ったので少し自重してBにした。
これでも結構な効果が出るだろう。
ちなみに後半はおまけだ。
「わわ、凄いです!体が軽くなりました!」
「やっぱりできちゃうんだね...」
毎度のことな気がするが呆れられてる。
もう気にしないことにしよう。
まあこれで二人でも炎蛇龍との戦闘についてこれるだろう。
せっかくパーティー組んだんだからちゃんと全員で戦いたい。
「お、見っけた。あの洞窟の奥の広いところにいるらしいぞ」
「うう、Aランク魔物と戦うんですね...」
「ハヤテに強化して貰ったんだから大丈夫よ」
心配そうなリリー、俺の強化に信頼を置くミリア。
そんな二人会話を聞きながら進んでいった。
数分後。
「GURURURURU」
洞窟の中の広くなったところに到着した俺達を炎蛇龍が睨みつけている。
炎蛇龍はその名の通り炎をまとってドラゴンの羽をもった蛇って感じだ。
滅国龍ほどではないが強そうだ。
「よっしゃ、行くぞー」
俺がそう言って突っ込むと二人は魔法の詠唱を始める。
これ強化しなくても俺がずっと注意を引き付けてれば大丈夫だった説。
まあいいか。
「「ウォーターランス!」」
二人とも炎蛇龍の弱点っぽい水属性で攻めている。
炎蛇龍の体力を1発当たり5パーセントほど削っている。
この調子ならおそらく俺が攻撃しなくても削り切れそうだな。
そんなことを考えながら戦っていると...
「GURUUUUUU...」
俺が全く攻撃しないのが分かったのか炎蛇龍の注意がリリーたちのほうに向いてしまった。
これはまずいな。
何とか注意を引き付けたいんだが...
『スキル名:挑発Sを創造しました』
なるほどね、敵の注意を強制的に自分に向けさせるスキルか。
この場面には最適だな。
そう思った俺は炎蛇龍に向けて挑発を発動する。
「GAAAAAAAA!!!」
挑発された炎蛇龍がすごい速度でこっちに向かってきた。
めっちゃ怒ってて攻撃的になってる。
「ハヤテくん何したんですか!?すごい怒ってますよ!?」
「そっちに注意が向きそうだったからこっちに引き戻しただけだ」
「どういう引き戻し方したらこうなるのよ...」
なんか若干困ったような感じで返された。
まあ動きが単純にはなっているが早くなっているので当てづらいのだろう。
まあ動きを読んで置き撃ちする練習にピッタリだろうからまあこのままでいいか。
っというわけで怒りに任せて巨体に似合わず高速で突っ込んでくる炎蛇龍を剣で捌く。
単純に突っ込んでくるだけなので捌くのも(炎蛇龍と速さを合わせれば)さっきよりも楽だ。
まあこの程度は誤差の範囲なんだが。
「「ウォーターランス!」」
またそれかよ。
まあ普通に有効だからいいけど。
~数分後~
「GURUUUUUuuuu...」
炎蛇龍がやっと倒れた。
俺は攻撃せずに二人に完全に火力を任せたので結構時間がかかった。
「ふぅ、やっと倒せました」
「かなり時間かかったわね」
「まあ今回は攻撃を全部任せたからな。まあ魔力をもうちょい増やして1発に込める魔力を増やせばもっと早くなると思うぞ」
ってか何発も撃ってたけどそれ全部まとめてでっかいウォーターランスを撃てばワンパンできた説。
「魔力を込める?何それ?」
...はい?
簡単に込められると思うんだが...
それに魔力を込めないと魔法発動しなくなくない?
『普通の人は詠唱が魔力を込めるトリガーになっています。詠唱に応じた魔力しかこめられないので込める量は一定です。マスターが魔力を込めるのが簡単なのは無詠唱スキルのおかげです』
それだったら人によって威力変わんなくない?
『変換効率の違いです。同じ量の魔力を込めても変換効率が違うと威力が変わってきます』
なるほどね。
その変換効率ってどこで分かるんだ?
『普通のステータスのほかに裏ステータスなるものが存在します』
マジか、後で見てみよう。
おっと、話それたな。
「えっと、無詠唱の人限定らしい。今知った」
「あっはい、ハヤテくんはそう言う人でしたね...」
「まあ倒せたんだし良いでしょ。ギルドに戻りましょ」
そんな感じで炎蛇龍戦は終了した。




