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08

説明回です。上手く説明出来てる気がしない…。質問あれば後書き等で解説します!


「お待たせしました。…おや、お茶会ですか?」



「ニコラス、お疲れ様。彼女がそうなの?」



「あ、アスカ、です!」



────主人公だ。







「あぁ、貴女が噂の。水を司る四聖剣、ニコラスです」



「初めましてニコラス様。ペルラと申します」



噂の…というのがどんなのか気になるところではあるが、今はそれより主人公だ。

…うん、キャラページや資料集にある通りの見た目だ。

ゆるりとウェーブのかかったピンクゴールドの髪は、下の位置で2つに結われている。

熟れたイチゴのような真っ赤な瞳は大きく、まつ毛もバサバサ。唇も程よく色付いていて潤っている。

胸は──まぁ、ささやかだけど、全体的にすらっとしていて、別にスタイルが悪いわけじゃない。

身長は私の目線あたりに頭頂があるから10cmは低いかな?って今日ヒール履いてたから5cmくらいしか差はなさそう。



「初めまして、ペルラです」



「えっと、アスカです。よろしく、お願いします!」



「立ち話もなんだから座って頂戴」



「じゃあおかわり淹れますね」





イチゴジャムを入れたロシアンティーはほのかな甘ずっぱさがシナモンをきかせたアップルパイによく合った。




「──2人に今後の話をするわ」



かちゃり、とカップを置く音がやけに大きく響いた。




内容はゲームと同じだった。

…けど、少しだけ違ったような気がする。


女王から1番遠い星、『エリュシオン』。

3ヶ月前から女王が新任時に灯した燭台の炎が消されていき、つい先日、全てが消えた。

エリュシオンはみるみるうちに魔物に乗っ取られ、そこで暮らす人々の生活はままならない。

聖騎士団を派遣しているが、追いついていないのが現状だ。


そこで、今回の試験として私たちは星唯一の島の両端にある小神殿を拠点とし、魔物の浄化・燭台に炎を灯すことを繰り返し、星を浄化する。

そして、星の中心にある湖に浮かぶ大神殿の燭台に炎を灯した者を女王とする。



「そ、そんな悠長でいいんですか!?住人は生活もままならないというのに!」



「アスカさん、考えてみて。魔物が優位にいるということは、辺りは強大な瘴気に包まれている。そこに女王の強い力がぶつかる。どうなる?」



「え、浄化できるんじゃ…」



「正解は反発しあい、最悪の場合は星ごと吹き飛ぶ爆発が起きるわ」



「そう、だからこそ魔物を浄化しながら燭台の炎で瘴気を浄化する。それを繰り返して星から瘴気を少なくするんだ」



「星から最低でも半分の瘴気を浄化できれば、大神殿に炎を灯しても爆発は起きないと思うのです」



「つまり、そこの住人にとってはこれが最善で最速の手ってことだ」



「そ、そうなんですか…」



しゅん、という効果音が似合うくらい落ち込んだ顔をした。

…というか、これくらいの知識、学校で習うと思うのだけど…。



「ペルラ、どうして炎だと思う?」



「え?えーと……魔物の特性、ですか」



魔物は夜──暗闇を好む。なので、月明かりがない日は外へ出るなと小さい頃から口酸っぱく言われている。どんな小物の魔物でも月明かりがある日とは比べ物にならないくらい凶悪になっているからだ。

────待って、もしかして。



「日が昇らない、からですか」



昼夜のバランスがいいからという理由で太陽より3つ目の星を主星とし、女王の聖殿がある。

その女王から1番遠いとなると、太陽から最も遠く離れた──15番目の星だ。

陽の光が薄く、他の星に隠されるなどしてほとんど日がない状態が続くとリュカから教わった。

だから燭台に炎を灯し、太陽の代わりにしていたのか!



「正解よ、さすがペルラ」



思わずリュカを見ると、満足気に頷いてくれた。



「他の星なら私…女王の力が届くからなんとか出来たけど…エリュシオンだけは遠すぎるのか届かないの」



私はここから動くことは出来ない。

だから、お願いします。


美しい所作で深々と頭を下げる女王に、私は強く頷いた。






「今日は視察だけだ。この島の空気を肌で感じてほしい」



聖殿内にある転送装置でエリュシオンへと向かう。

道中の数分、今まで口を開かなかったアスカが言葉を零した。



「なんで女王様は動くことが出来ないんですか?」



「逆に、動いたらどうなると思いますか?」



「えっ?」



あまりの知らなさに思わず溜息を吐いてしまう。女王の役割について何も知らなすぎでは?

…もしかして、チュートリアル受けてる気分なのかしら。彼女も転生者、だったりして。



「女王は宝玉(ぎょく)を守っている」



宝玉(ぎょく)、ですか?」



「この宇宙の核である宝玉(ぎょく)。それに定期的に力を送ることでこの宇宙は保たれています」



宝玉(ぎょく)はその場から動かすことが出来ない。女王が離れれば、その時は力を送ることが出来なくなってしまう」



「でも、1日くらいなら」



「その1日空けただけで、全てがこの星のような状態になるのよ」



降り立った地から漂ってくる瘴気の濃さは、あの時の魔物とは比べ物にならなかった。

足がふらつき、吐き気が込み上げる。思わず蹲ると、リュカが背中をさすってくれた。…ちょっと楽になった。

アスカも食らったらしく、暫く動けなかった。



「今聖騎士団がなんとかしているが、正直どこまで持つかわからない。なるべく早く浄化するように」



ジュリオの言葉に、私たちは頷いた。

…この中で大丈夫ってどんだけ強いのよ…。







「…ペルラ?」



「エリオット!?」



そうだ、エリオットの異動先エリュシオンじゃない!!




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